そこで本記事では、従業員エンゲージメントとは何かを解説したうえで、メリットや向上させるための施策を解説します。
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従業員エンゲージメントとは?定義と3つの構成要素
従業員が自社を理解し信頼していれば、従業員エンゲージメントが高く保たれ、生産性向上や人材定着といったメリットにつながります。
従業員エンゲージメントを向上させるためには、以下の3つの構成要素をしっかりと理解しておきましょう。
(2)帰属意識
(3)行動意欲
(1)理解度
企業理念やミッション、経営戦略を従業員が理解し支持している場合、従業員エンゲージメントが高くなります。
会社と個人の目指す方向が一致することで、従業員に当事者意識が芽生え、生産性や業績の向上に寄与します。
(2)帰属意識
自身が企業や部署、チームなどの集団に所属している一員であると自覚している場合、メンバーとの結びつきが強くなり、従業員エンゲージメントが向上します。
帰属意識が高い従業員は、高い忠誠心や共感力を抱くため、組織のために積極的に行動するようになります。
(3)行動意欲
行動意欲が高い従業員は、組織の成功のため自主的に行動します。自社に愛着を持ち、貢献したいという気持ちが高まると、熱意を持って業務に取り組めるようになります。
従業員エンゲージメントが重要とされる理由
労働市場が変化しているため
少子高齢化が進む日本では、労働力不足が深刻化しています。また、終身雇用にこだわらないはたらき方が普及した結果、多くの人が転職を当たり前と考えるようになりました。
つまり、現在は採用難易度が高く、離職リスクも常に付きまとう状況です。優秀な人材を確保し定着させるためには、従業員エンゲージメントを向上させ、選ばれ続ける企業を目指す必要があります。
はたらき方や価値観の多様化が進んでいるため
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、日本でもリモートワークが広く普及しました。また、介護や子育てと仕事を両立する人が増えたことで、従業員のライフスタイルやキャリア観は多様化しています。
そのため、長時間労働が常態化している企業や、柔軟な働き方に対応していない企業は、人材獲得において苦戦する傾向があります。
給与や役職だけで従業員のモチベーションを管理することは難しいと理解したうえで、従業員一人ひとりが目指すはたらき方や価値観の変化にあわせてマネジメントを行い、貢献意欲を引き出すことが求められています。
人的資本経営や情報開示の流れが強まっているため
2023年3月期決算から、有価証券報告書を提出する約4,000社の上場企業を対象として、人的資本情報の開示が義務化されました。人材育成や従業員エンゲージメント、ダイバーシティなどの情報を開示するよう求められています。
こうした背景から、人材を「資本」と捉えて投資する人的資本経営が注目されています。人を単なるコストではなく価値創出の源と位置づけ、エンゲージメント向上を通じて企業の持続的な成長につなげる動きが広がっています。
従業員エンゲージメント向上によって得られるメリット
- 離職率の低下や人材定着につながる
- 生産性や業績が向上する
- 顧客満足度や企業価値の向上につながる
離職率の低下や人材定着につながる
少子高齢化に伴う労働人口の減少により、人材不足は多くの企業で喫緊の課題です。事業規模を縮小させないために十分な人員を確保したいのであれば、労働者から選ばれる企業になる必要があります。
従業員エンゲージメントを向上させれば、組織への帰属意識や仕事の満足度が高まるため、優秀な人材が転職せずはたらき続けてくれるでしょう。さらに、従業員エンゲージメントを高める取り組みを行っていると社外に周知することで、採用力強化につながる可能性もあります。
生産性や業績が向上する
従業員エンゲージメントが高まると、一人ひとりの仕事への意欲と責任感がアップします。自社に貢献するため自主的に行動する従業員が増えれば、組織が活性化し生産性が向上していきます。その結果、売上アップにつながる可能性が高くなるでしょう。
顧客満足度や企業価値の向上につながる
従業員が自社への貢献意欲を高く持っている場合、商品やサービスを深く理解し、積極的に仕事に励みます。その結果、顧客ニーズに的確に対応できるようになり、顧客満足度の向上が期待できます。顧客からの評価が上がれば、企業価値の向上にもつながるでしょう。
従業員エンゲージメントが低い原因
評価制度や報酬制度への納得感が低い
人事評価の基準が曖昧で、上司の主観で評価が決まっているように感じる場合、頑張っても報われないという無力感が発生します。また、長時間の努力や自己研鑽が昇給や昇進、ボーナス額などに結びつかない状態が続くと、貢献しても意味がないと感じやすくなります。
不透明かつ不公平だと感じる機会が積み重なることで、組織への信頼や貢献意欲が低下し、従業員エンゲージメントの低下を招きます。
組織の複雑化によってモチベーションが保てない
また、組織の再編や上司の変更が頻繁に続くと、そのたびに方針や優先順位が変わり、これまで積み上げてきたものがリセットされる感覚に陥りやすいです。結果として組織に愛着を持てず、貢献意欲が薄れて従業員エンゲージメントの低下につながります。
コミュニケーション不足で企業理念やビジョンが浸透していない
掲示物やスローガンで掲げていたとしても、実際の意思決定や評価、人事施策と結びついていなければ、理念やビジョンは綺麗事になってしまいます。理念やビジョンが形骸化している組織では、従業員が自分の仕事と企業の目指す方向のつながりが見えず、仕事をする意味を見出せなくなってしまうでしょう。
コミュニケーション不足では組織の意図や背景も理解しづらいため、自社への信頼感が低下し、従業員エンゲージメントが低くなりやすいです。
成長が実感できずキャリアパスを描けない
日々の業務で新たなスキルが身についている実感がない場合、このままでは成長できないという不安が募ります。また、スキルや強みを業務で活かせず評価につながっていない場合も、組織への貢献意欲が失われやすいです。
さらに、どのような経験を積めばどのポジションを目指せるかというキャリアパスが明確でなければ、将来の見通しを立てにくく、はたらき続ける意味を見失って従業員エンゲージメントが低下しやすくなります。
業務負荷が大きくはたらき方に不満がある
たとえば、担当業務の範囲が広すぎる、業務量に見合った給料が支払われない状態が続くと消耗感が強まり、組織のためにはたらき続けるのは難しいと感じてしまうでしょう。
また、柔軟にはたらくための制度が整っていない、健康や生活を支える福利厚生が整っていないといった場合にも、組織への不信感や不満が生まれやすいです。その結果、組織に愛着を持てず従業員エンゲージメントが低下し、優秀な人材の離職につながってしまいます。
従業員エンゲージメントを向上させるための具体的な施策
明日からでも取り組める具体的な施策を6つ紹介します。いずれも大規模な準備や投資を必要とせず、少しずつ実行に移せるため、できることから取り入れてみましょう。
- エンゲージメントの可視化と課題分析を行う
- 評価制度や報酬制度の納得感を高める
- 上司からの適切なフィードバックやコミュニケーションの活性化を促す
- キャリア支援と成長機会の提供を行う
- 組織文化や理念を浸透させる
- はたらき方の柔軟性向上とワークライフバランスの改善に取り組む
エンゲージメントの可視化と課題分析を行う
従業員エンゲージメントは、エンゲージメントサーベイを実施することで測定可能です。上司への信頼、組織への愛着、成長実感などをアンケート形式で測定し、部署別や年代別にスコアをまとめられます。
どの層でどの項目が低いかを特定できるため、課題解決に向けた改善策につなげられるでしょう。
評価制度や報酬制度の納得感を高める
評価制度や報酬制度の納得感を高めるためには、評価方法や報酬の決まり方を明確にして従業員と共有することが重要です。上司の主観で評価が決まっているのではないかという不信感を引き起こさないためにも、基準や評価プロセスの透明性を高めましょう。
上司からの適切なフィードバックやコミュニケーションの活性化を促す
業務の進め方や成果について具体的なフィードバックがあれば、きちんと見てもらえて評価されているという実感が生まれ、組織に貢献しようという前向きな気持ちが育まれます。また、1on1ミーティングや雑談などでコミュニケーション機会が増えれば、関係性が深まってチームに対する帰属意識が高まります。
キャリア支援と成長機会の提供を行う
将来どのようなキャリアパスがあり、どんな経験やスキルが必要なのかが見えると、中長期的な成長をイメージしやすくなるため、従業員ははたらくモチベーションを保てるようになります。
また、従業員エンゲージメントを高めるためには、成長機会の提供が必須です。
日々の業務だけでは学びやスキルアップを実感しづらい場合、研修やeラーニング、資格取得支援などの制度を整えることで、企業が自身の成長に投資してくれていると実感しやすくなります。
組織文化や理念を浸透させる
理念やビジョンを掲示するだけでなく、どのような未来を実現したいかを経営層が自らの言葉で伝え、日々の意思決定や制度設計と結びつける必要があります。行動指針に沿った取り組みを評価する、社内報で理念を体現した事例を紹介するなどの方法で、企業が本気だという信頼感が生まれます。
企業文化や理念が日常の業務と紐づくことで、従業員は自分の仕事と組織のビジョンのつながりを感じやすくなり、貢献意欲が高まります。
はたらき方の柔軟性向上とワークライフバランスの改善に取り組む
リモートワークやフレックスタイム制、時短勤務などの制度を整えることで、子育てや介護と仕事を両立しやすくなります。柔軟にはたらける選択肢があれば、ライフステージが変わってもはたらき続けられるという安心感を持ちやすくなるため、組織への信頼と愛着が高まるでしょう。
さらに、長時間労働の是正や有給休暇の取得促進によって仕事と生活のバランスが整うことで、心身の健康が保たれて仕事に前向きに取り組めるようになります。
従業員エンゲージメント向上に「ミイダス組織サーベイ」の活用がおすすめ
「ミイダス組織サーベイ」は、簡単なアンケートに答えるだけで、従業員やチームの現在のコンディションを客観的に可視化できるツールです。カテゴリごとにデータを分析できるため、エンゲージメントに影響している課題の把握や、取り組むべき優先順位の整理に役立ちます。
実施頻度や診断範囲、アンケート内容を自由に設定できるので、自社向けにカスタマイズした調査が可能です。ぜひ導入を検討してみてください。
関連ページ:ミイダス組織サーベイ|組織コンディションの把握で離職を防止
まとめ
従業員エンゲージメントを向上させるためには、貢献意欲を低下させている原因を特定し、改善施策を実施することが重要です。アンケート調査を実施して現状を明らかにしたうえで、評価制度や労働環境の整備などの施策に取り組みましょう。
※本記事内で紹介されているサービスに関して、記事監修の専門家は関与しておらず、またサービスの監修もしていません。
※本記事は2026年6月(監修時期)現在の内容に基づいて記載されたものです。

キャリコンリンク合同会社 代表/転職コンサルタント・心理カウンセラー
国家資格 2級キャリアコンサルティング技能士、産業カウンセラー、心理相談員など多数の資格を持つ。キャリアの専門家として職業訓練校での就職指導、大学講師、ハローワークや公共機関などの相談員を務めてきたほか、心理カウンセラーとして心の問題のケアにも従事。NHK総合の就活ドラマも監修。著書は『オンライン就活は面接が 9 割』(青春出版社)、『2026年度版 本気で内定!面接対策』(新星出版社)など。






