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ゆとり世代とは?特徴とうまく付き合う5つのコツを解説

「ゆとり世代とのコミュニケーションがうまくいかない」
「何を考えているのかわからない」
「今までのやり方では通用しない気がする……」

ゆとり世代とうまく付き合うには、ゆとり世代の特徴を押さえたコミュニケーションが求められます。

育った時代背景や受けた教育内容によって、世代ごとの価値観や考え方は違うものです。ゆとり世代のバックグラウンドや特徴がわかれば、自分の世代では理解できなかった価値観も、納得できるかもしれません。

この記事では、ゆとり世代の概要や特徴、上手に付き合うコツなどについて解説します。ゆとり教育についても触れていますので、ぜひ最後までお読みください。

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「ゆとり世代」とは

ゆとり世代とは、 2002年から2010年にかけて施行された学習指導要領に沿った義務教育、通称「ゆとり教育」を受けた世代のことです。文部科学省が「ゆとり世代」と名付けたわけでなく、マスコミが「ゆとり世代」と呼称したことで広く知られるようになりました。

下記の層がゆとり世代に該当します。
  • 1987年4月2日〜2004年4月1日生まれ
  • 2023年時点で19歳〜36歳
なかでも、1995年生まれは小学校から高校までの12年間をゆとり教育で過ごした唯一の世代として、「フルゆとり世代」もしくは「スーパーゆとり世代」と呼ばれています。

ゆとり・さとり・つくし世代の違い

近年では「ゆとり世代」のほかに「さとり世代」や「つくし世代」といった言葉が生まれています。どれもほぼ同年代を指す言葉です。

いつからいつまでがどの世代かといった定義は曖昧で、論者によって捉え方が異なります。ここでは以下のように各世代を定義することにします
  • ゆとり世代 1987年〜2004年生まれ
  • さとり世代 1996年〜2005年生まれ・もしくは90年代生まれ
  • つくし世代 1985年以降の生まれ・1992年以降生まれ

さとり世代とは

さとり世代は、ゆとり世代の後期もしくは90年代生まれを指すのが一般的です。「モノを買わない」「酒を飲まない」「恋愛に淡白」など、悟りを開いているような姿から「さとり世代」という名称がつきました。

さとり世代は、ゆとり教育が見直され始めた時期に生まれ、学習量の増加や前倒しを行う「脱ゆとり教育」を経験してきた世代でもあります。

つくし世代とは

「つくし世代」もゆとり世代やさとり世代と年代的な違いはあまりありません。「つくし世代」は「尽くし世代」から生まれた造語です。他者に対する献身的な行動や考え方が顕著に現れている世代だったことに由来しています。

「つくし世代」(光文社新書)の著書である藤本耕平氏は、若者たちを「ゆとり世代」や「さとり世代」とひとくくりに捉える点に違和感を覚えたそうです。ゆとり世代には、上の世代にはない別の側面もあることを伝えたいと「つくし世代」と表現したと話しています。

参考:藤本耕平「つくし世代」光文社新書 279ページ(Kindle版)

ゆとり世代の特徴を短所と長所に分けて解説

ゆとり世代の特徴と働き方
ゆとり世代の特徴について見ていきましょう。ゆとり世代はネガティブなイメージを持たれやすい一方、非常に真面目で専門性に優れた一面があります。

ゆとり世代の部下とのコミュニケーションに課題を持つ方は、ぜひご覧ください。

ゆとり世代に見られる短所

一般的にゆとり世代に見られる短所は以下の3つです。
1. コミュニケーションに消極的
2. 受動的で積極性に欠ける
3. ストレス耐性が低い

1. コミュニケーションに消極的

インターネットでの非対面コミュニケーションに慣れたゆとり世代は、職場での対面コミュニケーションに消極的な面があります。「挨拶ができない」と評する管理職によるシビアなアンケート結果も出ています。顔を合わせて挨拶するのが苦手なあまり、メールで挨拶する若手社員もいるようです。

また、仕事でわからないことがあっても相談を躊躇う傾向も指摘されています。

「今聞いても良いのか」
「忙しいから後にしてくれと言われないか」
「こんなこともわからないのかと怒られるのではないか」

と、悩みすぎて声をかけられない面も。

同世代とは深く交流できるものの、極度にリスクを恐れるあまり、上の世代とうまく交流できない。そのため、社内イベントや飲み会にも参加しないゆとり世代は少なくありません。

2. 受動的で積極性に欠ける

指示された内容はしっかりこなす反面、それ以上のことに手をつけようとしません。積極性に欠ける点がゆとり世代に多く見られる短所です。

ゆとりのある教育を受けた影響で競争意識が低く、積極的に物事へ取り組む機会に恵まれなかったのが原因と考えられます。合理的な思考に優れたゆとり世代は、非効率的なやり方の業務に難色を示すため、自ら積極的に携わろうとしません。

さらにストレス耐性が低いため、「自発的に動いて失敗するなら指示を待ったほうが良い」といった発想を持っています。

管理職の世代とは正反対とも言える特徴があることから、世代間ギャップが大きく働き「ゆとり世代はチャレンジ精神が低い」と思われやすいのです。

一方で、こうした特性は業務の改善点提示や円滑な運営に大きく貢献します。一概に「ゆとり世代 = チャレンジ精神が低い」と判断するのは早計でしょう。

3. ストレス耐性が低い

ゆとり世代は「打たれ弱い」傾向があります。競争させない・順番を付けないゆとり教育を受けた影響からか、叱られることに慣れていない人が多いのです。

ある調査で「20代の正社員は忍耐強い」という設問に対して「当てはまらない」「どちらとも言えない」と答えた管理職は全体の半数以上にのぼるといった結果が出ています。

親や先生からめったに叱られなかったため、ちょっとした注意でも極度に萎縮してしまう傾向があるのです。極端な事例では、上司がゆとり世代の部下に「もう来なくていい」と叱責したら、本当に来なくなったという話も。

ストレス耐性について、下記に記事で詳しく解説しています。

<関連記事>ストレス耐性とは?ストレッサーを特定して適性を見極めよう

ゆとり世代に見られる長所

ネガティブな側面が注目されがちなゆとり世代ですが、ゆとり世代を高く評価する声もあります。

多くのゆとり世代に見られる長所は以下4つです。
1. 素直で真面目
2. 合理的かつ効率的な思考を持つ
3. ITを使った情報収集能力が高い
4. 創造力が豊か
それぞれ見ていきましょう。

1. 素直で真面目

素直で真面目な人が多く、一度指示された内容はきっちりとこなす能力があります。詰め込み教育ではなく、内容的・時間的にゆとりのあるカリキュラムで教育を受けてきたことが影響していると思われます。

実際、管理職へのアンケート調査でも、ゆとり世代の社員は「真面目」と評する声が多く見られました。勝手な自己判断から招くミスを防げる点は、ゆとり世代の大きな長所と言えるでしょう。

目的とやり方、手段が合理的に一致していて効率的でさえあれば、すんなり言われたことを実行する面があります。

2. 合理的で冷静な思考を持つ

ゆとり世代の多くは合理的で冷静な思考を持っています。バブル崩壊後の不況や大規模な自然災害を目の当たりにしたことで、周囲に振り回されない思考が形成されたと考えられます。

一見すると冷めているように感じますが、常に効率を重視するスタンスは業務を推進していく面で非常に有利と言えるでしょう。

3. ITを使った情報収集能力が高い

インターネット技術の発展やコロナ禍の影響などに伴い、ゆとり世代の求職者はインターネット上で情報収集をしたうえで、就職先候補を決める傾向があります。求人サイトや企業のホームページ、SNSなどの情報を駆使し、就職・転職活動に役立てています。

ゆとり世代は情報化社会の中で育った経緯があるため、ITを駆使した情報収集能力に長けている人が多い世代です。こうした特徴から、ITの分野で専門性を高める人もいます。

4. 創造力が豊か

ゆとり世代は、学業以外に興味のあるものを追求する環境で成長したため、独創性が高く、クリエイティブな作業が得意な傾向にあります。また、慣例の枠を超えたアイデアを生み出す力にも長けており、より効率的に業務を遂行する手段を常に考えています。

上司の世代から見ると奇異に見えるかもしれませんが、この「慣例を疑う力」を活用できれば、全く新しい企業戦略を生み出せる可能性もあるでしょう。

ここまでゆとり世代の長所と短所を解説しました。

しかし、ここで解説した長所・短所は一般的な特徴として言われている内容です。すべてのゆとり世代に共通したものではありません。

ゆとり世代を採用する際には、それぞれが持っている適性や能力を評価したうえでの見極めが重要。適切な見極めをするにはアセスメントツールの活用が有効です。

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ゆとり世代が求める働き方

ゆとり世代が求める働き方
正社員の終身雇用が当たり前だった時代とは異なり、ゆとり世代は雇用形態にこだわらず、プライベートも大切にしながらやりたい仕事を求める傾向にあります。

詰め込み教育を受けた世代とは正反対の価値観を持つゆとり世代。彼らの仕事観について、以下で詳しく解説していきます。

雇用形態にこだわらない

総務省統計局の「労働力調査2022年(4〜6月期平均結果)」によると、現職の雇用形態で非正規を選んだ理由を年代別で見ると以下のとおりとなっています。
自分の都合のよい時間に働きたいから家計の補助・学費等を得たいから家事・育児・介護等と両立しやすいから通勤時間が短いから専門的な技能等をいかせるから正規の職員・従業員の仕事がないからその他
15〜24歳
総数:240
97514882533
25〜34歳
総数:282
60284510176440
【引用】総務省統計局 労働力調査2022年(4~6月期平均結果)|年齢階級、現職の雇用形態についた主な理由別非正規の職員・従業員数
一般的にゆとり世代と言われる「1987年4月2日~2004年4月1日生まれ」が含まれる15〜24歳と25〜34歳では、いずれも「自分の都合のよい時間に働きたいから」の理由が多く見受けられます。

この結果を見ると、ゆとり世代の多くがプライベート優先で雇用形態を選んでいると考えられます。
雇用形態について、下記の記事でさらに解説しています。合わせてお読みください。

<関連記事>雇用形態とは?種類や企業側・従業員側それぞれのメリット・デメリットを紹介

仕事と生活の両立を重視する

日本生産性本部の調査によると、新入社員の働く目的は「楽しい生活をしたい」という回答が圧倒的に多くなっています。
厚生労働省 新卒の意識調査
【出典】平成25年度版 厚生労働白書 136ページ
このことから、ゆとり世代は「経済的に豊かな生活を送る」という物質的・経済的な側面よりも「日々の生活を充実できるかどうかを重視する」傾向があると言えるでしょう。

自分のやりたい仕事をしたいと考える

また、新入社員の入社動機においても、会社の将来性よりも自らの適性や興味に関することが重視される傾向にあります。前述の調査から、会社の選択理由を見てみましょう。
厚生労働省 会社の選択理由調査
【出典】平成25年度版 厚生労働白書 137ページ
グラフを見ると「自分の能力・個性が生かせるから」という理由で会社を選択する人が多いとわかります。

したがって、ゆとり世代の会社選択では、「自分がやりがいを感じ、能力形成をしていけるかどうか」が大きなポイントになっていると言えるでしょう。

続いて、ゆとり世代が育った時代背景を見ていきます。時代背景を知れば、ゆとり世代に対する理解がより深まるでしょう。

ゆとり世代が誕生した背景

教室で勉強をする小学生
戦後の日本では、試験や受験に役立つ知識をひたすら詰め込む「詰め込み学習」が教育体系となっていました。

しかし、授業量・学習量の増加により、勉強についていけない子どもが増加。これが不登校や授業が荒れる原因になっているという考えのもと、改善策として始まったのが「ゆとり教育」です。

ゆとり世代が受けた「ゆとり教育」

ゆとり教育では、子ども一人ひとりの個性を大切にするため、学習時間の大幅な短縮が行われました。「詰め込み学習」のカリキュラムは小学校6年間で5,821コマ、中学校3年間で3,535コマでした。

対して、ゆとり教育のカリキュラムでは小学校6年間で5,785コマ、中学校3年間で3,150コマに短縮されています。
詰め込み学習ゆとり教育短縮された時間
小学校6年間5,821コマ5,785コマ-36コマ
中学校3年間3,535コマ3,150コマ-385コマ
参考:ゆとり教育の検証|中村学園短期大学「幼花」卒業研究論文集
ゆとり世代のキャリア教育では「やりたいこと」を探し、自分らしい「キャラ作り」が大切だと考えられていました。若年者が使う「キャラ」という言葉も、そうした教育の影響が大きいと考えられます。

自分の「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」を自分なりに自由にコントロールできる世界で育ち、制約の少ない環境で合理的に活動してきた点がゆとり世代の特徴と言えるでしょう。

ゆとり教育が廃止された理由

子ども一人ひとりの個性を尊重し、子どもの「生きる力」「考える力」を育もうとスタートしたゆとり教育でしたが、ゆとり教育が学力低下を招いているといった批判の声が高まるようになります。

PISA 調査(OECD 生徒の学習到達度調査)によると 2000 年、2003 年、2006 年と回を追うごとに日本はどの領域でも得点と順位を落とす結果に。成績の原因は、平成10年に改訂された学習指導要領、いわゆる「ゆとり教育」が大きく影響しているとの見方が強まり、脱ゆとり路線へと舵が取られることになったのです。

PISA調査の結果は下記の通りです。
読解力数学的リテラシー科学的リテラシー
2000年調査
(ゆとり教育開始前)
8位1位2位
2006年調査
(ゆとり教育開始後)
15位10位6位
参考:ゆとり教育について
成績低下を理由に、何かとやり玉に挙げられがちな「ゆとり教育」でしたが、昨今では、評価を見直す声も挙がっています。世界で活躍するゆとり世代が陸続と誕生している点で、ゆとり教育は実は成功だったのでは?といった見方に注目が集まっているのです。

フィギュアスケートの羽生結弦選手やメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手、リオ五輪で金メダルを獲得した水泳の萩野公介選手など、トップアスリートとして活躍するゆとり世代も少なくありません。
ゆとり教育によって「時間的な余裕が生まれた分、練習に時間を費やせた」「長所を伸ばせた」と考えられているようです。

ゆとり教育の本当の成果が現れるのは、これからかもしれません。「これだからゆとりは」などとは、一概に決めつけられないでしょう。

ゆとり世代の社員と上手に付き合う5つのコツ

ゆとり世代の社員の生産性を上げる方法
ここからは、ゆとり世代との関わり方について解説します。ゆとり世代の生産性を上げるには、以下の方法が効果的です。
  • 褒めて伸ばす
  • キャリアについて話を聞く・支援する
  • 指示を出す時は論理的に説明する
  • 怒るよりアドバイス
  • 適度な距離感を保って接する
それぞれ解説します。

褒めて伸ばす

ゆとり世代を育てる際に重要なのが「とにかく褒めること」です。ゆとり世代の若者は「目立ちたくない」「他と同じでいい」と思っている一方で、「自分を見てほしい」「かまってほしい」といった願望も持っているものです。

信頼関係を築くためには、積極的に褒めて安心させてあげることが大切でしょう。

褒め方のポイントは「プロセスを評価する」こと。たとえ成果が出ていなくても、力を入れて取り組んだ点を見つけては褒めて認めてあげるのです。

とはいえ、お世辞や嘘をつく必要はありません。見え透いたお世辞だと受け取られれば、かえって逆効果です。日々の会話にポジティブな要素を織り交ぜるように「最近良い感じだね」「ここができるようになったね」と認めてあげましょう。

上司が気を遣って褒める分、調子に乗って仕事を疎かにするのではないかと不安に感じる人もいるでしょう。しかし、コンスタントに声をかけ積極的に褒めるようにしていれば、逆に部下は気を抜けなくなります。

ましてや、人の評価を気にするゆとり世代にとって、よく褒めてくれる上司に対しては「期待に応えるため頑張ろう」と思うはずです。

キャリアについて話を聞く・支援する

部下のキャリア感をヒアリングし、一緒に考える場を設けましょう。今の若手は優秀な社員ほど自分のキャリアを重視するものです。

上司が部下に寄り添い支援する姿は、部下のモチベーションアップにつながります。今の仕事が今後のキャリアにつながっていることを理解してもらったうえで、スキルや知識の棚卸、自己開発目標の設定などをサポートしてあげましょう。

やるべきことが明確になり、主体性や生産性の向上といった効果をもたらします。

「自分のキャリアを支援してくれている」という気持ちから、職場に定着もしやすくなるでしょう。

指示を出す時は論理的に説明する

ゆとり世代の人は論理的かつ合理的な思考であるため、抽象的な指示は理解しづらい傾向にあります。

できるだけ具体的に「いつまでに」「どのような仕事を」「どう始めて」「どのように進めるか」を伝え、ゴールを明確に設定してあげましょう。

たとえば、ゆとり世代の営業マンに「今月中に20件契約を取れ」と命令するだけでは不十分です。タスクを細分化し、段階に沿って課題を与えると良いでしょう。「まずは顧客リストを作れ」「とりあえずリストにある全員に1回ずつ電話しよう」「電話をしたら適宜会話の内容をメモするんだ」と具体的に指示するのです。

ゆとり世代はもともと指示通りに動くのが得意なので、細かく内容を提示すれば遅滞なく業務を遂行できるでしょう。

怒るよりアドバイス

ゆとり世代を叱る時は、「怒られた」といった印象を与えないよう伝え方に注意が必要です。叱られ慣れていないため、伝え方によっては萎縮させてしまうケースもあるためです。

青山学院大学・陸上競技部監督の原晋氏は、ゆとり世代の学生たちを指導するにあたり、下記のように注意していると言います。
『学生に怒るときは、真剣に怒るけれど、最後は未来志向で締めるということは意識しています。つまり、最後は怒った選手のいい部分と、君はこういうところを改善したらもっと良い選手になるんだ、ということをきちんと選手に伝えるようにしています。

そうしないと、その学生には、監督に怒られたという事実だけが残ってしまう可能性があるので、「怒られた」ではなく、「アドバイスされた」と思われるようにはしていますね。』

(引用:原晋・原田洋平『力を引き出す「ゆとり世代」の伸ばし方』P142より)
叱るだけでは通じないのがゆとり世代。「あなたにとって損だよ」といった姿勢で伝えると、真剣に向き合ってくれるでしょう。

適度な距離感を保って接する

ゆとり世代はワークライフバランスを重視する傾向が強いため、プライベートに職場の人間が踏み込むのを極端に嫌います。そのため、職場でプライベートな話をしたり、職場恋愛をしたりするのも避けるケースが多く見受けられます。

しつこく踏み込もうとすると心を閉ざしてしまうので、適度な距離感でコミュニケーションを取るようにしましょう。

ゆとり世代を効果的に育成する方法4選

ビジネスウーマンと晴天の街並み
一人前のビジネスパーソンとして、ゆとり世代を育成するには、成長を促す「場」と「仕組み」作りが重要です。具体的な方法は下記4つあります。
1. リーダーシップを鍛える場を用意する
2. 全員一律に負荷をかける
3. 新人教育を任せる
4. 定期的に話を聞く
それぞれ見ていきましょう。

リーダーシップを鍛える場を用意する

リーダーシップを磨く機会を積極的に与えましょう。大なり小なり、責任を負わせることでリーダーシップを鍛えられます。

たとえば、日々の細かなルーチンワークを若手に割り振り、それぞれリーダーに指名して責任を持たせてはいかがでしょうか。リーダーの指示は絶対として、上司や先輩も基本的に従うというルールにすると、より責任感を持って取り組むでしょう。

また後輩やアルバイトの指導を任せるのも効果的です。組織の一員としての意識を高めるだけでなく、自らの仕事の再確認にもなります。

教え方や接し方を実践的に学ぶことで、リーダーシップを鍛えられるでしょう。

小さな役割でも一定期間リーダーとして務め上げさせれば、責務の重さを体感するとともに、自信にもつながります。

リーダーシップについて以下の記事でより詳しく解説しています。ご興味がある方はぜひ合わせてお読みください。

<関連記事>リーダーシップとは?マネジメントとの違いや求められる資質、見極めに使えるツールも紹介

全員一律に負荷をかける

段階的に業務に慣れさせるよりも、あえて負荷の高い業務にチャレンジさせるのも効果的です。ポイントは、複数人一律にミッションを課すこと。

「みんなもやっているから自分もやらなきゃ」といった状況を作りだせば、真面目なゆとり世代の社員は否が応でも頑張るはずです。彼らが一番恐れるのは仲間内で浮くことだからです。

たとえば、会議の前に「何か良い企画案を考えてきてくれ」と伝えるだけでなく、会議参加者全員一律に企画案の提出を義務付けます。続いて、3〜4人の少人数のチームに分け企画案を発表させるのです。
発表を聞く上司や先輩社員は、企画案の内容が拙くても的外れでも、褒めるべきところを探して互いに褒めましょう。安心して発言できる雰囲気作りこそ、ゆとり世代がモチベーションを保つポイントになるためです。

とはいえ、少人数でしか話せないとなると、成長もできません。そこで、チームごとにベストと思われる意見をまとめ、チームを代表して発表させるのもゆとり世代の社員に任せてみましょう。

人前で話す練習にもなります。また、少人数の話し合いから全体での話し合いにシフトすることで、全員が企画を表に出す機会を得られるため、会議の場がより盛り上がる効果を期待できるでしょう。

定期的に話を聞く

仕事を中断して話を聞く場を持ちましょう。月に1回10分だけでも良いのです。モチベーション維持と内省を促す効果を期待できます。

話を聞く際のポイントは下記2点あります。
  • 話の意図を少しもずらさずに、丸ごとしっかり受け止めること
  • 意見を挟まず、ひたすら聞き役に回り、自省を促す
いわゆる「傾聴」の姿勢で臨むことが成功の秘訣です。何を言っても響かない部下にとくに効果的でしょう。ゆとり世代の中には、自身の至らなさに目を向けず、環境や条件のせいにして自分と向き合おうとしない社員もいるものです。

他責思考の社員に、正論を武器にどれだけ説得しても時間の無駄でしょう。人が変わるのは心が動いたときです。傾聴により聞き手の愛情が伝わり、愛情が後輩の感動に変われば、至らなさと向き合うきっかけになるかもしれません。

たとえば下記のように、自分に気づかせる質問をしてみましょう。
「最近調子はどう?」
「何が足りていないのかな?」
「そうなんだ。その状態に対してはどんな気分なの?」
「どうしたら満足のいく状態に近づけるのかな?」
「私に何か支援できることはあるかな?」
話を聞く場を就業時間内に設けるとより効果的。ゆとり世代は飲み会でのコミュニケーションをあまり好まないため、勤務時間中に設けるからこそ話し合いの価値が生まれます。

以下の記事で人材育成について、より詳しく解説しています。部下の育成にお悩みの方は合わせてお読みください。

<関連記事>人材育成の課題とは?5つの解決策と成功事例を解説 
<関連記事>コンピテンシーを人材育成に取り入れるメリットや導入方法、注意点を解説

「ミイダス」なら人材の特徴や適性を特定できる!

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ゆとり世代は、個性を尊重したゆとり教育を受けた世代なので、上司や先輩社員とは違った価値観や特徴を持っています。世代間コミュニケーションのギャップや主体性・チャレンジ精神の低さなど、ゆとり世代に対して課題を抱える企業も少なくありません。

ゆとり世代社員の生産性を上げるには、彼(彼女)らの価値観や特徴の多様性を受け入れたうえで、一人ひとりときちんと向き合っていくことが大切です。

ミイダス」のコンピテンシー 診断を活用すれば、ゆとり世代社員の 行動特性(コンピテンシー)を把握できるため、採用や社内でのコミュニケーションを含めたマネジメントの効率化が期待できます。

組織内では「ゆとり世代だから」と一括りにされがちですが、ゆとり世代には優れた特徴や資質もあります。コンピテンシー診断により、ゆとり世代社員一人ひとりの特徴や強みを明確にすれば、その人に適したアプローチ・サポートが行えます。それぞれの強みを活かした人材配置も可能になり、組織全体の生産性アップにも効果的です。

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コンピテンシー診断については、次項で詳しく解説します。

コンピテンシー診断の概要

コンピテンシー診断(フィッティング人材分析)では、「上下関係適正」「マネジメント資質」「パーソナリティの特徴」「ストレス要因」の4点を収集。優秀な人材の行動特性(コンピテンシー)を分析し、人材の育成計画の指標となる「コンピテンシーモデル」を作成します。

コンピテンシーモデルに近づくために必要なスキルや資格が可視化され、部下のモチベーション向上と計画的な育成プランの立案が可能です。

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ゆとり世代が離職する要因は大きく分けて2つあります。1つは叱責によってコミュニケーションに自信が持てなくなる点、2つ目はキャリアに対する不安がある点です。

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