メルマガ購読はこちら
採用

採用稟議書とは?承認される書き方とポイントを文例付きで解説

「採用稟議書を求められたけど、なにを書けばいい?」「採用稟議書がなかなか承認されない」
このように採用稟議書で困ったことはありませんか。

採用稟議書には重要な目的があり、いくつかのポイントを押さえて作成することで格段に承認されやすくなります。

本記事では、採用稟議書の意味や承認される書き方のポイントなどを文例とともに解説します。

【資料ダウンロード:ミイダスサービス概要資料|お役立ち資料


\1分で登録完了!すぐに求職者を検索できます/
無料で求職者を検索する

採用稟議書とは?

採用稟議書とは、採用を進めるうえで必要な社内決済を得るための書類です。

企業活動では、担当者が自分ひとりでは決められない事案も多く発生します。その場合、決裁権をもつ上長や関係者にその正当性を認めてもらう「稟議」を経るのが一般的です。そうした稟議にかける書類のうち、採用活動にかかわるものが「採用稟議書」なのです。

スピード感が求められる採用活動の現場では「稟議にかける時間がもったいない」と感じられることもあるかと思います。しかし、採用稟議書には必要な情報を適時に社内で共有し、採用や入社後の人事に生かすという重要な目的があります。提案内容を複数の視点から検討することで、より効果的に改善することもできるでしょう。

近年、人的資本経営への注目もあって、採用稟議書は採用活動のコストと期待リターンを定量的に記載し、経営層が「投資対効果」を判断できる資料とするケースが増えています。単なる承認を得るための「社内説明書」ではなく、「採用投資の意思決定資料」というような意味合いをもってきていることも覚えておきましょう。

採用稟議書が必要になるタイミングとは?

採用稟議書が求められるタイミングは企業によって異なります。一般的に、採用稟議書が求められることが多いのは次の2つのタイミングです。
● 採用活動を開始する際
● 採用を決定した際
なぜ、このタイミングで採用稟議書が必要になることが多いのでしょうか。その理由について考えていきましょう。

採用活動を開始する際

人材を新たに採用するには、求人媒体の利用や面接の実施などによりコストや労力が発生します。

そのため、採用活動を始めるかどうかは、担当者の一存では決められません。社内の協力も、採用稟議書が承認されることでスムーズに得られるようになります。

また、このタイミングで稟議を経ることで、採用活動の妥当性を事前に検討できます。選考基準についての認識を社内で統一でき、自社にフィットする人材を採用しやすくなるでしょう。

採用を決定した際

採用候補者が決まった段階で求められる稟議書の主な目的は、採用ミスの防止です。

万一、誤って内定通知を出してしまうと、取り消すことは法律で規制されているため、未然に防ぐ必要があるのです。

このタイミングで稟議をとおすことで、採用活動を開始する際の採用稟議書との整合性を複数人で確認できます。内定者の適性などを社内で共有できたり、入社後に配属される部署での受け入れ体制を整えたりするにも役立ちます。

採用稟議書の書き方と文例

いざ採用稟議書を求められると、「なにを書くと承認されやすい?」「詳しく書いたほうがいいのか、それとも簡潔に書いたほうがいいのか」などと疑問が浮かぶことがあるかもしれません。

そこで、前述した「採用活動を開始する際」「採用を決定した際」という2つのタイミングでの採用稟議書の書き方と文例をそれぞれ解説していきます。

採用活動を開始する際の採用稟議書

まず採用活動を始めてよいか、上長や関係者に判断を仰ぐのが、この段階の採用稟議書です。「なぜ今、人材採用が必要なのか」「予算は妥当か」という点が重視されることが多いでしょう。

そのため、承認されるためには、募集をする背景や募集要項、採用活動にかかるコストが明記されていることは必須といえます。

さらに、採用条件の項目で募集する人材のスキルや経験、人柄なども記載しておくと、選考基準の統一が図れ、自社にフィットする人材を採用しやすくなるでしょう。

次に必要な項目と文例を紹介しますので、参考にしてください。

<必要な項目>
  • 採用目標(採用予定人数、入社予定日、配属先)
  • 募集する背景や採用目的
  • 雇用形態
  • 募集職種
  • 募集要項(採用条件、給与体系、募集方法、選考方法など)
  • 募集期間
  • 採用予算
実際に作成する際には、申請したい内容を端的に書いたうえで、「募集する背景」は具体的に伝えることが大事です。欠員補充なのか、事業拡大のための増員なのか、といった背景を明記し、人材を採用することで期待できる効果にも言及すると採用の必要性が伝わりやすくなります。

一方で「募集要項」などは箇条書きで簡潔に示します。応募要件は厳しすぎると応募者が集まりにくくなるため、採用稟議書では応募者に最低限求めたい基準にとどめておくとよいでしょう。

<採用開始時における採用稟議書の文例>

件名:○○事業部への中途採用について


申請日:令和○年○月○日
申請者:○○○○

表記の件について、ご承認いただきたくお願い申し上げます。
 
(1)採用目標、雇用形態、募集職種
 
 ・採用予定人数:○名
 ・雇用形態:正社員
 ・募集職種:○○職(○○事業部配属)
 ・入社予定日:令和○年○月○日
 
(2)募集する背景や採用目的
 
当社では今年度、○○事業の立ち上げを予定しております。しかし、当社の営業職は現状の顧客への対応で手一杯となっており、○○事業の営業に対応する人材が不足しております。
 
そこで、○○事業に関する知識や経験、営業職の経験がある人材を新たに採用することで、○○事業の立ち上げに貢献してもらうことを目指します。
 
(3)募集要項
 
ⅰ.)応募要件
 ・学歴:大卒以上
 ・経験:業界を問わず営業経験3年以上、あるいは○○事業に関する知識や経験
 ・資格:不問
 ・その他:コミュニケーションスキルが高いこと
 
ⅱ.)選考方法
 ・書類選考:履歴書、職務経歴書
 ・一次面接:人事部長、○○事業部マネージャー
 ・二次面接:社長
 
ⅲ.)給与体系
 月収○○~○○万円(固定残業代含む)、賞与年2回、各種手当(通勤手当、役職手当等)
 
(4)採用予算や給与体系
  
採用予算:○○万円(求人媒体への掲載費など)

採用を決定した際の採用稟議書

このタイミングでの採用稟議書で重視されるのは、「採用候補者の給与や待遇、配属先が妥当である」という点です。この点に決裁者が納得できるかどうかが稟議の結果を左右します。

承認を得るためには、採用候補者の情報を伝えるだけではなく「なぜ、その人材の採用を決めたのか」を明示しましょう。採用候補者がどういったスキルや強みをもち、どのような適性をもっていることで自社の発展に貢献できると感じたのか、その理由を具体的に伝えます。

採用の決定時に作成する採用稟議書についての必要な項目は次のとおりです。

<必要な項目>
  • 氏名
  • 職務経歴
  • 保有資格
  • 採用に至った理由
  • 職種や仕事内容
  • 雇用条件(雇用形態、給与体系、待遇、勤務地など)
  • 入社予定日
「なぜ、その人材の採用を決めたのか」を伝えるために、採用に至った理由は具体的に記載しましょう。

また、ここでは採用活動開始時の稟議書との整合性がとれていることも重要です。各項目を埋めていくときには、採用活動開始時の採用稟議書と照らし合わせながら進めましょう。

特に、募集要項や採用条件では、採用候補者が各条件を満たしていることを必ず確かめ、その旨を稟議書に記載します。

面接時に応募者から受けた要望があればそれも記載し、そのうえで上長や関係者に最終的な判断を仰ぎましょう。

<採用決定時における採用稟議書の文例>

件名:○○事業部への中途採用者決定について


申請日:令和○年○月○日
申請者:○○○○

 採用者を決定しましたので、ご報告いたします。
 
(1)採用者の名前や職務経歴、保有資格など
 
・名前:○○○○
・職務経歴:○○高校卒業。株式会社○○にて3年間、営業職に従事。新規開拓の経験も豊富。
・保有資格:TOEIC750点
 
(2)採用に至った理由
 
書類選考では、新規開拓の営業実績が示されており、新規開拓が必要になる当社の○○事業に貢献できると感じました。
 
面接では、営業職の経験があるだけではなく、当社がこれから予定している○○事業に関する知識を独学で身に付けるなど向上心があると思われました。また、コミュニケーションスキルが高く、お客様と良好な関係を築くことが期待できます。
 
採用活動開始時の稟議書に記載した募集要項や採用条件は満たしていることを確認しました。
 
(3)採用条件と入社日
 
・職種:営業職
・採用条件:正社員、月給○○万円(固定残業代含む)、賞与年2回、各種手当(通勤手当、役職手当等)
・入社日:令和○年○月○日

採用稟議書の承認を円滑に進めるポイント

提出した採用稟議書について、「差し戻しが多い」「稟議がなかなかとおらない」などと思うように承認が得られない場合。次の7つのポイントがクリアできているかチェックしてみましょう。

<採用稟議書の承認を円滑に進めるポイント>
● 決裁者の立場を想像して作成する
● 決められた形式を順守する
● 採用の必要性を明示する
● 承認までのスケジュールを把握しておく
● 必要な情報を記入する
● データを添付する
● 関係者へ事前に共有しておく
上記をおさえることで採用稟議書が承認されやすくなります。それぞれの詳細について解説していきましょう。

決裁者の立場を想像して作成する

採用担当者の視点で稟議書を書いていないでしょうか。採用稟議書は、それを決裁する人から見て「採用の必要性がある」「自社の経営や配属部署にとってメリットがある」と感じられるかどうかが重要です。

決裁者の立場を想像するためには、採用計画を立てる段階で、経営層や関係部署と意見交換をするのがおすすめです。自社の経営方針、現状の課題、人材採用によって期待したい効果などについて、関係各所と認識を擦りあわせておきましょう。

決められた形式を順守する

自社に採用稟議書のフォーマットがないか確認してみましょう。ある場合はそれに則って作成します。稟議書には社内の正式な手続きという意味があるためです。

ただし、フォーマットが汎用のものしかない場合はアレンジが必要です。募集背景や採用に至った理由など、前述した採用稟議書に必要な項目が足りないと否決されやすくなってしまいます。汎用フォーマットに項目を追加したり別紙を添えたりと工夫するとよいでしょう。

採用の必要性を明示する

繰り返しになりますが、採用稟議書は決裁者が「採用が必要である」と感じることで承認されます。採用の必要性をよりアピールしたいときは、採用することで期待できる効果とともに、採用しない場合のデメリットを書くのもおすすめです。

また、リスクも挙げて「予算を超える場合は稟議書を改めて提出」などと対処法を併記しておくとなおよいでしょう。“リスクも想定済み“ということが伝わり、稟議書が承認されやすくなります。

承認までのスケジュールを把握しておく

「承認が下りるまで時間がかかりすぎる」という場合。まずは採用稟議書が承認までにとおるルートや、通常のスケジュールを把握しましょう。企業によっては稟議に相当の時間を要します。

そのうえで、稟議書が差し戻される可能性も考慮し、余裕を持って提出をします。決裁者が出張などで不在になると承認が進まなくなるため、場合によっては決裁者に事前に検討してもらうなど工夫をすると、スケジュールを管理しやすくなるでしょう。

必要な情報を記入する

採用稟議書には必要な情報が過不足なく記載されているでしょうか。採用稟議書は複数の人が情報を共有し、判断を下す書類です。そのため、ちょっとした記入漏れや内容の重複が否決の原因になりかねません。修正して再提出することになると、採用スケジュールに遅れが生じることになってしまいます。

前述した採用稟議書の「必要な項目」のほか、ご紹介した文例のように件名、申請日、申請者を記載し、承認印の欄も設けるとよいでしょう。

データを添付する

説得力を高めたい場合、採用稟議書に資料を添付するのも有効です。

添付する資料は、採用の必要性や効果を裏付けるような資料を選びます。採用開始時の稟議書であれば、市場相場や自社の業務量増加が分かるデータ、過去の採用活動から算出した採用コストの見積もりなど。採用決定時の稟議書であれば、候補者の履歴書や職務経歴書などが一例です。

ただし、資料が多くなりすぎないよう、必要な資料を厳選して添付しましょう。

関係者へ事前に共有しておく

決裁者である上長や関係者へ、あらかじめ情報を共有しておくことも、採用稟議書をスムーズにとおすポイントです。

会話のなかや会議の間などに1分ほど、口頭で情報を共有するだけでも十分です。「どうして今、採用活動を行なう必要があるのか」を伝えておきましょう。

特に、採用活動開始時に提出する稟議書では、書面で初めて知るよりも、事前に少し聞いていた内容であるほうが決済者も承認しやすくなると考えられます。

ミイダスなら採用強化と人事DXの両方を実現

採用稟議書の作成にあたって「採用に時間やコストをあまりかけられない」などと課題を感じる場合は、約44万社[注]が導入する採用強化ブランディングサービス「ミイダス」を是非ご検討ください。

[注]導入企業数:447,743社(2025年3月現在)

「ミイダス」では、採用力を強化し求職者を惹きつける「採用強化ブランディング」の仕組みを定額制でご利用いただけます。

自社にフィットしやすい人材を分析できる「コンピテンシー診断(特性診断)」、入社後の従業員エンゲージメントを向上させる「ミイダス組織サーベイ」など、採用活動を効率化するツールを多数用意しています。

採用戦略から入社後の人事まで対応できる「ミイダス」で、圧倒的にコスパのよい採用活動を実現しましょう。

\1分で登録完了!/
コンピテンシー診断(特性診断)を試してみる


ミイダスの概要資料については、以下よりご覧ください。

【資料ダウンロード:ミイダスサービス概要資料|お役立ち資料

関連記事:従業員のエンゲージメントを高めるメリットとその方法とは?
関連記事:ミイダス組織サーベイとは?使い方の流れや導入事例を紹介

まとめ

本記事では、採用稟議書が承認されやすくなる書き方のポイントをご紹介しました。採用稟議書の目的は主に、コスト面を含めた採用計画の妥当性を判断し、採用ミスを防止するためです。

採用のミスマッチを防ぎ、コスパのよい効果的な採用活動を実現するには、採用強化ブランディングサービスの「ミイダス」を利用するのもおすすめです。

無料トライアルでも一部機能は利用できるので、少しでも興味をもたれた方は、ぜひお試しください。

\1分で登録完了!/
ミイダスの機能を無料で体験する


※本記事は掲載時点の情報であり、最新のサービス内容と異なる場合があります。最新の情報は、必ずサービスサイトでご確認ください。

監修者
記事監修者平井 厚子

Officeまいとれいや代表/キャリアコンサルタント・産業カウンセラー

国家資格キャリアコンサルタントをはじめ、1級キャリアコンサルティング技能士や産業カウンセラーなどの資格を持つ。数々の企業で人材育成やキャリア開発を行い、2012年よりキャリアコンサルタントとして就職支援や就職後の定着支援を実施。2020年には「可能性を広げて納得できる働き方を!」を理念に60歳で起業。現在ではフリーで、就職・キャリア相談や研修講師などを行っている。

ミイダスは自社にフィットする人材を
特定して
アプローチ
できる
「アセスメントリクルーティング」
採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録して「ミイダス 人材・カルチャー分析」機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後の「ミイダス 人材・カルチャー分析」機能のご利用は無料です。

タグから探す

資料ダウンロード

セミナー情報

関連情報

人気記事ランキング

こちらの記事もオススメ

ミイダスなら人材領域の課題をスマートに解決できる機能が充実!

無料でミイダスの機能を
お試しいただけます

人材アセスメントお役立ち資料をダウンロード

お役立ち資料を
ダウンロードしてみる

人材アセスメントを実践したい方必見!
無料
矢印