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アサインとは?ビジネスにおける意味や使い方、注意点を解説

「新プロジェクトには君をアサインするよ」と言われ、意味がわからず戸惑った経験がないでしょうか。「アサイン」は英語「assign」に由来するビジネス用語で、「(役職に)任命する」や「(業務を)割り当てる」といった意味で使用されます。

この記事では、ビジネスシーンにおけるアサインの意味や使い方、使用時の注意点について例文を用いつつ解説します。いまいちアサインの使い方がわかっていない方はぜひご一読ください。

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アサインとは?ビジネスシーンでの意味

ノートに書かれた「Assign」の文字
アサイン(assign)は、英語の意味と同様に「(役職に)任命する」「担当を決める」「(業務を)割り当てる」といった意味があります。英単語の「assign」は動詞ですが、日本では「アサインする」のように動詞+動詞の使い方をすることが多いでしょう。
  • アサインする:上司が部下に対して役職を任命したり、業務を割り当てたりしたときに使用する
  • アサインされる:部下が上司から役職に任命されたり、プロジェクトに配属されたりしたときに使用する
「アサインする」は、目上の立場の人が下の人に対して、役職や役割、担当を決めたときに使用します。よって、部下の立場にある人が上司の命令で役割を担ったときは「今日からチームリーダーにアサインされました」など受動的な使い方になります。

アサインの類義語と対義語

アサインと似たような意味で使用されている用語と、反対の意味で使用されている用語を紹介します。
  • 類義語「ジョイン」
  • 対義語「リリース」

類義語「ジョイン」との違い

「ジョイン」は英語「join」に由来するビジネス用語で、意味は英単語と同じく「(チームに)参加する」や「(企業に)入社する」といった意味です。英単語は動詞ですが、日本語では「ジョインする」のように動詞を重ねた言い方で使用します。

アサインとの違いは、ジョインはあくまで参加する側が使用する表現である点です。
  • 「来月からプロジェクトにジョインしました」
  • 「4月から企業Aにジョインすることになりました」
たとえば、プロジェクトの担当者に自ら手を挙げるときは「ジョイン」の使用が適しています。

また、受動的な使い方もできるアサインと違い、「ジョインされた」はあまり聞かない使い方です。ジョインは参加者本人が使用する能動的なニュアンスが強い用語、と覚えておくと良いでしょう。

アサインの対義語は「リリース」

アサインの対義語は「リリース(release)」です。「(役職を)解任する」「(プロジェクトから)外す」といった意味になります。
  • 「プロジェクトAが完了したのでメンバーはリリースします」
  • 「この前リリースされて、次はプロジェクトBにアサインされました」
ただし、リリースには「(商品を)市場へ出す」「(企業が顧客などへ)お知らせする」などの意味で使用される場合もあります。コンサル業界などを除くと、リリースをアサインの対義語として使うのはあまり一般的ではないと言えるでしょう。

よってアサインの反対を表現したいときは、「解任」や「外す」など日本語での言い換えをおすすめします。

ビジネスシーンにおけるアサインの使い方

打ち合わせをするビジネスパーソンたち
ビジネスシーンでよくあるアサインの使い方を、以下のシーンにわけて例文で説明します。日本語での言い換えも併記して説明しますので参考にしてください。
  • アサインの基本的な使い方
  • アサインを依頼するとき
  • アサイン状況を確認するとき
  • アサインを調整するとき

アサインの基本的な使い方

アサインは「アサインする」と「アサインされる」の両方で使用されるほか、名詞としても使用します。
  • 「このプロジェクトリーダーにはAさんをアサインする(任命する)予定だ」
  • 「この度、プロジェクトのチームリーダーにアサインされました(任命されました)」
  • 「次のアサイン(割り当て)について相談させてほしい」
なお、アサインと敬語を組み合わせようとして「アサインさせていただく」などの使い方をするのは不自然です。「拝命しました」や「仰せつかりました」など日本語に言い換えたほうが自然に聞こえます。

アサインを依頼するとき

上司などにアサインを依頼するときは以下のようになります。
  • 「Aさんを次のプロジェクトにアサインして(配属して)もらえませんか」
  • 「来月から始まる新規案件に、君のチームから2人アサインして(人員を出して)ほしい」
  • 「プロジェクトにアサインする(参加させる)メンバーの検討をお願いします」
2番目の例文のように、アサインを「人員確保」のニュアンスで使用することもあります。たとえば「飲み会に3人アサインした」といった表現は、「飲み会の参加者を3人確保した」の意味です。

アサイン状況を確認したいとき

上司や同僚に対してアサイン状況を確認したいときや、アサイン状況を共有したいときは以下のようになります。
  • 「今のチームのアサイン状況(業務割り当て状況)を確認させてください」
  • 「このプロジェクトは誰をアサインする(配置する)予定ですか」
  • 「プロジェクトAは資料に記載のメンバーをアサインする(配置する)予定です」

アサインを調整したいとき

業務量の都合などでアサインを調整したいときは以下のようになります。
  • 「リソース不足のため、アサイン(割り当て)の再調整をお願いいたします」
  • 「このタスクはAさんからBさんへアサイン(割り当て)を変更します」
ただし、もっと要求を具体的にしたいときは「担当を変更してください」や「別の人に割り当ててください」など日本語で言い換えたほうが伝わりやすくなります。

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業界別のアサインの意味

並んだ人形とカラフルな吹き出し
一部の業界では、アサインの意味を限定して使ったり、特定の意味で使ったりすることもあります。ここでは以下の業界にわけてアサインの使い方を解説します。
  • IT・システム業界
  • 旅行・ホテル業界
  • 人材・転職業界
  • 契約・法律業界

IT・システム業界

IT業界やシステム業界では、「アサイン」をタスクやプロジェクトへの人員配置(チームメンバーの割り当て)の意味で使用するのが一般的です。たとえば「開発者のアサインはどうする」などの使い方をします。

また、業界特有の使い方として「数値や値を入れる・割り当てる」の意味での使用が挙げられます。これはキーボードの特定のキーに独自の機能を割り当てる「キー・アサイン」に由来する使い方です。

ほかにも、メンバーの稼働状況やタスクの進捗状況を管理するシステムを指して「アサイン管理システム」と呼ぶことがあります。

旅行・ホテル業界

旅行業界やホテル業界では「顧客に部屋や座席を割り当てる」という意味で、以下のような業界特有の用語があります。
  • ルームアサイン:宿泊部屋の割り当て
  • シートアサイン:バスなどの座席の割り当て
  • テーブルアサイン:レストランなどのテーブルの割り当て
「海側の部屋は会員の方を優先してアサインする」「団体客が入ったのでシートアサインを変更する」など、運営側が顧客に対してスペースを割り当てる意味で使います。

人材・転職業界

人材・転職業界では人材の「採用」や「選出」の意味でアサインを使用します。

たとえば派遣社員の配属を決める際に、以下のような表現になります。
  • 派遣先「この経験を持った人をアサイン(選出)してほしい」
  • 派遣元「Aさんをアサイン(選出)しよう」
  • 派遣社員「B社にアサイン(採用)された」
また、転職エージェントとのやり取りで「この条件にあう人材を3人ほどアサイン(選出)してほしい」と表現することもあります。

契約・法律業界

法律事務所では担当弁護士を案件に割り当てる際にアサインを使用するほか、契約関係においてアサインを含む独自の用語があります。
  • アサインメント:第三者へ債権を譲渡すること
  • アサインバック:先行と同一または類似の商標を出願する際に、商標か登録商標のどちらかを一時的に譲渡し、登録後に譲渡し直す方法
英単語のassignには「譲渡する」の意味もあり、契約や法律業界では権利を「譲渡する」の表現としてアサインを使用することがあります。

アサインを使用するときの注意点

「注意点」の文字ブロック
アサインの使用方法について説明してきました。読んでいて「うちの業界では使わない表現だな」「聞いたことがない」と戸惑った方も多いでしょう。

「コンセンサス」「バッファー」「リスケ」など横文字のビジネス用語は数多くありますが、「アサイン」は比較的使用頻度に業界で差がある用語と言えます。よって、すべてのビジネスパーソンに意味が通じるほど広く浸透しているわけではない用語、との認識を持ちましょう。

ここでは、仕事でアサインを使用するときの注意点について紹介します。

関連記事:コンセンサスとは?意味や得るコツをわかりやすく解説
関連記事:バッファーとは?意味とビジネスにおける使い方を解説
関連記事:リスケとは?意味や正しいマナー・使い方の注意点【例文あり】

人によっては通じない用語と心得る

解説してきた通り、アサインは複数の意味を持つビジネス用語です。意味がわかっている者同士が使用するなら非常に便利な用語と言えるでしょう。

しかし、日常生活で使用する機会があまりないため「聞いたことはあるが意味は知らない」という人も少なくありません。また、ビジネスシーンにおける使用頻度は業界で差があります。

たとえばコンサルティング業界、IT・システム業界、広告業界、Web業界など、プロジェクトベースで動くことが多い業界では、「アサイン」は広く普及しているように見えます。

一方、「アサイン」と同じ意味を持つ用語がすでに定着している業界では、アサインは使用されない傾向があるようです。たとえば製造業、小売業、医療・介護業界のようなシフト管理が必要な仕事、または公務員や農林水産業のような昔からある業界では、意味が通じないことが多いでしょう。

よって、社外の方との会話でアサインを使用するときは、相手が属している業界に十分配慮する必要があります。新人や別業界からの転職者には意味が通じない可能性が高いため、最初に用語の定義を説明する必要もあるでしょう。

シーンによっては使用を控えたほうが良い場合がある

アサインのような横文字のビジネス用語は、日本語の尊敬語や謙譲語と相性があまり良くありません。

たとえば「役職にアサインしていただいた」よりは「役職を拝命した」と言うほうが、「部長はAさんをアサインされた」よりも「部長はAさんを任命された」と言うほうが自然な日本語に聞こえます。

敬語が必要なシーンや公的な場で無理にビジネス用語を使用すると違和感を持たれるおそれがあるため、使用は控えたほうが無難です。

なるべく日本語へ言い換える

横文字のビジネス用語はできるだけ日本語に言い換えたほうが意図は正確に伝わります。たとえば「Aさんを新プロジェクトのリーダーにアサインしました」と「Aさんを新プロジェクトのリーダーに任命しました」では、後者のほうがより多くの人に誤解なく通じるでしょう。

アサインは以下のような日本語に言い換えられます。
  • 任命する
  • 割り当てる
  • 分担する
  • 担当者に指名する
  • 業務を課す
  • 人員を確保する
アサインのように複数の言い換えができる日本語を一つのビジネス用語に落とし込んでしまうと、解釈に齟齬が生まれやすくなります。アサインがほぼ一つの意味で使われているような業界を除き、なるべく日本語へ言い換えるほうがメンバー間の解釈を統一できるでしょう。

アサインは相手の立場や背景を考慮して使用しよう

仕事をしている2人のビジネスパーソン
アサインの意味や使い方について解説しました。

アサインは近年よく見るビジネス用語で、「Aさんをリーダーにアサインした」「プロジェクトにアサインされた」のほか「飲み会にアサインした」といった使い勝手の良い便利な用語です。

しかし、意味の通じやすさには業界によって差があります。相手の出身業界によってはまったく意図が伝わらない可能性もあるため、「アサイン」の使用には注意が必要です。

仕事におけるコミュニケーションは、相手に伝わらなければ意味がありません。相手の立場や背景を考慮し、必要ならば日本語で言い換えるように配慮しましょう。

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