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イニシアチブとは?意味や例文、ビジネスにおけるメリットなどを解説

「イニシアチブとはどのような意味だろう」
「ビジネスにおけるイニシアチブの重要性について知りたい」
このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。日常生活におけるイニシアチブとは「率先する」といった意味で使用されます。ビジネスシーンでは「主導権」といった意味を持つ言葉です。

本記事では、イニシアチブの意味や類義語、対義語、シーンごとの意味の違いなどを紹介します。記事の後半からは、ビジネスシーンにおけるイニシアチブの重要性を解説しています。意味を知りたい方はもちろん、ビジネスシーンでの適切な使用例を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。

なお、ビジネスシーンでイニシアチブを取れないと、会社として勢いがなくなったり業界の主導権を他社に握られてしまったりといったデメリットがあります。そうなると、社員が「キャリア形成において今後不利になるのではないか」と不安になり、離職してしまうおそれもあるでしょう。

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イニシアチブとは?意味を解説

黒板の前に立つ女性
一般生活において、イニシアチブは「率先して動く」「先導する」といった意味で使用される言葉です。使用例は下記のとおりです。

「夫がイニシアチブを発揮して、育児へ積極的に参加してくれる」
「友人との旅行計画を立てる際、イニシアチブを発揮してアイデアを提案した」
「彼女がイニシアチブを発揮してデートに誘ってくれるようになり、2人の仲が縮まった」

このように「率先して動く」といった意味でイニシアチブという言葉はよく使われます。

ビジネスシーンで使われるイニシアチブの意味

ビジネスシーンでは「主導権」「実行力」といった意味でイニシアチブという言葉が使われています。「率先して動く」という意味で、日常生活とほとんど同じ使われ方です。具体的な使用例を見てみましょう。

「新人のAさんがイニシアチブを取って、議論を先導してくれた」
「この分野ではX社がイニシアチブを取って推進している」
「社長がイニシアチブを取って会社を立て直した」

このように「主導権を取る」といった意味で利用されることが多い印象です。

英語の「initiative」との違い

イニシアチブは英語で「initiative」と書き、同じように「率先して動く」「主導権を取る」といった意味をもちます。ただし「構想」「戦略」といった意味で使用される場合もあるようです。

イニシアティブとの違い

イニシアチブは「イニシアティブ」と表記される場合もあります。どちらも意味は同じですが、「イニシアティブ」の方がより英語に近い発音といえます。両方とも間違いではありませんが、社内でどちらか一方の表記を使用している場合は、そちらにあわせた方が無難です。

イニシアチブの類語

イニシアチブの類語には「主導」「率先」「積極的」などが挙げられます。それぞれの意味を理解し、イニシアチブと使い分けていきましょう。
  • 主導:先頭に立って物事を進めていくこと
  • 率先:他の人よりも先駆けて行動を起こすこと
  • 積極的:自分から進んで物事に取り組むこと
場面に応じて「イニシアチブ」と使い分けていきましょう。

イニシアチブの対義語

イニシアチブの主な対義語とその意味を見ていきましょう。
  • 追従:他の人の後についていくこと
  • 追随:「追従」とほぼ同じ意味
  • 受動的:自分で行動を起こさず、他人からの指示を待つこと
これらの対義語を理解することで、イニシアチブの意味をより深く理解できるでしょう。これにより、たとえば「追従するのではなくイニシアチブを取ることで、業界のリーダーを目指そう」といった表現が可能になります。

イニシアチブとリーダーシップの違いとは

プレゼンする女性社員
イニシアチブと混同されやすい言葉の1つに「リーダーシップ」が挙げられます。同じような意味を持ちますが、それぞれ異なる点も理解しておきましょう。

リーダーシップは「集団を率いる能力」といった意味を持ちます。つまり、複数人が存在する場面ではじめてリーダーシップという言葉を使えます。一方のイニシアチブは、集団はもちろん、個人に対しても使える言葉です。

たとえば「集団の中でリーダーシップ(イニシアチブ)を発揮した」という場合は、どちらの言葉も使用できます。しかし「個人でイニシアチブを発揮して、会議で自発的にアイデアを出した」という場合、イニシアチブをリーダーシップに置き換えると違和感があります。

どちらも「積極的に行動する」という意味では同じ言葉です。しかし、イニシアチブの方がリーダーシップよりも広範囲に使える言葉といえるでしょう。

ビジネスシーンにおけるイニシアチブの具体的な例文

会議するビジネスパーソンたち
ここからは、ビジネスシーンで使われやすい「イニシアチブ」の表現について、具体例を交えて紹介します。

「イニシアチブを取る」の意味と使用例

ビジネスシーンでは「イニシアチブを取る」と表現する場合があります。主な使用例を見ていきましょう。

「新規プロジェクトはAさんがイニシアチブを取って進めてくれた」
「当社がイニシアチブを取って新製品を投入していく」
「議論が停滞した会議で、Bさんがイニシアチブを取って話を進めてくれた」

「イニシアチブを発揮する」の意味と使用例

「リーダーシップを発揮する」と同じようなニュアンスで「イニシアチブを発揮する」と表現する場合があります。ビジネスシーンにおける使用例を見ていきましょう。

「顧客からのクレームが続いている厳しい状況下でも、Aさんはイニシアチブを発揮して問題可決に取り組んでくれた」
「会社をより活性化するには、社員一人ひとりにイニシアチブを発揮することが求められる」
「新しい市場を開拓するため、当社がイニシアチブを発揮して新規参入に取り組む」

「戦略的イニシアチブ」の意味と使用例

ビジネスシーンでは「戦略的イニシアチブ」という言葉が使われる場合があります。戦略的イニシアチブとは、組織が目的を達成するために行う主体的な取り組みのことです。この場合のイニシアチブは「構成」「計画」といった意味で使用されます。

戦略的イニシアチブの使用例を見ていきましょう。

「当社では生産性向上のため、業務のDXを戦略的イニシアチブの1つに位置づけている」
「災害が発生しても事業活動を継続できるよう、拠点の分散を戦略的イニシアチブとして位置づけている」
「海外進出を行うため、英語を駆使して海外で交渉できる人材や現地人の採用を、戦略的イニシアチブとして推進する」

スポーツにおけるイニシアチブの具体的な例文

イニシアチブという言葉は、スポーツにおいても「先手」「優位」「主導権」といった意味で使用されます。具体的な例文を見ていきましょう。

「試合の前半で得点を得たため、この試合でのイニシアチブを握った」
「相手チームのミスを突き、試合のイニシアチブを取り戻した」
「積極的なプレーを行ってイニシアチブを取り、試合を有利に進めた」

政治におけるイニシアチブの具体的な例文

政治の分野では、イニシアチブは主に「政策」「構想」、あるいは議会における「発案権」といった意味で使用されます。主な使用例を見ていきましょう。

「新たな法案のイニシアチブを取るため、議会での議論が加速した」
「野党は経済を立て直すためのイニシアチブを提案した」
「地方都市が独自の教育イニシアチブを発表し、注目を集めている」

 ビジネスにおいてイニシアチブを取るメリット

プレゼン中の男性社員
ここからは、ビジネスにおいてイニシアチブを取るメリットをご紹介します。
  • 競合他社より一歩先に行動を起こしやすくなる
  • 組織が活性化し生産性向上が期待できる
  • 会議で活発な意見が出やすくなる
  • 社員が成長しやすくなる
上記のメリットについて、1つずつ解説していきます。

競合他社より一歩先に行動を起こしやすくなる

イニシアチブを取って行動を起こすことで、他社よりも先に新たな施策を打ちやすくなります。

たとえば、新しい商品を開発したり新規事業に参入したりするのは、一般的には先に始めた企業ほど有利になるものです。後発企業に巻き返されないようイニシアチブを取って事業展開を行っておけば、市場でのシェアを獲得して大きな利益につながります。

先行者利益を取るためにも、ビジネスでイニシアチブを取ることは重要です。

組織が活性化し生産性向上が期待できる

イニシアチブを取る社員が増えることで組織が活性化し、生産性の向上も期待できます。たとえば、会議で積極的に発言したり、新しいアイデアを出して実現したりする社員が増えれば、社内にポジティブな勢いが生まれます。すると、前向きな姿勢で仕事に取り組む人が増えるはずです。

その結果、無駄な業務をカットして生産性が向上したり、新しいアイデアから新規事業が生まれたりします。イニシアチブを発揮する社員が増えて社内に勢いが生まれれば、それに影響されて他の社員も前向きになるでしょう。

会議で活発な意見が出やすくなる

イニシアチブを発揮できる社員が増えれば、会議でも活発な意見交換を行いやすくなります。

業務を効率化したり、新しいアイデアを生み出して新規事業へつなげたりするためには、社員からの積極的な提案が欠かせません。イニシアチブを取る社員が増えることで意見が飛び交い、新しいアイデアが生まれやすくなり、企業活動に良い影響を与えることが期待できます。

たとえば、経費削減案や新規事業のアイデア、既存業務をより効率的なやり方に置き換えるアイデアが出てくるでしょう。

社員が成長しやすくなる

イニシアチブを発揮することで、社員自身のスキルアップにもつながります。

スキルアップと聞くと資格取得を思い浮かべる人もいますが、会社から一番評価されるスキルアップは「業務を通じてノウハウを蓄積し、成果をあげること」です。イニシアチブを発揮する社員が増えれば積極的に業務へかかわる人が増えるため、社員の成長も加速するはずです。

ビジネスにおいてイニシアチブを取る方法

こちらを見つめるビジネスパーソンたち
「ビジネスでイニシアチブを取る重要性は理解できたが、具体的にどうすれば良いのだろう」と悩んでいる方もいるでしょう。そこで、ビジネスでイニシアチブを取るための主な方法をご紹介します。
  • 根拠をもとに先回りして行動する癖をつける
  • 自分の意見を積極的に言いやすい雰囲気をつくる
  • 迅速な意思決定を心がける
  • 新しい技術や考え方に目を向ける
  • リスクマネジメントを徹底する
それぞれ詳しく見ていきましょう。

根拠をもとに先回りして行動する癖をつける

「イニシアチブを発揮しよう」と考えるあまり、思いついたことを言うだけになるパターンに陥らないようにしましょう。アイデアを出し合う場であれば良いのですが、日常業務において思いつきで行動すると、リソースの無駄になってしまうおそれがあるからです。

イニシアチブを発揮しつつ周囲からの評価を得るには、根拠をもとにアイデアを出して行動するよう心がけましょう。たとえば食品会社の場合、「冬になるとアイスの売れ行きは落ちるが、クリスマスや年末年始は需要が増えるというデータがあるから、特別なアイスの商品を開発してみよう」といった感じです。

自分の意見を積極的に言いやすい雰囲気をつくる

風通しがよく発言しやすい社風をつくることも、イニシアチブを取るうえで重要です。たとえば、会議で発言しにくかったり部署内で意見交換しにくい雰囲気があったりすると、イニシアチブを発揮して行動を起こすのが難しくなります。

会社として議論や意見の交換を奨励し、上層部が率先して意見を言いやすい環境をつくりましょう。上司が見本を見せれば、部下もきっとついてくるはずです。

迅速な意思決定を心がける

意見をまとめてすぐに意思決定をすることも、イニシアチブを取るうえで重要です。意見が出ても「検討する」「保留する」では行動に移すのが遅くなり、成果が出にくくなります。意見してもなかなか実行されない状態が続くと、社員からの発案も少なくなってしまうでしょう。

そのため、社員から出たアイデアや意見は迅速に意思決定することを、会社として心がけましょう。アイデアを出したらすぐに可否が分かり、次の行動に移せる状態をつくることは、会社の勢いや社員のモチベーションを保つうえで重要です。

新しい技術や考え方に目を向ける

新しい技術を活用したり良さそうな考え方を取り入れたりすることも、イニシアチブを取るうえで重要です。

たとえば、IT技術を活用して業務の効率化を図ったり、リモートワークやフレックスタイム制を導入して生産的な働き方を実現できないか検証したりすることが挙げられます。

このように、会社として主体的に新しい試みを行うことで社員も働きやすくなれば、前向きに仕事をするようになり、イニシアチブを取って仕事をしてくれるでしょう。

リスクマネジメントを徹底する

イニシアチブを取るようさまざまな試みを行うのも良いですが、リスクマネジメントは徹底しましょう。

イニシアチブを発揮すると、先行者利益を獲得できたり社員の成長が期待できたりします。しかし物事は必ずしもうまくいくとは限らず、時には失敗することもあるでしょう。

たとえば、リモートワークを実現しようと多額の設備投資を行ったにもかかわらず、期待した成果が得られなければ、リソースの無駄遣いになってしまいます。会社によっては、施策の失敗が経営を傾かせる要因になってしまう場合もあるでしょう。

そこで重要になるのがリスクマネジメントです。上記の例では、「一部の部署だけ試験的にリモートワークを導入する」など、設備投資の失敗や業務の遅延といったリスクを最小化することが考えられます。

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イニシアチブとは何かを理解して適切に活用しよう

腕組みをする4人のビジネスパーソン
本記事では、イニシアチブの意味や例文、ビジネスでイニシアチブを取るメリットや方法を解説しました。イニシアチブを発揮する社員が増えれば、企業活動も活性化してさらなる成長が見込めるでしょう。

本記事で紹介した内容を参考に、ビジネスでイニシアチブを取り、会社を成長させていきましょう。そのためには、イニシアチブを発揮できる人材を採用したり、既存社員が能力を発揮しやすい環境を整えたりすることが大切です。

イニシアチブを発揮できる社員が少なくなると企業活動が停滞し、優秀な社員の離職が増えるおそれがあります。実際、優秀な人ほどキャリアアップを理由に転職する人が多いことが、調査から分かっています。詳しくは下記から資料をダウンロードしてご確認ください。

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