人材アセスメントラボ - いちばん新しくていちばん詳しいHRマガジン

メルマガ購読はこちら
コンピテンシー

トップダウンとは?メリット・デメリットやボトムアップとの違いを解説

「トップダウンとはどういう意味だろう?」
「トップダウン経営のメリット・デメリットを知りたい」
このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。トップダウンとは「上意下達(じょういかたつ)」とも訳される言葉です。

トップダウン経営では、上層部が意思決定を行い社員が実行する、という仕組みで組織が動いていきます。そのため意思決定のスピードが早く、大きな決定も行いやすいというメリットがあります。ただし社員が指示待ち人間になってしまったり上層部が判断を誤ると経営危機に陥ったりするおそれがある、などデメリットもある仕組みです。

本記事ではトップダウン経営のメリット・デメリットやボトムアップとの違い、トップダウン経営を成功させるポイントなどを紹介していきます。「このままトップダウン経営を続けて大丈夫だろうか」「トップダウン経営でうまくやっていくためのコツを知りたい」とお悩みの方は参考にしてください。

なお「トップダウン経営についてこられる人材を採用したい」「部下のモチベーション管理に悩んでいる」という人向けのお役立ち資料をご用意しております。下記から無料でダウンロードできるので、ぜひご確認ください。

【無料ダウンロード】社風にあった定着人材の採用を成功させる方法

【無料ダウンロード】部下のモチベーションを把握する、その方法とは

トップダウンとはどういう意味?簡単に解説

調べるイメージ
トップダウンとは「上層から下層へ(指示や命令などが)伝わること」という意味です。

たとえば「トップダウンで物事が決まる」といえば、組織の幹部が物事を決めて部下がそれを実行する、といったように使われます。このような組織運営を「トップダウン経営」と呼びます。
  • 来期の目標は経営者や幹部が決める
  • 下層(部下)からの意見が通りにくい
  • 急に物事が決まりやすい
トップダウン経営には上記のような特徴が見られます。このような組織運営にはメリットもありますが、社員によっては不満が溜まり離職につながってしまうこともあるのです。トップダウン経営を推進していくのであれば、社風に合った離職しにくい人材を採用する必要性があります。

【無料ダウンロード】社風にあった定着人材の採用を成功させる方法

既存の部下のモチベーションを管理し、適切なフォローを行って生産性を上げていくことも必要です。管理職の人は、部下のマネジメントを適切に行い、離職を防ぐことが大切になります。

【無料ダウンロード】部下のモチベーションを把握する、その方法とは

トップダウン経営のメリット

メリット
トップダウン経営には下記のようなメリットがあります。
  • 意思決定のスピードが早い
  • 同じビジョンを共有しやすい
  • 一貫性のある経営方針を打ち出しやすい
  • 社員がなじみやすい
  • 責任の所在が明確になりやすい
  • 大きな決断を行いやすい
幹部が主導していくため一気に物事が決まりやすく、スピード感のある組織運営を行える点がトップダウン経営の強みです。各メリットについて詳しく見てみましょう。

意思決定のスピードが早い

トップダウン経営の強みは、なんといっても意思決定のスピードが早いことです。経営者や幹部など少人数が集まって物事を決めていくため、すぐに意思決定を行いやすいのが特徴です。
  • 社内での意思決定に時間がかかりすぎている
  • 会社が傾きかけていて余裕がない
  • 部下や現場に積極性がない
このような場合、トップダウン経営を行うことで物事が一気に改善されやすくなります。トップが主導して組織を引っ張っていくので、経営状況の改善が期待できます。

ただし上層部が判断ミスをすると、かえって状況が悪化しかねません。正しい意思決定を行えるよう、先入観(バイアス)をできるかぎり無くして物事を見極める必要があります。

【関連記事:バイアスとは?ビジネスでの意味や種類・企業に与える影響について解説【図解あり】

同じビジョンを共有しやすい

同じビジョン(将来)を全体で共有しやすいのも、トップダウン経営のメリットです。上層部が経営目標を発表して引っ張っていくため、社員全員が同じ方向に向かって仕事をしやすくなります。

たとえば部下や現場から意見を出して反映していく、いわゆるボトムアップ経営の場合、「自分たちの部署だけ良ければOK」といったセクショナリズム*が発生しかねません。しかしトップダウン経営であれば、社長をはじめとした上層部が会社全体の状況を俯瞰したうえで判断を行うため、全部署が一丸となって同じゴールに向かって走りやすくなります。

「社内がバラバラになっている」「社内の足並みが揃っていない」といった悩みは、トップダウン経営を行うことで解決が期待できます。

*セクショナリズム:組織内で協力する機運がなく、部署やチームごとに孤立している状況のこと

一貫性のある経営方針を打ち出しやすい

経営者の力量や方針にもよりますが、トップダウン経営を行うことで一貫した経営を行いやすいともいえます。

たとえば「我が社の伝統だから〇〇というこだわりは捨てない」「あくまで〇〇という視点からサービスを打ち出す」といった、自社の思想や考え方を一貫して持ちやすくなります。

苦境に陥ったり魅力的なチャンスを見つけたりしたとき、社員の声に押されて方針がぶれてしまうこともあるでしょう。しかしトップダウンで物事を決めるなら、ある程度強引でも、一貫した経営を行いやすくなるのです。

もちろん経営方針にこだわりすぎるあまり、チャンスを活かせなかったりかえって苦境に陥ってしまったりするリスクもあります。組織のトップは経営方針と新しい取り組みのバランスを考慮しつつ、どう対応するか冷静に見極める必要があります。

社員がなじみやすい

いわゆる「上意下達」のトップダウン経営は、馴染みのある社員も多く、受け入れられやすい印象があります。学校も基本的にトップダウンで物事が決まるため、多くの日本で暮らす人にとって馴染みのある仕組みです。

またトップダウン経営は昔から多くの日本企業で行われてきたことです。中途採用でも会社になじみやすい仕組みといえます。ただし「自社はトップダウン経営だから中途採用がうまくいくだろう」と考えるのは危険です。採用を成功させるには、事前の準備が大切になります。

【無料ダウンロード】社風にあった定着人材の採用を成功させる方法

責任の所在が明確になりやすい

責任の所在を明らかにしやすいのも、トップダウン経営の魅力です。だれがどのような意思決定を行ったのか明白なので、だれが物事を決めたのか分からない、無責任な状態を防ぎやすくなります。

たとえばボトムアップ経営の場合、だれが意見を出したのか、どのように意思決定を行ったのか、プロセスの整備を行っていないと責任者が有耶無耶になりかねません。しかしトップダウン経営なら、少人数で物事を決めているため責任がだれにあるのか明確にしやすくなります。

責任の所在を曖昧にしてしまうと、万が一のことがあったときに取引先から信用を失ってしまいかねません。よって責任者を明確にしやすい点は、トップダウン経営のメリットといえるでしょう。

大きな決断を行いやすい

会社としての大きな決断を行いやすい点も、トップダウン経営を行うメリットといえます。

会社の今後を左右するほど大きな意思決定を行うのは大変なものです。周りからの反対もありますし、責任も重大です。しかしトップダウン経営であれば、大きな決断も比較的強行しやすいため、思い切ったこともしやすくなります。

ただし、大きな決断を行った結果、必ずしもうまくいくとは限りません。思い込みや先入観を排除し、冷静に物事を見極める必要があります。

【関連記事:バイアスとは?ビジネスでの意味や種類・企業に与える影響について解説【図解あり】

トップダウン経営のデメリット

デメリット
トップダウン経営はメリットもありますが、一方で下記のようなデメリットも存在します。
  • 上層部が判断を誤ると経営が傾くおそれがある
  • 新しいアイデアが生まれにくい
  • 社員が指示待ち人間ばかりになりかねない
  • 社員の不満が高まることがある
  • 現場の問題点を発見しにくい
  • 特定の人・チームの負担が重くなりかねない
トップダウン経営はあくまで一部の人が会社全体の意思決定を行うものです。判断が間違っていたり現場がついてこなかったりすると、経営が行き詰まってしまうおそれもあるでしょう。

トップダウン経営のデメリットについて、1つずつ詳しく解説します。

上層部が判断を誤ると経営が傾くおそれがある

トップダウン経営最大のデメリットともいえるのが、上層部の判断ミスです。

トップダウン経営は社長をはじめとした上層部の限られた人が意思決定に関わるため、スピード感のある対応ができます。しかし決定した内容や方針そのものが間違っていると、経営が大きく傾いてしまいかねません。

間違っていると現場が気づいても、トップダウン経営だと意見が経営層まで届きにくく、状況が悪くなるまで軌道修正を行いにくいものです。

新しいアイデアが生まれにくい

社員がトップダウンの意思決定に慣れてしまうと、現場からの新しいアイデアが生まれにくくなるおそれがあります。

新しいアイデアを提案しても聞き入れられず、結果として社員が「上層部が何か考えてくれるだろう」という思考に陥りやすくなります。トップダウン経営を行うにしても、社員からのアイデアを聞く機会はある程度設けた方が良いでしょう。

【関連記事:イノベーションとは?種類や成功事例をもとにわかりやすく解説

社員が指示待ち人間ばかりになりかねない

指示待ち人間を生み出しやすいのも、トップダウン経営の弊害です。

「どうせ新しい提案しても聞き入れてもらえない」と自発的に行動を起こすことを諦めてしまい、結果として「上司が指示をするまで動かない社員」が大量発生しかねません。

トップダウン経営を行うにしても、ある程度は現場に裁量を持たせるなど、自発的な行動を促す仕組みを作ることが大切です。

【関連記事:従業員エンゲージメントとは?注目されている背景や取り組み方を紹介

社員の不満が高まることがある

部下から意見をしても上層部に話を聞いてもらえないためモチベーションが上がらず、社員に不満が溜まるおそれがあります。

部下の不満が高まると生産性が下がるだけでなく、離職者も発生しやすくなるものです。離職者が増えると常に人材を採用する手間が発生してしまい、大きなコストアップの要因となりかねません。

トップダウン経営をうまく行うには、部下のモチベーションをうまく管理することが重要になります。

【無料ダウンロード】部下のモチベーションを把握する、その方法とは

現場の問題点を発見しにくい

現場で発生している問題を発見・改善しにくくなることもトップダウン経営の弊害です。

現場のトラブルを報告してもトップまでうまく伝わらなかったり、そもそも「どうせ改善されないから」とトラブルの報告自体をあきらめたりしてしまうおそれがあります。結果として現場の頑張りに任せてしまい、特定の工程で負荷が高まり、最終的に限界を迎えて大きなトラブル発生につながってしまう可能性があるのです。

トップダウン経営を行う場合でも、現場の実情や改善点を報告しやすい仕組みの導入は必須です。たとえば「目安箱」を設置することで、現場の意見を吸い上げやすくなるでしょう。

【関連記事:組織課題の見つけ方は?具体例や解決手順、フレームワークを紹介

特定の人・チームの負担が重くなりかねない

現場の負荷を考慮せずトップダウンの意思決定を行った場合、特定の工程で大きな負荷が発生するおそれがあります。一部の人や部署に負荷がかかると不満が高まり、休職や退職をする人が増えるおそれがあります。

実際の作業量を考慮して、現場が疲弊しないよう考えたうえで上層部が意思決定を行うことが大切です。意思決定に関わる上層部の人は、定期的に現場へ足を運んで実際の様子を確認してみましょう。

ボトムアップとは?トップダウンとの違いを解説

トップダウンとボトムダウン
ボトムアップとは、現場で働く人が意見やアイデアを発信し、上層部がそれらをまとめて意思決定を行う仕組みのことです。トップダウンとボトムアップの違いは下記のとおりです。
  • だれがアイデアを出すか
  • 実務を重視するか経営戦略を重視するか
  • コミュニケーションに双方向性があるか
  • だれに責任が発生しやすいか
それぞれの違いについて詳しく解説します。

だれがアイデアを出すか

トップダウン経営では、アイデアを出すのも意思決定をするのも上層部です。一方ボトムアップ経営では、意思決定は上層部が行いますがアイデアを出すのは下層の人、つまり一般的には平社員~中堅社員の人たちです。

現場の意見を伝えて意思決定に反映されやすくなるので、指示待ち人間になりにくかったり実務の問題点を早期に解決しやすかったりします。トップダウンも現場の声を聞かないわけではありませんが、意見の伝えやすさはボトムアップに軍配が上がります。

実務を重視するか経営戦略を重視するか

トップダウンは経営戦略を上層部が考えて実行していくものです。一方のボトムアップは社員や各部署が、現場の実情を踏まえて上層部に改善の提案を行っていきます。

トップダウンは中長期的な経営戦略を立てるのに向いており、ボトムアップはどちらかというと現場や実務の改善が重視されやすい特徴をもちます。もちろんトップダウンでも上層部が現場のことを理解したり、逆にボトムアップでも上層部が中長期的な目線で経営戦略を考えたりすることも可能です。

コミュニケーションに双方向性があるか

トップダウンで上層部が決めた判断は、基本的に現場の声ではひっくり返りません。一方のボトムアップは、社員の声を上層部に伝えることができるため、上層と下層でコミュニケーションを取りやすいスタイルです。

社内のコミュニケーションが円滑になると、新しい発想が生まれやすくなったり社内で連携しやすくなったりします。新しい事業のアイデアが生まれたり、社内連携の円滑化によって生産性が上がったりする、といった効果が期待できます。

【関連記事:社内のコミュニケーションストレスの原因は?軽減方法を解説

だれに責任が発生しやすいか

上層部が物事を決めるトップダウン経営であれば、経営の失敗は基本的に上層部の責任となります。一方のボトムアップ経営は、判断は上層部が行いますが意見提案するのは下層の人であるため、社員や部署にも責任の一部が及ぶことがあります。

最終的にトップが責任を取る、というのはどちらも変わりません。しかしボトムアップでは現場も意見を提案するため、責任を追及されることが考えられます。

トップダウンとボトムアップを両立した「トップダウンデモクラシー」とは

前向きなビジネスパーソン
「トップダウンとボトムダウン、どちらも一長一短で採用しにくい」という場合は、トップダウンデモクラシーの考え方を参考にしてみてはいかがでしょうか。トップダウンデモクラシーとは、2つの考え方を合体させたものです。

たとえば上層部が意思決定を行った場合、その是非や意見を下層(部下や現場の人)から吸い上げます。その後、意見を踏まえたうえで上層部が意思決定を下します。もちろん現場から新たに意見を上層部へ伝えることも(トップダウン経営より)行いやすくなります。

上層が意思決定をすることはこれまでと変わりません。しかし現場の意見も聞きつつトップダウンの良さも活かせるため、注目されている考え方です。

トップダウン経営を成功させるポイント

アイデアが浮かぶイメージ
「トップダウン経営を行おうと考えているが、うまくいくか不安」
「既にトップダウン経営を行っているが、あまりうまくいっていない」

このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そこでここからは、トップダウン経営を成功させるポイントを4つご紹介します。
  • 経営目標を明確にする
  • 社員に目標を周知徹底させる
  • 社員の言葉にも耳を傾ける
  • 「トップが責任を取る」ことを社員に伝える
上記のポイントを意識することで、より円滑にトップダウン経営を行いやすくなるでしょう。具体的にどうすれば良いのか、詳しく解説します。

経営目標を明確にする

経営目標を明確にすることが、トップダウン経営をうまく行ううえで大切です。経営目標が定まっていないと指示が二転三転することがあり、現場からの信頼をなくしかねません。
  • 売上〇円を達成する
  • 新規事業を立ち上げる
  • 業界シェアを〇%以上獲得する
このように、具体的な経営目標を立てることで達成するために必要なアクションを洗い出しやすくなるだけでなく、より精度の高い意思決定にもつながります。

社員に目標を周知徹底させる

経営目標を設定したら、次は目標を社員に周知徹底させましょう。なぜ今回の意思決定を行ったのか、目標が全体に共有されていれば理解して行動に移しやすくなります。

命令だけを出していると一方的なコミュニケーションになってしまいやすくなるため、離職する社員が発生するおそれもあります。
  • 朝礼で社員に目標を都度伝える
  • 社内報に目標を毎回記載する
このように、社員へ経営目標を浸透させる仕組みを考えることが大切です。

社員の言葉にも耳を傾ける

トップダウンデモクラシーの考え方のような、社員の言葉にも耳を傾ける姿勢も大切です。「ウチはトップダウン経営だから」と現場の仕事を無視してしまうと、実務上の問題点を経営層が把握できず、気付いた時には組織が崩壊してしまいかねません。

経営者視点によるトップダウンの意思決定ももちろん大切ですが、現場の問題にも意識を向けることがうまく経営を行ううえで大切です。

「トップが責任を取る」ことを社員に伝える

何か問題が発生したときにトップが責任を取る姿勢を見せることが、トップダウン経営を行ううえで大切です。

たとえば「意思決定はトップが行うけれど、失敗した場合は社員に責任を取らせる」という姿勢だと、現場の士気が著しく低下したり社員が離職したりしてしまいかねません。逆に「何かあったら責任を取るから、思い切って仕事を行ってほしい」とトップが現場にメッセージを伝えることで、現場の士気も上がりやすくなります。

何かあったときにトップ自身が責任を取ることを宣言することで、リーダーシップを示す効果も期待できるでしょう。

トップダウン経営が向いている組織の特徴

笑顔のビジネスパーソン
「自社でもトップダウン経営を導入しても大丈夫だろうか」
「どのような組織がトップダウン経営に向いているのか知りたい」
このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。トップダウン経営が向いていると言われる組織には、下記のような特徴があります。
  • 指導力のある経営者がいる
  • 社員の能力・モチベーションが高くない
  • 会社の業績が悪い
なぜそう言われているのか、詳しく見てみましょう。

指導力のある経営者がいる

リーダーシップや組織を率いていく力、いわゆる指導力のある経営者がいる組織であればトップダウン経営が成功しやすくなります。

トップの実力が高いため、的確な意思決定を行うことができ、組織をより良く変化させることが期待できます。知名度のある経営者であれば「この人がトップの会社で働きたい」と考えて応募してくる人もいるでしょう。

社員の能力・モチベーションが高くない

所属している社員の能力やモチベーションがあまり高くない場合も、トップダウン経営がうまく行きやすいパターンのひとつです。
現時点では能力やモチベーションが高くない社員もうまく導くことで、成長するチャンスがあると考えられるためです。

トップが力強く明確な次の行動目標を掲げたり、社員に課題を与えて挑戦させたりすることで、組織の活発化が期待できます。あわせて生産性の向上や業績アップも期待できるでしょう。

会社の業績が悪い

「会社の業績が悪いため、一気に大胆な改革を進めないと会社が潰れてしまう」といった危機的な場合は、スピード感をもって思い切った決断を行いやすい、トップダウン経営がおすすめです。

トップが先頭に立って一気に改革を進めていくことで、組織が持ち直す可能性があります。ただしトップが誤った決断を行ってしまった場合、再起不能なほど会社の経営が悪化するリスクもあります。

トップダウン経営が向いていない組織の特徴

悩みを抱えるビジネスパーソン
トップダウン経営に向いている組織もあれば、下記のようにおすすめできない組織もあります。トップダウン経営に向いていない組織には、下記2つの特徴が挙げられます。
  • 自走できる人材が必要な組織
  • 様々な事業を行っている組織
なぜ上記に当てはまる企業でトップダウン経営がおすすめできないのか、詳しく見てみましょう。

自走できる人材が必要な組織

提案営業やコンサルティング的な要素を含む仕事など、自律的に考えて動くことが強く求められる仕事内容を行っている場合は、トップダウンがうまく機能しにくいケースです。

ボトムアップのように現場が上層部に意見を言いにくいため働き方の改善を進めにくく、優秀な人から転職していくことが予想されます。現場に責任感や高い裁量が必要な組織の場合は、トップダウン経営ではなくボトムアップやトップダウンデモクラシーの考え方を取り入れた方が良いでしょう。

様々な事業を行っている組織

様々な業界に進出している、いわゆる多角的な経営を行っている企業もトップダウン経営がなじみにくい環境といえます。

複数の事業を行って会社の規模が大きくなっている場合、トップが会社全体を把握しきれず、適切な判断を行えないおそれがあります。ただし様々な業種に進出している会社だと、ボトムアップの考え方でも会社全体の足並みを揃えにくかったり意思決定まで時間がかかったりと、問題もあります。

基本的にはトップダウンで意思決定を行いつつ、ある程度は現場からの意見も採用するような、バランスの取れた対応が求められるでしょう。

トップダウンに関するよくある疑問

悩むビジネスパーソン
最後に、トップダウンに関するよくある疑問と回答をご紹介します。
  • トップダウン経営とワンマン経営の違いは?
  • トップダウンはダメと見聞きするが本当か?
  • トップダウンの経営は古いのか?
1つずつ詳しく見てみましょう。

トップダウン経営とワンマン経営の違いは?

トップダウン経営とワンマン経営は混同されがちですが、厳密には下記のような違いがあります。
  • トップダウン:上層部が相談のうえ意思決定を行う
  • ワンマン:経営者が独裁的に決める
トップダウン経営では、人数こそ少ないものの上層部のメンバーが集まって意思決定を行います。しかし、いわゆるワンマン経営ではトップ一人が一方的に物事を決めてしまうものです。

トップダウンはダメと見聞きするが本当か?

「トップダウン経営はよくない」という意見も見聞きしますが、実際のところはケースバイケースです。

上述したように、指導力のある経営者がいたり改革を一気に進めていったりすることが求められる場合はトップダウン経営が向いています。一方で社員が自走して考えていくことが求められる仕事の場合は、トップダウンの考え方はあまり向いていないかもしれません。

また完全に「トップダウン」「ボトムアップ」の考え方によるのではなく、どちらの考え方を取り入れた「トップダウンデモクラシー」を実現できないか検証してみるのもおすすめです。

トップダウンの経営は古いのか?

トップダウン経営が古い、というのは本当です。トップダウン経営を行っている日本企業は昔から多くあります。

ただし「古い=ダメ」とは限りません。特に民間企業は営利を目的として活動しているため、本当に非合理的な制度であれば現代まで仕組みが残っていないはずです。

上述したように、トップダウン経営が向いている組織は多くあります。実際のところはどうなのか、自社の実情を考慮して考えてみましょう。

トップダウンとボトムアップ、どちらがいいかは会社による

人差し指を立てるビジネスパーソン
本記事ではトップダウンという言葉の意味や、トップダウン経営のメリット・デメリットなどをご紹介しました。

トップダウン経営と聞くと「ワンマン」「時代遅れ」といった意見も見聞きしますが、メリットも数多くあります。トップダウン経営が向いているかどうか、本記事で紹介した特徴をもとに、自社の組織体制をあらためて見直してみてはいかがでしょうか。

【トップダウン経営が向いている組織の特徴】
  • 指導力のある経営者がいる
  • 社員の能力・モチベーションが高くない
  • 会社の業績が悪い
上記の特徴に当てはまらない場合は、ボトムアップ経営やトップダウンデモクラシーの導入を検討してみるのも良いでしょう。

また「上層部が決めた方針に従って人材を採用しなければならない」「現場のモチベーションをあげて生産性を高めることが求められている」といった悩みをお持ちの方に向けた、お役立ち資料をご用意しております。

資料は下記から無料でダウンロードできます。人材採用やマネジメントに悩みを抱えている管理職の方は、ぜひご確認ください。

【無料ダウンロード】社風にあった定着人材の採用を成功させる方法

【無料ダウンロード】部下のモチベーションを把握する、その方法とは

ミイダスは自社にフィットする人材を特定してアプローチできる
「アセスメントリクルーティング」採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録してフィッティング人材分析機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後のフィッティング人材分析機能のご利用は無料です。

タグから探す

資料ダウンロード

セミナー情報

関連情報

人気記事ランキング

こちらの記事もオススメ

ミイダスなら人材領域の課題をスマートに解決できる機能が充実!

無料でミイダスの機能を
お試しいただけます

人材アセスメントお役立ち資料をダウンロード

お役立ち資料を
ダウンロードしてみる

人材アセスメントを実践したい方必見!
無料