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育成

コンピテンシーを人材育成に取り入れるメリットや導入方法、注意点を解説

人材育成にはコンピテンシーが効果的と聞いて調べたものの「よくわからない」「導入のハードルが高そう」と諦める人事担当者は少なくありません。

そこで本記事では、コンピテンシーの基本知識、コンピテンシーを人材育成に導入する方法、導入の際の注意点について解説します。人材育成に課題を感じられている人事担当者の方は、ぜひご一読ください。
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コンピテンシーはハイパフォーマーに共通する行動特性

コンピテンシーのイメージ
コンピテンシーとは、仕事で高い成果をあげるハイパフォーマーの行動特性を指す用語です。
  • チームワークを大事にし、反対意見も柔軟に取り入れる
  • 強いリーダーシップがあり、周りを巻き込んでプロジェクトを進める
など、ハイパフォーマーたちに共通する行動・思考の傾向を可視化したものがコンピテンシーです。

ここで留意すべきは、業種や役職、仕事内容によって「どのような行動特性が成果をあげやすいか」が変化する点。

すべての仕事で成果を上げられる万能のコンピテンシーは存在しません。また同じ業種であっても、各企業の社風や事業内容などによりコンピテンシーは異なります。

したがってコンピテンシーを活用する際は、最初に「自社のその仕事におけるコンピテンシーは何か」を分析する必要があるのです。

コンピテンシーや行動特性の詳細は、こちらの記事をご覧ください。

【関連記事:【簡単に解説】コンピテンシーとは?意味や使い方、活用事例を紹介
【関連記事:行動特性とは?意味や活用メリット、コンピテンシー診断導入例を解説

コンピテンシーは後天的に習得可能な要素

コンピテンシーは高い成果を上げる人の行動特性のことですが、行動特性とは、個人が持つ行動パターンや思考の傾向を指す言葉です。行動や思考の傾向というと先天的なものに聞こえますが、コンピテンシーは後天的に習得可能な要素であり、教育できるものです。

たとえば「顧客の話を聞いて共感できる人が成果を上げやすい」という仕事ならば、共感力や傾聴力の強化が成果につながるでしょう。あるいは「積極的に電話やメールで営業をかける姿勢が成功のカギ」ならば、部署全体で積極的な行動を意識すれば成果を上げられる可能性が高まります。

若年期に植え付けられた価値観や生まれ持った性格の矯正は難しいものですが、コンピテンシーなら先天的な要素よりも柔軟に習得できます。

スキルや経験といった従来からある人材育成の内容に、さらにコンピテンシーを加えることで、より企業全体の成果につながる戦略的な人材育成が可能になるのです。

コンピテンシー項目の具体例

では、コンピテンシーには具体的にどのような項目があるのでしょうか?実はコンピテンシー項目は事業や業務の分野によって異なり、項目の種類や内容に唯一無二の正解はありません。

たとえば、採用ツール「ミイダス」のコンピテンシー診断(特性診断)では、人材活用の観点から次のようなコンピテンシー診断(特性診断)項目を設定しています(下記は一部です)。
コンピテンシー診断(特性診断)項目スコアが5以下スコアが5以上
活力競争は好まず、自分のペースと効率を重視して業務に取り組むほうが得意である。周囲と競いながらエネルギッシュに業務に取り組むほうが得意である。
人あたり相手が受ける印象を気にせず自己主張するほうが得意である。
相手の意見を尊重し、好印象を与えるほうが得意である。
チームワークチームの一員として働くよりも、単独で取り組む方が得意である。チームに溶け込んで、メンバーと一緒に取り組む方が得意である。
創造性これまで通りの発想や方法にならって行動するほうが得意である。これまでの発想や方法にとらわれず考え、行動するほうが得意である。
問題解決力問題意識をあまり持たず、目の前の業務に取り組むほうが得意である。自ら問題を見つけ、その解決に向けて取り組むほうが得意である。
対応力
一貫性のある考えや行動を求められる業務のほうが得意である。
臨機応変な対応が必要となる業務のほうが得意である。
プレッシャーへの耐性プレッシャーやストレスが少ない業務のほうが得意である。プレッシャーやストレスが多い業務のほうが得意である。
調整力周囲との調整が少ない業務のほうが得意である。周囲との調整が必要となる業務のほうが得意である。
各項目の要素について診断対象の傾向を10段階で診断し、各数値の大きさで対象の行動特性を分析します。

項目の内容を見てわかる通り、コンピテンシー項目は「数値が高いから優秀な人材」というわけではありません。あくまで特定の仕事における向き不向きを視覚化するものです。

仮に社内すべての人が同じ行動特性を持っていたら、逆に組織の多様性が損なわれてしまうデメリットがあるともいえるでしょう。

コンピテンシーを人材育成に取り入れるメリット

コンピテンシーで人材育成力がアップするイメージ
ここからは、人材育成にコンピテンシーを取り入れるメリットを整理します。

強化すべき行動特性が明確になる

コンピテンシーを分析すると、成果を上げるために強化すべき行動特性が明確になります。「育成方針の軸」ができると言い換えてもよいでしょう。

たとえば「問題にぶつかった時に、解決に向けて合理的な推論を行う」という特性が成果に重要であるならば、そのコンピテンシーを強化する研修プログラムを導入するのが効果的です。

また人材育成を目的として社員を挑戦的な仕事にアサインする際も、何を強化して欲しいのかコンピテンシーで伝えることで方向性が明確になります。「経験を積んでほしい」「実務に慣れてほしい」と曖昧な動機づけで済ませるより、社員のモチベーションも上がるはずです。

計画的な人材育成ができる

社内にどのようなコンピテンシーを持った人材がいるか把握できれば、計画的な人材育成が可能になります。

「チームワークを大事にできる人材は多いが、リーダーシップを発揮して新規事業を育成できる人材は少ない」といった状況であれば、将来に備えてリーダー人材の育成計画が立てられます。

また採用活動においても、自社に足りていない人材を計画的に採用できるでしょう。
中長期的な視点で人材育成を考える際も、コンピテンシーが可視化されていれば育成方針の迷走を回避しやすくなるのです。

社員が自分の強み・弱みを把握できる

自分自身の特性はなかなか把握し難いものです。そこでコンピテンシー診断のような客観的な方法を取り入れれば、社員自身が自分の行動や思考の癖を自覚できます。

自分の強みや弱みが明確になるため、強みをさらに伸ばすきっかけになるでしょう。

また、仕事で重要なコンピテンシーと照らし合わせることで、自分に足りない部分が把握できます。「もう少し積極的に主張しないとだめだな」や「もっと周囲との協調性を大事にしないとだめだな」と、自発的な成長のきっかけになるでしょう。

一人ひとりに合わせた人材育成ができる

コンピテンシーを取り入れることで、社員一人ひとりに合わせた人材育成が可能になります。

なぜならば、コンピテンシーの把握によって「相性の悪い上司と組ませていないか」「そもそも合っていない職種に配置していないか」などが見えるためです。

いくら上司や人事担当者が熱心に育成しようとしても、特性に合っていない環境では社員に強いストレスを与えてしまいます。最悪の場合、離職につながるおそれもあるでしょう。

とはいえ、勘や印象で社員の向き不向きを判断するのは簡単ではありません。コンピテンシーを分析すれば、客観的なデータをもとづき、社員にあった環境で人材育成が進められます。

ミイダスはお気軽にコンピテンシー診断(特性診断)を活用でき
人材育成にも役立つツールです。

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コンピテンシーを人材育成に導入する方法

コンピテンシーを使った人材育成のイメージ
コンピテンシーを活用する際は、コンピテンシーモデルと呼ばれる「理想の社員像」の設計が必要です。

コンピテンシーモデルは、「ミイダス」のような診断ツールを活用したり、社内のハイパフォーマーからヒアリングしたりして作成します。詳しい作成方法はこちらの記事で解説していますのでご参照ください。
【関連記事:コンピテンシーモデルとは?5つのモデル化手順と注意点を徹底解説!

ここでは、コンピテンシーモデルが作成できた前提で、人材育成への導入方法に焦点をあてて解説します。

コンピテンシー研修

コンピテンシー研修では、以下のような内容を実施します。
  • コンピテンシーの概要説明
  • コンピテンシーモデルの作成
  • 自身のコンピテンシーの把握
  • 行動目標の作成
コンピテンシーモデルの作成は、受講する社員がグループワークの形で行う場合と、あらかじめ研修担当者が作成しておく場合があります。

コンピテンシー研修の目的は、社員にコンピテンシーについて学んでもらい、自身の現状と強化すべき方向性を知って成長へつなげること。したがって、研修後に具体的な行動につなげられるよう、最後に行動目標を作成してもらいます。

また、研修後に自身のコンピテンシーの強化に活用できる学習コンテンツを紹介するのも有効です。

メンター制度

メンター制度とは、先輩社員(メンター)が自身をお手本として後輩社員(メンティー)にアドバイスやフィードバックを行う人材育成方法です。

業務に必要なスキルや社内ルールを教えるOJTとは異なり、仕事の進め方や業務の相談といったメンタル面のサポートがメンター制度のメインになります。

そのため、後輩社員に必要なコンピテンシーを持っている先輩社員をメンターに配置することで、対話を通じてメンティーのコンピテンシー強化につなげられます。

またメンターとメンティーの組み合わせを考える際にも、コンピテンシーを考慮すれば、相性が悪い組み合わせを作ってしまうミスを防げるでしょう。

メンター制度についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。
【関連記事:メンター制度の導入で得られる効果やデメリット、制度を成功させるポイントを解説

eラーニング

eラーニングとは、インターネットを介した学習形態を指します。デバイスとネット環境があれば、社員に都合のよい場所とタイミングで学習できる点がメリットです。

eラーニングの実施に際して学習プログラムを用意する必要はありますが、従来の集団研修よりも低コストかつ柔軟な学習が可能です。

人材育成にコンピテンシーを活用する際の注意点

注意マークと人事担当者
コンピテンシーを活用した人材育成はメリットが多い反面、注意点も存在します。

先天的な特性に合っていないと無理が生じる

強化すべきコンピテンシーがわかっていても、個々人の先天的な特性を歪めてまでそのコンピテンシーを強化するのは非効率的であり、限界があります。

先天的な特性とは、たとえば次のようなものがあげられます。
  • 生まれ持った才能
  • 経験や環境により形成された価値観
  • 幼少期より培われた性格
たとえば幼少期から競争重視の文化で育ってきた人材に「他人は気にせず、自分のペースで仕事するのが大切」と伝えても、その方向での育成は難しいでしょう。

人材育成にコンピテンシーを導入するならば、社員の先天的な特性も考慮する必要があります。また採用段階においても、候補者の特性が配属先の求めるコンピテンシーにあっているか検討するほうがよいでしょう。

コンピテンシーモデルの設計に時間がかかる

コンピテンシーモデルの設計には時間がかかります。

コンピテンシーをきちんと人材育成に活用しようとすると、部署ごと、役職ごとに別々のコンピテンシーモデルが必要になるためです。

各ポジションでハイパフォーマーを選出し、ヒアリングを行ってコンピテンシーを抽出・分析するのは非常に手間がかかります。

現実的には、アセスメントツールを使ってコンピテンシーを診断することになるでしょう。

コンピテンシーモデルは定期的なメンテナンスが必要

コンピテンシーモデルは、一度設計すればずっと使えるものではありません。

事業の状況や経営方針の変更、人員や組織の体制によって、求められるコンピテンシーは変化します。その都度、コンピテンシーモデルの見直しや再設定が必要になるのです。

労力をかけてコンピテンシーモデルを設計しても、数年で使えなくなるようでは困ります。コンピテンシーモデルを効率的に作成できる方法を見つけないと、なかなか実用は難しいといえるでしょう。

ミイダスなら簡単にコンピテンシーを導入できる

コンピテンシーを人材育成に導入したい企業は、ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)をご検討ください。

ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)では下記のような傾向を分析可能です(計52項目)。
  • パーソナリティの傾向
  • ストレス要因
  • 上司・部下としての傾向
  • マネジメントスタイル
組織で活躍できる人材の傾向や、その組織の体質、社風の特徴などが客観的に把握できます。

またミイダスでは、ご契約中の企業さま限定で無料で学べる研修コンテンツを用意しています。コンピテンシー診断(特性診断)とバイアス診断ゲームが学べるオンライン講座になっており、スキマ時間を活用して効率よく学習を進めることができます。
ミイダスのコンピテンシー診断(特性診断)は何人でも無料で受験可能です。(※受験にはミイダスの法人アカウントが必要です。また利用状況により一定の条件がございます)。興味のある方は下記リンクより登録へとお進みください。

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