競争や変化の激しい現代において、仕事で燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥ってしまう人は少なくありません。一度燃え尽き症候群に至ると回復するまでに時間がかかるため、企業・組織としていかに燃え尽き症候群を未然に防ぎ、従業員のSOSをつかむかが大切です。
この記事では、燃え尽き症候群の概要をはじめ、燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥りやすい人や原因、対策、予防方法について解説します。燃え尽き症候群(バーンアウト)のチェックリストもありますので、職場で心配な人がいるときは面談などで活用してください。
またリモートワークで社員のコンディション管理に悩まれている方に向けて、無料のお役立ち資料もご用意しています。ぜひご覧ください。
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企業は従業員が燃え尽き症候群に陥らないために、組織的な対策を行い、重要な人材を守りましょう。
▼この記事でわかること
燃え尽き症候群(バーンアウト)とは?意味を確認燃え尽き症候群(バーンアウト)の意味について確認しましょう。燃え尽き症候群とバーンアウトでは、厳密には異なる部分がありますので、その点についても解説します。燃え尽き症候群とは
燃え尽き症候群とは、長期間にわたる慢性的なストレスや過度の仕事の負担、精神的な圧力によって引き起こされる、身体的、感情的、および認知的な疲労症状をいいます。
燃え尽き症候群(Burnout Syndrome)の名付け親は、1970年代のアメリカの精神科医ハーバート・フロイデンバーガーです。フロイデンバーガーは、意欲的に仕事に取り組み、業務に集中・没頭していた人が、- 急にやる気を失った
- 業務が手につかなくなった
- 立て続けにミスをするようになった
上記のような状態になるさまを炎が燃え尽きる様子になぞらえて「燃え尽き症候群」と表現しました。
燃え尽き症候群は、主に職場や仕事に関するストレスが、従業員の心理的な資源や対処能力を超える状態に至ったときに引き起こされます。したがって、客観的な業務量や業務の種類だけでなく、従業員の考え方のクセや気分転換の方法、周囲の助けなども関係します。
燃え尽き症候群の症状や要因については後述します。バーンアウトとは
バーンアウトとは、仕事に対して過度のエネルギーを費やしたことにより疲弊し、仕事への興味・関心や自信が低下した状態を指します。
バーンアウトしても再度活力を取り戻すこともあれば、バーンアウトの結果、燃え尽き症候群に陥る場合もあります。燃え尽き症候群とバーンアウトの違い
日本では燃え尽き症候群とバーンアウトとはほぼ同義で用いられることが多い言葉ですが、厳密に言えば少し異なる概念です。- 燃え尽き症候群:燃え尽きたことによる心身の不調を指す
- バーンアウト:「燃え尽きた状態」そのもののこと
バーンアウトしたものの、大きな不調が出ずに一時的にやる気がでない状態だけであれば、燃え尽き症候群には当たりません。
フロイデンバーガーの着想にならい、炎にあてはめて考えてみましょう。
人間の身体がひとつのバーベキューコンロのようになっていると想定すると、炭についた炎が一つひとつの仕事や職場、人間関係への熱量だと考えられます。
一気に強い火力で燃えると、炭は速いスピードで燃えていきます。ここで、ひとつの炭が燃え尽きてしまったとしましょう。これが「バーンアウト」です。もし新たな炭を足していけるならば、火は簡単には消えません。またバーンアウトしても、別にある炭で炎が燃えていたり、新たに着火できたりすればバーベイキューは続けられるため、大きな問題はありません。
しかし、火のついている炭がなくなったり、長時間放置されたりすると再着火は難しく、バーベキューコンロも冷え切ってしまいます。バーベキューは成立しなくなるでしょう。この状態が「燃え尽き症候群」です。
つまり、バーンアウトにより不調が生じれば、燃え尽き症候群となるのです。燃え尽き症候群(バーンアウト)の症状とは?段階ごとにチェック燃え尽き症候群やその一歩手前のバーンアウトは、表面化する状態や症状でわかることがあります。
ここでは燃え尽き症候群の前段階からみられる状態や、燃え尽き症候群に至った人が経験しやすい症状の例を解説します。従業員にこれらの状態や症状がみられないか、確認してみましょう。燃え尽き症候群の前段階(バーンアウトの状態)
燃え尽き症候群として心身の不調が生じる前段階、バーンアウトした人には以下の3つの状態が表れると言われています。- 情緒的消耗感
- 脱人格化
- 個人的達成感の低下
情緒的消耗感
仕事で情緒的に力を出し過ぎてしまい、感情的な疲労や消耗感がある状態です。
たとえば、「気合を入れすぎて緊張の糸が切れてしまった」「こんなに一生懸命に説明したのに、わかってもらえなくて疲れた」という状態です。これは単なる疲労ではなく、「情緒的な資源の枯渇」が主な原因と考えられます。
この情緒的消耗感は、燃え尽き症候群に至る過程で最初になりやすい状態です。情緒的消耗感を抱えた結果として、次の「脱人格化」と「個人的達成感の低下」の2つが起こります。脱人格化
顧客や同僚に対して機械的、かつ非人間的な対応をとってしまうのが脱人格化です。
これは情緒的消耗感の悪化によって引き起こされる行動傾向で、人間関係や情緒的なかかわりを煩わしいと感じてしまうのが特徴です。
たとえば、個人名で呼ばず「◯◯(地名・予約時間・部署)の人」などと没個性的なラベルをつけたり、事務的な対応に終始したりすることで、顧客や同僚との情緒的な接触を避けようとします。周りの人との距離を置き、仕事でもプライベートでも極力人間関係を回避しようとする場合もあります。個人的達成感の低下
個人的達成感とは、職務に関する有能感や達成感を指します。
燃え尽き症候群(バーンアウト)に至る人には、質の高いサービスを提供してきたと自負している人もいます。客観的な成果や顧客の満足度も高い場合が多く、燃え尽き症候群に陥る前後で業績が大きく変化することもあります。
業績悪化によってこれまでの有能感・達成感も大幅に低下すると、仕事への意欲も低下し、結果的に離職や強い自己否定などの行動に結びつきやすくなります。
仕事の成果や本人の言動・態度に大きな変化がみられたときに早めに対処できれば、燃え尽き症候群を未然に防いだり、悪化を食い止めたりできるかもしれません。燃え尽き症候群の症状
バーンアウトの結果、燃え尽き症候群に至った場合、次のような症状や困りごとが表れることがあります。- 強い疲労感
- 身体的な不調の増加
- 食欲や睡眠、生活リズムの変化
- 感情コントロールの困難さ
- 集中力・判断力・記憶力の低下
- 意思決定の困難さ
- 仕事以外のことへの意欲低下
- 社会的な孤立
従業員にこれらの症状がある場合は、医療機関の受診を勧めてもよいでしょう。強い疲労感
簡単にはとれないような強い疲労が持続することがあります。
疲労が続くのは、体力低下のサインである場合もあります。「疲れた」と言ったり、ため息が増えていたりしないか様子をみましょう。身体的な不調の増加
持病がないにもかかわらず、これまでとは異なる身体的な不調が出たら要注意だと言えるでしょう。- 頭痛や腹痛、腰痛がたびたびある
- 健康診断で高血圧やほかの不調を指摘された
- 歩くと呼吸が苦しい
- 風邪をひきやすくなった
などの不調は、燃え尽き症候群に関連していることがあります。食欲や睡眠、生活リズムの変化
食欲が極端に増減したり、生活リズムが変化したりすることもあります。- 間食ばかりして仕事が手についていない
- 遅刻が増えた
- 居眠りしている
などの様子がみられたら、食欲や生活リズムがコントロールしきれていない可能性があります。感情コントロールの困難さ
仕事の場面であるにもかかわらず、感情のコントロールが難しくなっている原因は燃え尽き症候群の可能性があります。- 注意すると逆ギレするようになった
- 顧客対応の前後にイライラしている
- 周囲にきつくあたることが増えた
- 涙もろくなった
- 感情の起伏が激しくなった
- 周囲への共感や感情表現が乏しくなった
など、これまでとは異なる振る舞いがみられたら注意深く観察しましょう。集中力・判断力・記憶力の低下
燃え尽き症候群の症状のひとつに、「認知機能の低下」があります。仕事の場面では認知機能が重要であり、サインが表れることも珍しくありません。- 小さな判断もできず納期が遅れる
- 判断ミスや事故が増えた
- 覚えていないことや「聞いていませんでした」という反応が増えた
- これまでよりも業務に時間がかかる
これらの傾向がみられたら、認知機能が低下している可能性があるでしょう。意思決定の困難さ
認知機能や意欲などが低下して、意思決定できなくなる人もいます。自身の意思決定だけでなく、顧客や同僚を巻き込んだ意思決定の場面でリードできないという形で顕在化することがあります。- 役割分担の場面で決められない
- マネージャーであるにもかかわらず、部下に指示が出せない
- 顧客との対話の場面で選択肢を提示したものの、どれがお勧めか説明できない
などの兆候がみられたら、意思決定をしづらい状態にあるのかもしれません。仕事以外のことへの意欲低下
燃え尽き症候群では、仕事以外の場面でも意欲低下を引き起こす場合があります。- 休日は何もする気がおきない
- 身だしなみの乱れを自覚できない
など、リフレッシュや身だしなみを整える活動ができなければ、仕事にも支障をきたしてしまいかねません。社会的な孤立
燃え尽き症候群によって人間関係を避けようとするあまり、孤立してしまうこともあります。職場で孤立している様子がみられたら、必ず声をかけ1on1などを行いましょう。
また、プライベートでも人間関係がうまくいかず、孤立に苦しんでいるケースもあります。近くにいる人が受診を促す、声をかけるなどの対応ができると望ましいでしょう。
1on1についてはこちらの記事をご覧ください。
【関連記事:1on1ミーティングは意味ない?失敗する理由と成功させる方法】燃え尽き症候群(バーンアウト)と似ている状態
燃え尽き症候群と似ている状態に、うつ病とストレスがあります。
ストレスが溜まっていると思ったら燃え尽き症候群の一歩手前だったり、燃え尽き症候群だと思っていたらうつ病になっていたりするなどの認識の違いが生まれる可能性があるため、注意が必要です。燃え尽き症候群とうつ病の違い
燃え尽き症候群とうつ病の症状は似ているうえ、睡眠障害や疲れやすさなど両者で共通した症状もあります。専門家ではないと判断が難しいケースもあるため、異常を感じたらまずは医療機関の受診をおすすめします。
しかし一般的な傾向として、うつ病の人は人生のさまざまな分野に対してネガティブな感情を持ちやすいのに対し、燃え尽き症候群になった人は「特定の分野に対して」ネガティブな感情を持ちやすいという特徴があります。
燃え尽き症候群はうつ病と比べて一時的で、長い休息を取ったり、好きなことに時間を使うと症状が改善する傾向にあります。
参考:GoodRx Health / How Can I Tell If I’m Experiencing Burnout or Depression?燃え尽き症候群(バーンアウト)とストレスが溜まっている人の違い
燃え尽き症候群(バーンアウト)とストレスはおおいに関係がありますが、ストレスと燃え尽き症候群はややベクトルが異なります。ストレスは身体的・精神的に刺激が「多すぎる」場合に起きやすく、燃え尽き症候群は満足感やモチベーションなどが「足りない」場合に起きやすくなります。ストレス ・感情的な刺激が多く、疲れる
・危機感を与え、今すぐ行動しなければいけないと思わせる 燃え尽き症候群
(バーンアウト) ・機械的な対応をしてしまい、感情の動きが減る
・状況を変えるために何もできないと感じる
・モチベーションが下がり、理想や希望を持てなくなる
ストレスについては以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:職場のストレスの原因・対処法は?職場環境・業務内容・人間関係の3つの要因から分析しよう】
【関連記事:ストレス耐性とは?ストレッサーを特定して適性を見極めよう】働きがいと燃え尽き症候群(バーンアウト)の関係とは?関連する概念を確認仕事に対する働きがいは、「活動水準(仕事への態度・認知)」と「仕事への意欲・認知」を軸として上図の4象限に分類できます。燃え尽き症候群の領域にいる人は「仕事に対して否定的で、意欲も低い」傾向にある、「仕事に働きがいを感じられていない人」と言えるでしょう。
働きがいに関連する概念には、燃え尽き症候群(バーンアウト)のほかに以下の3つが挙げられます。- ワーカホリズム
- ワークエンゲージメント
- 職務満足感
ワーカホリズムとは
ワーカホリズム(Workaholism)は、仕事中心の生活スタイルを指し、極端に多くの時間とエネルギーを仕事に費やすことを特徴とする状態や傾向を表現します。
ワーカホリズムは「仕事中毒」とも呼ばれ、この状態にある人は、仕事への過度な熱中や優先度の高まりによって生活の他の側面を犠牲にする傾向があります。常に忙しく、一度に多くの仕事に手を出しており、「仕事をしていないと落ち着かない」という状態はワーカホリズムの価値観からくるものです。
ワーカホリズムの価値観が表現された状態を「ワーカホリック」と表現することがあります。ワーカホリックな人は仕事熱心ではありますが、それは仕事が好きだからではなく、仕事から離れることへの不安や成果を出すことへの焦りなどによるものです。よって、仕事に対してネガティブな感覚を抱いている一方で、燃え尽き症候群とは違って活動レベルは高いという特徴があります。
ワークエンゲージメントとは
ワークエンゲージメントは燃え尽き症候群(バーンアウト)と対極の概念で、「熱意」「没頭」「活力」の3つが揃った「働きがいを感じている」状態を言います。- 熱意:仕事に誇りややりがいを感じている
- 没頭:仕事に熱心に取り組んでいる
- 活力:仕事から活力を得ていきいきとしている
この状態にある人は、仕事への意欲があり、ポジティブで活動レベルも高い理想的な状態だと言えます。職務満足感とは
職務満足感(Job Satisfaction)は、個人が自身の仕事に対してどれだけ満足しているかを評価する主観的な感情や態度のことです。
職務満足感は、仕事環境・仕事の内容・給与・職場の人間関係・キャリアプランなど、さまざまな要因に影響を受けます。よってこの領域にいる従業員は「給与や職場の人間関係には満足しているが、仕事そのものへの興味関心は低い」状態もあり得ます。
職務満足感は、働く人の幸福感や生活の質に大きな影響を与える重要な概念です。ミイダスの「はたらきがいサーベイ」なら働きがいが測定できる
働きがいには明確な基準がないため、従業員の働きがいを測ることは容易ではありません。そこでおすすめなのが、ミイダスのはたらきがいサーベイです。
はたらきがいサーベイは、簡単なアンケートを通して従業員の働きがいを数値データとして計測・分析できます。
はたらきがいサーベイについて詳しく見る
また、はたらきがいサーベイを活用し、「はたらく人ファーストアワード2023」に応募できます。
ミイダスと朝日新聞社との共催で行われ、会社のブランドイメージ向上にも役立ちます。
応募期間をご確認のうえ、ぜひご参加ください。
はたらく人ファーストアワード2023に応募する燃え尽き症候群(バーンアウト)を引き起こす原因2つ燃え尽き症候群(バーンアウト)を引き起こす原因は、大きく「個人要因」「環境要因」の2つに分けられます。個人要因
以下のような特徴の人は燃え尽き症候群を起こしやすい傾向があります。- 仕事上の役割と自分の人格が混合してしまう
- できないことがあると自分を責めてしまう
たとえばクライアントから苦情を受けた際、自分と会社とを明確に区別して考えられる人は「商品(会社)に対する苦情」として苦情を処理し、自分を責めることはありません。
一方、仕事上の役割と自分の人格が混合してしまう人は「自分に対しての苦情」ととらえ、自責の念にかられることがあります。
多くの仕事では「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」が求められますが、真摯に向き合いすぎるあまり過剰に自分自身を責めることは、燃え尽き症候群を惹起するきっかけにもなり得ます。
仕事において重要とされる「真面目さ」が、燃え尽き症候群を引き起こす要因となるのです。環境要因
燃え尽き症候群の発生は、過重労働・負担とも密接に関連しています。過重労働といえば長時間労働や仕事上のノルマ、身体的な負担などを指しますが、そこには質的な負担も含まれます。
とくに相手の人格や生活まで踏み込んだ理解が求められるヒューマンサービスなどの業務において、従業員にかかる負担は一様ではありません。こういった職務上の過重負担は、燃え尽き症候群を引き起こす原因になり得ます。燃え尽き症候群(バーンアウト)に関係する6つの要素燃え尽き症候群(バーンアウト)には、以下の6つの要素も大きく関係しています。- 作業負荷
- コントロール
- 報酬
- コミュニティ
- 公平さ
- 価値観の相違
作業負荷
作業負荷が高いと、生活の中で休息にかける時間がなくなり、心身の回復も追いつかなくなります。
与えられた作業量が適切であれば、業務遂行後に休息と回復にかける時間が持てます。空いた時間を趣味などで有意義に使うことも可能です。
しかし作業の量や負荷が増すと、これらのバランスが崩れてしまいます。一日の中でほとんど仕事しかしていない状態となり、仕事で消耗したエネルギーを回復できないまま次の日も仕事に行く、という悪循環ができてしまうのです。コントロール
仕事や生活をコントロールできないことも、燃え尽き症候群の原因となります。
たとえば上司に言われたことをやるだけで自分の意見が反映されない場合や、仕事を進めるために必要な権限にアクセスできない場合などが挙げられます。
仕事の内容だけでなく、プライベートの時間のコントロールも大切です。上司や顧客からの連絡に常に対応する必要があるなど、退勤後や休日もリラックスできない場合も、コントロール不足に当てはまります。報酬
自分の行動に対して十分な報酬がない状態も、燃え尽き症候群につながります。ここでの報酬とは、金銭的な報酬だけでなく、上司からの賞賛や、達成感なども含まれます。
たとえば自分の取り組みが認められていないと感じたり、仕事をする上で消耗するエネルギーとの釣り合いが取れないと感じたりすると、燃え尽き症候群の原因となるでしょう。有給休暇など、すでに制度上では得たはずの報酬を利用できていない場合も、不満感につながります。
「こんなに頑張っているのに報われない」と感じてしまうと、何のために頑張っているのかを見失ってしまう可能性があります。コミュニティ
職場の人間関係が良くない場合は、コミュニケーションの不足で燃え尽き症候群になる可能性があります。
お互いにサポートできて信頼し合えるコミュニティがある人は、たとえ作業量が多くても負担を分散できたり、周りに相談できたりします。しかし、職場でポジティブな人間関係を築けていない場合は、悩みを抱えてしまい、孤独になりやすいでしょう。
燃え尽き症候群を予防するには職場のコミュニティ意識を強めることが必要です。公平さ
組織内で自分は公平に扱われていないと感じると、燃え尽き症候群を引き起こす原因となります。
たとえば自分が取り組んだプロジェクトの成果を発表する際に自分の名前が含まれていなかったり、他のチームは締め切りを伸ばしてもらっているのに自分のチームだけ締め切り厳守で働かなければいけなかったりするなどが考えられます。
不公平な扱いを受けていると感じると、先ほど紹介した「報酬」の不足にもつながります。周りと比べて十分な承認を受けていないと「取り組んだ仕事に対する報酬が少ない」と感じる要因にもなるのです。価値観の相違
組織と従業員本人の価値観の相違も、燃え尽き症候群に関係する要素のひとつです。所属する企業の理念が、従業員が大切にしている価値観と大きく異なる場合、会社のために毎日働くことがストレスとなってモチベーションが下がりやすくなります。
組織で働くと、従業員の業務はすべて、最終的には組織の利益につながります。自分が貢献している利益がどのように、何のために生み出されているのかに納得できないと、従業員は働きがいも感じられません。燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥りやすい職種・業務とは?一般的に看護や介護、教育などの職に就いている人は燃え尽き症候群(バーンアウト)になりやすいと言われています。前項で挙げた燃え尽き症候群を引き起こす要因を含む職場が多いためです。
ほかにも、以下のような業務内容を含む職種は燃え尽き症候群に陥りやすい傾向があります。- 対人支援や接客を行う
- 教育にかかわる
- 数字・数値的な成果を強く求められる
- 速さを求められる
- 身体的負荷が高い
- 責任が重い
- 代わりがきかない
対人支援や接客を行う仕事
行政・障害福祉サービスの従事者や店舗等での案内・接客を行う立場にある人は、常に「人の目にさらされている」「相手の期待に応えなければならない」というストレスがあります。
その場の環境や自らの一挙手一投足にまで気を配らなければならず、職場では常に緊張感が抜けないでしょう。そのため、ひとりの支援対象、顧客との関係が切れたことで燃え尽き症候群を引き起こす場合があります。教育にかかわる仕事
職場での教育係やマネジメントを行う人など「人を育てる」立場の人は、育成対象者が「育った」「巣立った」と実感したタイミングで燃え尽き症候群に陥りやすくなります。
教えていた人が自立して仕事ができるようになったり、昇進したりするとき、業務内容やルーティーンに変化が生じるものの気持ちがついていけず、燃え尽き症候群に至るのです。数字・数値的な成果を強く求められる仕事
営業や金融関連の現場では、常に数字を意識することを求められます。自らの成果だけでなく、世の中の動向や競合の動きに対してもアンテナを張り巡らせる必要があるでしょう。
これらの仕事の場合、なんらかのきっかけや区切りがなければ基本的に気が抜けないまま長年業務に携わることになります。
業務以外の家庭環境や体調の変化、加齢などの事情で疲労を感じ、小さな疲れや心身の負荷が積み重なって燃え尽き症候群を引き起こしかねません。速さを求められる仕事
メディア関係者や運送業、IT関係者など、特に迅速さを求められる仕事をしている人も燃え尽き症候群のリスクにさらされています。
スピードは自分の努力だけでは実現できないものです。周囲に対するイライラや理不尽さが重なり、見えないところでストレスが溜まりやすくなります。身体的負荷が高い仕事
燃え尽き症候群は精神的・心理的負荷のほか、身体的負荷も原因になります。
アスリートや建設関係者など、身体的負荷が大きくかかる仕事で疲労が溜まりやすい状態にあると、そのほかのストレスと相まって燃え尽き症候群を引き起こす場合があります。責任が重い仕事
経営者や管理職、危険業務に従事する人々には責任がかかるため、心理的負荷を常に抱えています。
自らの心身の状態によっては責任を受け止められなかったり、ほかに懸念材料があって余裕がなかったりするタイミングで燃え尽き症候群を起こすこともあるでしょう。代わりがきかない仕事
独占業務に従事する人やアーティストなど、代わりがきかない仕事をしている人もまた、燃え尽き症候群を起こしやすいと言えます。
また「代わりがきかない」とは、ある一定の時間において代えがきかないことも含まれます。たとえば夜勤や欠員などの理由で通常より人員体制が薄い状況は、従業員に大きなストレスを与えます。
職種に関係なく、人手不足の状態にあれば従業員は燃え尽き症候群を引き起こしやすいとも考えられるでしょう。燃え尽き症候群(バーンアウト)のチェックリストを活用面談で活用できる燃え尽き症候群(バーンアウト)の指標「MBI」
燃え尽き症候群(バーンアウト)にはMBI(Maslach Burnout Inventory:マスラーク・バーンアウト・インベントリー)という指標があります。
MBIを「日本版バーンアウト尺度」として日本の現状に即すように変更を加えたものが、以下の通りです。面談の場では、これらの項目で従業員が燃え尽き症候群を起こすバーンアウトの状態にないか確認できます。情緒的消耗感 ・こんな仕事、もうやめたいと思うことがある
・1 日の仕事が終わると 「やっと終わった」 と感じることがある
・出勤前、職場に出るのが嫌になって、家にいたいと思うことがある
・仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある
・体も気持ちも疲れ果てたと思うことがある 脱人格化 ・こまごまと気配りすることが面倒に感じることがある
・同僚や患者の顔を見るのも嫌になることがある
・自分の仕事がつまらなく思えてしかたのないことがある
・同僚や患者と、何も話したくなくなることがある
・仕事の結果はどうでもよいと思うことがある
・今の仕事は、私にとってあまり意味がないと思うことがある 個人的達成感の低下
(右記の項目に当てはまらない) ・われを忘れるほど仕事に熱中することがある
・この仕事は私の性分に合っていると思うことがある
・仕事を終えて、今日は気持ちのよい日だったと思うことがある
・今の仕事に、心から喜びを感じることがある
・仕事が楽しくて、知らないうちに時間がすぎることがある
・われながら仕事をうまくやり終えたと思うことがある
参考:久保真人(2007).バーンアウト(燃え尽き症候群)―ヒューマンサービス職のストレス 日本労働研究雑誌,558,54-64.
面談の機会を設け、本人に無理のない範囲で問いかけたり、紙にチェックしてもらったりして活用すれば、燃え尽き症候群に至る前に早期発見できる可能性が高まります。周囲が気づく燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候チェックリスト
MBIは本人の自覚があれば意味をなしますが、そうでない場合はなかなか気づけないものです。
燃え尽き症候群の症状の項で紹介した状態に至る前に周りがいち早く兆候に気づき、早めに対処するには以下に注意しましょう。- 急に仕事が雑になった
- 遅刻や欠勤が増えた
- 周囲に対してそっけなく、会話をしなくなった
- 身だしなみに気を遣わなくなった
- ランチに誘っても断られる
- 間食やエナジードリンク、コーヒーの摂取量が増えた
- 最近残業するようになった
- お酒を飲む頻度が上がった
- すぐ席を立って気分転換するようになった
- 好きな活動にも身が入らない
- プライベートの話題が減った
燃え尽き症候群に陥るリスクは誰にでもあり、一度陥ってしまうと元の状態に戻るまでかなりの時間を要します。したがって、従業員に上記のな兆候が表れたら、明らかな心身の不調が出る前に対処する必要があります。
残業が続いている場合は早めに帰らせたり、話を聞いてあげたりすることでストレスの原因を聞き出せるでしょう。
しかし、これらは一時的な対処であり、根本的な解決にはつながりません。そこで、組織として燃え尽き症候群を予防するために以下のような対策を行いましょう。組織ができるバーンアウト対策4つ組織として取り組めるバーンアウト対策を4つ紹介します。- 誰でも意見を言える環境を作る
- メンター制度や1on1などを取り入れる
- 表彰制度などを取り入れる
- 健康経営を心がける
それぞれ詳しく見ていきます。誰でも意見を言える環境を作る
燃え尽き症候群を防ぐためには、誰でも意見を言える職場環境を作ることが大切です。
燃え尽き症候群の原因として先ほど挙げた「コントロールの不足」や「コミュニティの不足」は、意見を言いづらい環境から生まれます。意見を言いやすい環境を作るには、各個人が相手を尊重し、立場に関係なく意見を受け入れる姿勢が重要です。
たとえば、部下から上司へだけでなく、上司から部下へも積極的にあいさつをしたり、部下から質問があるときに作業の手を止めて話を聞いたりするなど、普段の行動から変えることができます。
誰でも意見を言えて、それを罰せられることなく受け入れてもらえる環境では、必要以上に緊張してコミュニケーションをとったり理解されない虚しさを感じたりすることがあまりありません。したがって、燃え尽き症候群の入口にある「情緒的消耗感」を抱かずに済むのです。
従業員が不満に感じていることを伝えやすいように、普段からお互いを尊重したカルチャーをつくりましょう。メンター制度や1on1などを取り入れる
メンター制度や1on1など、従業員と離す機会を強制的に作るような制度の導入も、コミュニケーションの円滑化につながります。
とくにメンター制度では、直属の上司ではなく、普段の業務ではあまり関わりがない人をメンターとするのが良いでしょう。悩みを一人で抱え込まず相談してもらえるため、燃え尽き症候群に至る前に問題を解決できます。
定期的にコミュニケーションを取ることで、普段との違いにも気づきやすくなります。先ほど紹介した燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候にも気づきやすくなるはずです。
メンター制度について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【メンター制度の導入で得られる効果やデメリット、制度を成功させるポイントを解説】表彰制度などを取り入れる
表彰制度を取り入れることで、燃え尽き症候群の原因となる「報酬の不足」や「不公平感」に対処できます。表彰制度は全従業員の前で大々的に成果を評価されるため、チームとして成果を祝うカルチャーの醸成にもつながります。
ただし、分かりやすく成果を上げている人だけでなく、分かりにくいけれど縁の下の力持ちとして活動している人にも表彰の機会を与えることに気をつけましょう。
表彰制度にいくつかの部門を設け、普段は隠れているチームにスポットライトを当てることがおすすめです。表彰されることで、従業員は「賞賛」という形で報酬を得られ、燃え尽き症候群の予防につながります。健康経営を心がける
組織全体として健康経営を心がけることも燃え尽き症候群予防に効果的です。健康経営とは、従業員の健康を優先事項として組織的に取り組む経営を指します。
経済産業省も提唱している経営方法で、健康経営の認定制度もあります。従業員が身体的・心理的に健康的な組織では、労働生産性が上がり、長期休業者も減少するためコストも減少すると言われています。
燃え尽き症候群を予防し、従業員が心身ともに健康的に働けるように、以下のような施策を実施できるでしょう。- 朝礼でラジオ体操をする
- アプリで歩数を計測する
- リモートでも参加できるヨガ教室などを行う
- 健康をサポートするオフィス器具を取り入れる
採用時に燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクを見極められるのか前項では燃え尽き症候群(バーンアウト)への組織的対策を紹介しました。
ところで、燃え尽き症候群に陥りやすい原因には、仕事における心身への過重負担(環境要因)以外に、個人要因もあることを確認しました。
「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」といった個人要因も燃え尽き症候群を引き起こす原因になるため、「そもそもこういった個人要因を持つ人材を採用しなければ良いのではないか」と考えるかもしれません。
確かに、コンピテンシー診断などのアセスメントツールを活用し、個人要因を見極めることができれば、燃え尽き症候群リスクの高い人材の採用を回避できます。
しかし、燃え尽き症候群を起こしやすい個人要因は、丁寧に人間関係を構築し、円滑に業務を行ううえでは強みになります。顧客の喜ぶ質の高いサービスを提供し、業務遂行に必要な能力を備えているとも考えられるのです。したがって、燃え尽き症候群のリスクが高いからといって採用しないことは現実的ではありません。
上に挙げたように評価観や目標管理を工夫したり、燃え尽き症候群に陥りそうな従業員を早期に発見する工夫を取り入れたりして、組織的な対策を行っていくのがおすすめです。
とはいえ、組織的に燃え尽き症候群を予防・対策しようとしても、間に合わなかったり、抜け・漏れが発生したりして不完全になりやすい点は拭いきれません。そこで、燃え尽き症候群の対策を行い、燃え尽き症候群で重要な戦力を失ったりしないためにツールを用いることも一案です。燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候を察知するなら「ミイダス組織サーベイ」42万4,950社(2022年12月時点)が導入し、採用からマネジメント、育成まで一貫して人事をサポートする「ミイダス」では、「ミイダス組織サーベイ」を提供しています。
毎月簡単なアンケートを実施するだけで、社員やチームのコンディションをカテゴリ別に可視化できます。
組織サーベイについて詳しく見る
また、一人ひとりの傾向や特徴をより深く分析できるコンピテンシー診断と組み合わせることで、燃え尽き症候群の未然防止はもちろん、メンバーの強みを伸ばすことにもつながります。
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燃え尽き症候群(Burnout Syndrome)の名付け親は、1970年代のアメリカの精神科医ハーバート・フロイデンバーガーです。フロイデンバーガーは、意欲的に仕事に取り組み、業務に集中・没頭していた人が、
燃え尽き症候群は、主に職場や仕事に関するストレスが、従業員の心理的な資源や対処能力を超える状態に至ったときに引き起こされます。したがって、客観的な業務量や業務の種類だけでなく、従業員の考え方のクセや気分転換の方法、周囲の助けなども関係します。
燃え尽き症候群の症状や要因については後述します。
バーンアウトしても再度活力を取り戻すこともあれば、バーンアウトの結果、燃え尽き症候群に陥る場合もあります。
フロイデンバーガーの着想にならい、炎にあてはめて考えてみましょう。
人間の身体がひとつのバーベキューコンロのようになっていると想定すると、炭についた炎が一つひとつの仕事や職場、人間関係への熱量だと考えられます。
一気に強い火力で燃えると、炭は速いスピードで燃えていきます。ここで、ひとつの炭が燃え尽きてしまったとしましょう。これが「バーンアウト」です。もし新たな炭を足していけるならば、火は簡単には消えません。またバーンアウトしても、別にある炭で炎が燃えていたり、新たに着火できたりすればバーベイキューは続けられるため、大きな問題はありません。
しかし、火のついている炭がなくなったり、長時間放置されたりすると再着火は難しく、バーベキューコンロも冷え切ってしまいます。バーベキューは成立しなくなるでしょう。この状態が「燃え尽き症候群」です。
つまり、バーンアウトにより不調が生じれば、燃え尽き症候群となるのです。
燃え尽き症候群やその一歩手前のバーンアウトは、表面化する状態や症状でわかることがあります。
ここでは燃え尽き症候群の前段階からみられる状態や、燃え尽き症候群に至った人が経験しやすい症状の例を解説します。従業員にこれらの状態や症状がみられないか、確認してみましょう。
ここでは燃え尽き症候群の前段階からみられる状態や、燃え尽き症候群に至った人が経験しやすい症状の例を解説します。従業員にこれらの状態や症状がみられないか、確認してみましょう。
燃え尽き症候群の前段階(バーンアウトの状態)
燃え尽き症候群として心身の不調が生じる前段階、バーンアウトした人には以下の3つの状態が表れると言われています。
- 情緒的消耗感
- 脱人格化
- 個人的達成感の低下
情緒的消耗感
仕事で情緒的に力を出し過ぎてしまい、感情的な疲労や消耗感がある状態です。
たとえば、「気合を入れすぎて緊張の糸が切れてしまった」「こんなに一生懸命に説明したのに、わかってもらえなくて疲れた」という状態です。これは単なる疲労ではなく、「情緒的な資源の枯渇」が主な原因と考えられます。
この情緒的消耗感は、燃え尽き症候群に至る過程で最初になりやすい状態です。情緒的消耗感を抱えた結果として、次の「脱人格化」と「個人的達成感の低下」の2つが起こります。
たとえば、「気合を入れすぎて緊張の糸が切れてしまった」「こんなに一生懸命に説明したのに、わかってもらえなくて疲れた」という状態です。これは単なる疲労ではなく、「情緒的な資源の枯渇」が主な原因と考えられます。
この情緒的消耗感は、燃え尽き症候群に至る過程で最初になりやすい状態です。情緒的消耗感を抱えた結果として、次の「脱人格化」と「個人的達成感の低下」の2つが起こります。
脱人格化
顧客や同僚に対して機械的、かつ非人間的な対応をとってしまうのが脱人格化です。
これは情緒的消耗感の悪化によって引き起こされる行動傾向で、人間関係や情緒的なかかわりを煩わしいと感じてしまうのが特徴です。
たとえば、個人名で呼ばず「◯◯(地名・予約時間・部署)の人」などと没個性的なラベルをつけたり、事務的な対応に終始したりすることで、顧客や同僚との情緒的な接触を避けようとします。周りの人との距離を置き、仕事でもプライベートでも極力人間関係を回避しようとする場合もあります。
これは情緒的消耗感の悪化によって引き起こされる行動傾向で、人間関係や情緒的なかかわりを煩わしいと感じてしまうのが特徴です。
たとえば、個人名で呼ばず「◯◯(地名・予約時間・部署)の人」などと没個性的なラベルをつけたり、事務的な対応に終始したりすることで、顧客や同僚との情緒的な接触を避けようとします。周りの人との距離を置き、仕事でもプライベートでも極力人間関係を回避しようとする場合もあります。
個人的達成感の低下
個人的達成感とは、職務に関する有能感や達成感を指します。
燃え尽き症候群(バーンアウト)に至る人には、質の高いサービスを提供してきたと自負している人もいます。客観的な成果や顧客の満足度も高い場合が多く、燃え尽き症候群に陥る前後で業績が大きく変化することもあります。
業績悪化によってこれまでの有能感・達成感も大幅に低下すると、仕事への意欲も低下し、結果的に離職や強い自己否定などの行動に結びつきやすくなります。
仕事の成果や本人の言動・態度に大きな変化がみられたときに早めに対処できれば、燃え尽き症候群を未然に防いだり、悪化を食い止めたりできるかもしれません。
燃え尽き症候群(バーンアウト)に至る人には、質の高いサービスを提供してきたと自負している人もいます。客観的な成果や顧客の満足度も高い場合が多く、燃え尽き症候群に陥る前後で業績が大きく変化することもあります。
業績悪化によってこれまでの有能感・達成感も大幅に低下すると、仕事への意欲も低下し、結果的に離職や強い自己否定などの行動に結びつきやすくなります。
仕事の成果や本人の言動・態度に大きな変化がみられたときに早めに対処できれば、燃え尽き症候群を未然に防いだり、悪化を食い止めたりできるかもしれません。
燃え尽き症候群の症状
バーンアウトの結果、燃え尽き症候群に至った場合、次のような症状や困りごとが表れることがあります。
- 強い疲労感
- 身体的な不調の増加
- 食欲や睡眠、生活リズムの変化
- 感情コントロールの困難さ
- 集中力・判断力・記憶力の低下
- 意思決定の困難さ
- 仕事以外のことへの意欲低下
- 社会的な孤立
従業員にこれらの症状がある場合は、医療機関の受診を勧めてもよいでしょう。
強い疲労感
簡単にはとれないような強い疲労が持続することがあります。
疲労が続くのは、体力低下のサインである場合もあります。「疲れた」と言ったり、ため息が増えていたりしないか様子をみましょう。
疲労が続くのは、体力低下のサインである場合もあります。「疲れた」と言ったり、ため息が増えていたりしないか様子をみましょう。
身体的な不調の増加
持病がないにもかかわらず、これまでとは異なる身体的な不調が出たら要注意だと言えるでしょう。
- 頭痛や腹痛、腰痛がたびたびある
- 健康診断で高血圧やほかの不調を指摘された
- 歩くと呼吸が苦しい
- 風邪をひきやすくなった
などの不調は、燃え尽き症候群に関連していることがあります。
食欲や睡眠、生活リズムの変化
食欲が極端に増減したり、生活リズムが変化したりすることもあります。
- 間食ばかりして仕事が手についていない
- 遅刻が増えた
- 居眠りしている
などの様子がみられたら、食欲や生活リズムがコントロールしきれていない可能性があります。
感情コントロールの困難さ
仕事の場面であるにもかかわらず、感情のコントロールが難しくなっている原因は燃え尽き症候群の可能性があります。
- 注意すると逆ギレするようになった
- 顧客対応の前後にイライラしている
- 周囲にきつくあたることが増えた
- 涙もろくなった
- 感情の起伏が激しくなった
- 周囲への共感や感情表現が乏しくなった
など、これまでとは異なる振る舞いがみられたら注意深く観察しましょう。
集中力・判断力・記憶力の低下
燃え尽き症候群の症状のひとつに、「認知機能の低下」があります。仕事の場面では認知機能が重要であり、サインが表れることも珍しくありません。
- 小さな判断もできず納期が遅れる
- 判断ミスや事故が増えた
- 覚えていないことや「聞いていませんでした」という反応が増えた
- これまでよりも業務に時間がかかる
これらの傾向がみられたら、認知機能が低下している可能性があるでしょう。
意思決定の困難さ
認知機能や意欲などが低下して、意思決定できなくなる人もいます。自身の意思決定だけでなく、顧客や同僚を巻き込んだ意思決定の場面でリードできないという形で顕在化することがあります。
- 役割分担の場面で決められない
- マネージャーであるにもかかわらず、部下に指示が出せない
- 顧客との対話の場面で選択肢を提示したものの、どれがお勧めか説明できない
などの兆候がみられたら、意思決定をしづらい状態にあるのかもしれません。
仕事以外のことへの意欲低下
燃え尽き症候群では、仕事以外の場面でも意欲低下を引き起こす場合があります。
- 休日は何もする気がおきない
- 身だしなみの乱れを自覚できない
など、リフレッシュや身だしなみを整える活動ができなければ、仕事にも支障をきたしてしまいかねません。
社会的な孤立
燃え尽き症候群によって人間関係を避けようとするあまり、孤立してしまうこともあります。職場で孤立している様子がみられたら、必ず声をかけ1on1などを行いましょう。
また、プライベートでも人間関係がうまくいかず、孤立に苦しんでいるケースもあります。近くにいる人が受診を促す、声をかけるなどの対応ができると望ましいでしょう。
1on1についてはこちらの記事をご覧ください。
【関連記事:1on1ミーティングは意味ない?失敗する理由と成功させる方法】
また、プライベートでも人間関係がうまくいかず、孤立に苦しんでいるケースもあります。近くにいる人が受診を促す、声をかけるなどの対応ができると望ましいでしょう。
1on1についてはこちらの記事をご覧ください。
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燃え尽き症候群(バーンアウト)と似ている状態
燃え尽き症候群と似ている状態に、うつ病とストレスがあります。
ストレスが溜まっていると思ったら燃え尽き症候群の一歩手前だったり、燃え尽き症候群だと思っていたらうつ病になっていたりするなどの認識の違いが生まれる可能性があるため、注意が必要です。
ストレスが溜まっていると思ったら燃え尽き症候群の一歩手前だったり、燃え尽き症候群だと思っていたらうつ病になっていたりするなどの認識の違いが生まれる可能性があるため、注意が必要です。
燃え尽き症候群とうつ病の違い
燃え尽き症候群とうつ病の症状は似ているうえ、睡眠障害や疲れやすさなど両者で共通した症状もあります。専門家ではないと判断が難しいケースもあるため、異常を感じたらまずは医療機関の受診をおすすめします。
しかし一般的な傾向として、うつ病の人は人生のさまざまな分野に対してネガティブな感情を持ちやすいのに対し、燃え尽き症候群になった人は「特定の分野に対して」ネガティブな感情を持ちやすいという特徴があります。
燃え尽き症候群はうつ病と比べて一時的で、長い休息を取ったり、好きなことに時間を使うと症状が改善する傾向にあります。
参考:GoodRx Health / How Can I Tell If I’m Experiencing Burnout or Depression?
しかし一般的な傾向として、うつ病の人は人生のさまざまな分野に対してネガティブな感情を持ちやすいのに対し、燃え尽き症候群になった人は「特定の分野に対して」ネガティブな感情を持ちやすいという特徴があります。
燃え尽き症候群はうつ病と比べて一時的で、長い休息を取ったり、好きなことに時間を使うと症状が改善する傾向にあります。
参考:GoodRx Health / How Can I Tell If I’m Experiencing Burnout or Depression?
燃え尽き症候群(バーンアウト)とストレスが溜まっている人の違い
燃え尽き症候群(バーンアウト)とストレスはおおいに関係がありますが、ストレスと燃え尽き症候群はややベクトルが異なります。ストレスは身体的・精神的に刺激が「多すぎる」場合に起きやすく、燃え尽き症候群は満足感やモチベーションなどが「足りない」場合に起きやすくなります。
ストレス | ・感情的な刺激が多く、疲れる ・危機感を与え、今すぐ行動しなければいけないと思わせる |
燃え尽き症候群 (バーンアウト) | ・機械的な対応をしてしまい、感情の動きが減る ・状況を変えるために何もできないと感じる ・モチベーションが下がり、理想や希望を持てなくなる |
ストレスについては以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事:職場のストレスの原因・対処法は?職場環境・業務内容・人間関係の3つの要因から分析しよう】
【関連記事:ストレス耐性とは?ストレッサーを特定して適性を見極めよう】
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働きがいと燃え尽き症候群(バーンアウト)の関係とは?関連する概念を確認仕事に対する働きがいは、「活動水準(仕事への態度・認知)」と「仕事への意欲・認知」を軸として上図の4象限に分類できます。燃え尽き症候群の領域にいる人は「仕事に対して否定的で、意欲も低い」傾向にある、「仕事に働きがいを感じられていない人」と言えるでしょう。
働きがいに関連する概念には、燃え尽き症候群(バーンアウト)のほかに以下の3つが挙げられます。- ワーカホリズム
- ワークエンゲージメント
- 職務満足感
ワーカホリズムとは
ワーカホリズム(Workaholism)は、仕事中心の生活スタイルを指し、極端に多くの時間とエネルギーを仕事に費やすことを特徴とする状態や傾向を表現します。
ワーカホリズムは「仕事中毒」とも呼ばれ、この状態にある人は、仕事への過度な熱中や優先度の高まりによって生活の他の側面を犠牲にする傾向があります。常に忙しく、一度に多くの仕事に手を出しており、「仕事をしていないと落ち着かない」という状態はワーカホリズムの価値観からくるものです。
ワーカホリズムの価値観が表現された状態を「ワーカホリック」と表現することがあります。ワーカホリックな人は仕事熱心ではありますが、それは仕事が好きだからではなく、仕事から離れることへの不安や成果を出すことへの焦りなどによるものです。よって、仕事に対してネガティブな感覚を抱いている一方で、燃え尽き症候群とは違って活動レベルは高いという特徴があります。
ワークエンゲージメントとは
ワークエンゲージメントは燃え尽き症候群(バーンアウト)と対極の概念で、「熱意」「没頭」「活力」の3つが揃った「働きがいを感じている」状態を言います。- 熱意:仕事に誇りややりがいを感じている
- 没頭:仕事に熱心に取り組んでいる
- 活力:仕事から活力を得ていきいきとしている
この状態にある人は、仕事への意欲があり、ポジティブで活動レベルも高い理想的な状態だと言えます。職務満足感とは
職務満足感(Job Satisfaction)は、個人が自身の仕事に対してどれだけ満足しているかを評価する主観的な感情や態度のことです。
職務満足感は、仕事環境・仕事の内容・給与・職場の人間関係・キャリアプランなど、さまざまな要因に影響を受けます。よってこの領域にいる従業員は「給与や職場の人間関係には満足しているが、仕事そのものへの興味関心は低い」状態もあり得ます。
職務満足感は、働く人の幸福感や生活の質に大きな影響を与える重要な概念です。ミイダスの「はたらきがいサーベイ」なら働きがいが測定できる
働きがいには明確な基準がないため、従業員の働きがいを測ることは容易ではありません。そこでおすすめなのが、ミイダスのはたらきがいサーベイです。
はたらきがいサーベイは、簡単なアンケートを通して従業員の働きがいを数値データとして計測・分析できます。
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また、はたらきがいサーベイを活用し、「はたらく人ファーストアワード2023」に応募できます。
ミイダスと朝日新聞社との共催で行われ、会社のブランドイメージ向上にも役立ちます。
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はたらく人ファーストアワード2023に応募する燃え尽き症候群(バーンアウト)を引き起こす原因2つ燃え尽き症候群(バーンアウト)を引き起こす原因は、大きく「個人要因」「環境要因」の2つに分けられます。個人要因
以下のような特徴の人は燃え尽き症候群を起こしやすい傾向があります。- 仕事上の役割と自分の人格が混合してしまう
- できないことがあると自分を責めてしまう
たとえばクライアントから苦情を受けた際、自分と会社とを明確に区別して考えられる人は「商品(会社)に対する苦情」として苦情を処理し、自分を責めることはありません。
一方、仕事上の役割と自分の人格が混合してしまう人は「自分に対しての苦情」ととらえ、自責の念にかられることがあります。
多くの仕事では「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」が求められますが、真摯に向き合いすぎるあまり過剰に自分自身を責めることは、燃え尽き症候群を惹起するきっかけにもなり得ます。
仕事において重要とされる「真面目さ」が、燃え尽き症候群を引き起こす要因となるのです。環境要因
燃え尽き症候群の発生は、過重労働・負担とも密接に関連しています。過重労働といえば長時間労働や仕事上のノルマ、身体的な負担などを指しますが、そこには質的な負担も含まれます。
とくに相手の人格や生活まで踏み込んだ理解が求められるヒューマンサービスなどの業務において、従業員にかかる負担は一様ではありません。こういった職務上の過重負担は、燃え尽き症候群を引き起こす原因になり得ます。燃え尽き症候群(バーンアウト)に関係する6つの要素燃え尽き症候群(バーンアウト)には、以下の6つの要素も大きく関係しています。- 作業負荷
- コントロール
- 報酬
- コミュニティ
- 公平さ
- 価値観の相違
作業負荷
作業負荷が高いと、生活の中で休息にかける時間がなくなり、心身の回復も追いつかなくなります。
与えられた作業量が適切であれば、業務遂行後に休息と回復にかける時間が持てます。空いた時間を趣味などで有意義に使うことも可能です。
しかし作業の量や負荷が増すと、これらのバランスが崩れてしまいます。一日の中でほとんど仕事しかしていない状態となり、仕事で消耗したエネルギーを回復できないまま次の日も仕事に行く、という悪循環ができてしまうのです。コントロール
仕事や生活をコントロールできないことも、燃え尽き症候群の原因となります。
たとえば上司に言われたことをやるだけで自分の意見が反映されない場合や、仕事を進めるために必要な権限にアクセスできない場合などが挙げられます。
仕事の内容だけでなく、プライベートの時間のコントロールも大切です。上司や顧客からの連絡に常に対応する必要があるなど、退勤後や休日もリラックスできない場合も、コントロール不足に当てはまります。報酬
自分の行動に対して十分な報酬がない状態も、燃え尽き症候群につながります。ここでの報酬とは、金銭的な報酬だけでなく、上司からの賞賛や、達成感なども含まれます。
たとえば自分の取り組みが認められていないと感じたり、仕事をする上で消耗するエネルギーとの釣り合いが取れないと感じたりすると、燃え尽き症候群の原因となるでしょう。有給休暇など、すでに制度上では得たはずの報酬を利用できていない場合も、不満感につながります。
「こんなに頑張っているのに報われない」と感じてしまうと、何のために頑張っているのかを見失ってしまう可能性があります。コミュニティ
職場の人間関係が良くない場合は、コミュニケーションの不足で燃え尽き症候群になる可能性があります。
お互いにサポートできて信頼し合えるコミュニティがある人は、たとえ作業量が多くても負担を分散できたり、周りに相談できたりします。しかし、職場でポジティブな人間関係を築けていない場合は、悩みを抱えてしまい、孤独になりやすいでしょう。
燃え尽き症候群を予防するには職場のコミュニティ意識を強めることが必要です。公平さ
組織内で自分は公平に扱われていないと感じると、燃え尽き症候群を引き起こす原因となります。
たとえば自分が取り組んだプロジェクトの成果を発表する際に自分の名前が含まれていなかったり、他のチームは締め切りを伸ばしてもらっているのに自分のチームだけ締め切り厳守で働かなければいけなかったりするなどが考えられます。
不公平な扱いを受けていると感じると、先ほど紹介した「報酬」の不足にもつながります。周りと比べて十分な承認を受けていないと「取り組んだ仕事に対する報酬が少ない」と感じる要因にもなるのです。価値観の相違
組織と従業員本人の価値観の相違も、燃え尽き症候群に関係する要素のひとつです。所属する企業の理念が、従業員が大切にしている価値観と大きく異なる場合、会社のために毎日働くことがストレスとなってモチベーションが下がりやすくなります。
組織で働くと、従業員の業務はすべて、最終的には組織の利益につながります。自分が貢献している利益がどのように、何のために生み出されているのかに納得できないと、従業員は働きがいも感じられません。燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥りやすい職種・業務とは?一般的に看護や介護、教育などの職に就いている人は燃え尽き症候群(バーンアウト)になりやすいと言われています。前項で挙げた燃え尽き症候群を引き起こす要因を含む職場が多いためです。
ほかにも、以下のような業務内容を含む職種は燃え尽き症候群に陥りやすい傾向があります。- 対人支援や接客を行う
- 教育にかかわる
- 数字・数値的な成果を強く求められる
- 速さを求められる
- 身体的負荷が高い
- 責任が重い
- 代わりがきかない
対人支援や接客を行う仕事
行政・障害福祉サービスの従事者や店舗等での案内・接客を行う立場にある人は、常に「人の目にさらされている」「相手の期待に応えなければならない」というストレスがあります。
その場の環境や自らの一挙手一投足にまで気を配らなければならず、職場では常に緊張感が抜けないでしょう。そのため、ひとりの支援対象、顧客との関係が切れたことで燃え尽き症候群を引き起こす場合があります。教育にかかわる仕事
職場での教育係やマネジメントを行う人など「人を育てる」立場の人は、育成対象者が「育った」「巣立った」と実感したタイミングで燃え尽き症候群に陥りやすくなります。
教えていた人が自立して仕事ができるようになったり、昇進したりするとき、業務内容やルーティーンに変化が生じるものの気持ちがついていけず、燃え尽き症候群に至るのです。数字・数値的な成果を強く求められる仕事
営業や金融関連の現場では、常に数字を意識することを求められます。自らの成果だけでなく、世の中の動向や競合の動きに対してもアンテナを張り巡らせる必要があるでしょう。
これらの仕事の場合、なんらかのきっかけや区切りがなければ基本的に気が抜けないまま長年業務に携わることになります。
業務以外の家庭環境や体調の変化、加齢などの事情で疲労を感じ、小さな疲れや心身の負荷が積み重なって燃え尽き症候群を引き起こしかねません。速さを求められる仕事
メディア関係者や運送業、IT関係者など、特に迅速さを求められる仕事をしている人も燃え尽き症候群のリスクにさらされています。
スピードは自分の努力だけでは実現できないものです。周囲に対するイライラや理不尽さが重なり、見えないところでストレスが溜まりやすくなります。身体的負荷が高い仕事
燃え尽き症候群は精神的・心理的負荷のほか、身体的負荷も原因になります。
アスリートや建設関係者など、身体的負荷が大きくかかる仕事で疲労が溜まりやすい状態にあると、そのほかのストレスと相まって燃え尽き症候群を引き起こす場合があります。責任が重い仕事
経営者や管理職、危険業務に従事する人々には責任がかかるため、心理的負荷を常に抱えています。
自らの心身の状態によっては責任を受け止められなかったり、ほかに懸念材料があって余裕がなかったりするタイミングで燃え尽き症候群を起こすこともあるでしょう。代わりがきかない仕事
独占業務に従事する人やアーティストなど、代わりがきかない仕事をしている人もまた、燃え尽き症候群を起こしやすいと言えます。
また「代わりがきかない」とは、ある一定の時間において代えがきかないことも含まれます。たとえば夜勤や欠員などの理由で通常より人員体制が薄い状況は、従業員に大きなストレスを与えます。
職種に関係なく、人手不足の状態にあれば従業員は燃え尽き症候群を引き起こしやすいとも考えられるでしょう。燃え尽き症候群(バーンアウト)のチェックリストを活用面談で活用できる燃え尽き症候群(バーンアウト)の指標「MBI」
燃え尽き症候群(バーンアウト)にはMBI(Maslach Burnout Inventory:マスラーク・バーンアウト・インベントリー)という指標があります。
MBIを「日本版バーンアウト尺度」として日本の現状に即すように変更を加えたものが、以下の通りです。面談の場では、これらの項目で従業員が燃え尽き症候群を起こすバーンアウトの状態にないか確認できます。情緒的消耗感 ・こんな仕事、もうやめたいと思うことがある
・1 日の仕事が終わると 「やっと終わった」 と感じることがある
・出勤前、職場に出るのが嫌になって、家にいたいと思うことがある
・仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある
・体も気持ちも疲れ果てたと思うことがある 脱人格化 ・こまごまと気配りすることが面倒に感じることがある
・同僚や患者の顔を見るのも嫌になることがある
・自分の仕事がつまらなく思えてしかたのないことがある
・同僚や患者と、何も話したくなくなることがある
・仕事の結果はどうでもよいと思うことがある
・今の仕事は、私にとってあまり意味がないと思うことがある 個人的達成感の低下
(右記の項目に当てはまらない) ・われを忘れるほど仕事に熱中することがある
・この仕事は私の性分に合っていると思うことがある
・仕事を終えて、今日は気持ちのよい日だったと思うことがある
・今の仕事に、心から喜びを感じることがある
・仕事が楽しくて、知らないうちに時間がすぎることがある
・われながら仕事をうまくやり終えたと思うことがある
参考:久保真人(2007).バーンアウト(燃え尽き症候群)―ヒューマンサービス職のストレス 日本労働研究雑誌,558,54-64.
面談の機会を設け、本人に無理のない範囲で問いかけたり、紙にチェックしてもらったりして活用すれば、燃え尽き症候群に至る前に早期発見できる可能性が高まります。周囲が気づく燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候チェックリスト
MBIは本人の自覚があれば意味をなしますが、そうでない場合はなかなか気づけないものです。
燃え尽き症候群の症状の項で紹介した状態に至る前に周りがいち早く兆候に気づき、早めに対処するには以下に注意しましょう。- 急に仕事が雑になった
- 遅刻や欠勤が増えた
- 周囲に対してそっけなく、会話をしなくなった
- 身だしなみに気を遣わなくなった
- ランチに誘っても断られる
- 間食やエナジードリンク、コーヒーの摂取量が増えた
- 最近残業するようになった
- お酒を飲む頻度が上がった
- すぐ席を立って気分転換するようになった
- 好きな活動にも身が入らない
- プライベートの話題が減った
燃え尽き症候群に陥るリスクは誰にでもあり、一度陥ってしまうと元の状態に戻るまでかなりの時間を要します。したがって、従業員に上記のな兆候が表れたら、明らかな心身の不調が出る前に対処する必要があります。
残業が続いている場合は早めに帰らせたり、話を聞いてあげたりすることでストレスの原因を聞き出せるでしょう。
しかし、これらは一時的な対処であり、根本的な解決にはつながりません。そこで、組織として燃え尽き症候群を予防するために以下のような対策を行いましょう。組織ができるバーンアウト対策4つ組織として取り組めるバーンアウト対策を4つ紹介します。- 誰でも意見を言える環境を作る
- メンター制度や1on1などを取り入れる
- 表彰制度などを取り入れる
- 健康経営を心がける
それぞれ詳しく見ていきます。誰でも意見を言える環境を作る
燃え尽き症候群を防ぐためには、誰でも意見を言える職場環境を作ることが大切です。
燃え尽き症候群の原因として先ほど挙げた「コントロールの不足」や「コミュニティの不足」は、意見を言いづらい環境から生まれます。意見を言いやすい環境を作るには、各個人が相手を尊重し、立場に関係なく意見を受け入れる姿勢が重要です。
たとえば、部下から上司へだけでなく、上司から部下へも積極的にあいさつをしたり、部下から質問があるときに作業の手を止めて話を聞いたりするなど、普段の行動から変えることができます。
誰でも意見を言えて、それを罰せられることなく受け入れてもらえる環境では、必要以上に緊張してコミュニケーションをとったり理解されない虚しさを感じたりすることがあまりありません。したがって、燃え尽き症候群の入口にある「情緒的消耗感」を抱かずに済むのです。
従業員が不満に感じていることを伝えやすいように、普段からお互いを尊重したカルチャーをつくりましょう。メンター制度や1on1などを取り入れる
メンター制度や1on1など、従業員と離す機会を強制的に作るような制度の導入も、コミュニケーションの円滑化につながります。
とくにメンター制度では、直属の上司ではなく、普段の業務ではあまり関わりがない人をメンターとするのが良いでしょう。悩みを一人で抱え込まず相談してもらえるため、燃え尽き症候群に至る前に問題を解決できます。
定期的にコミュニケーションを取ることで、普段との違いにも気づきやすくなります。先ほど紹介した燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候にも気づきやすくなるはずです。
メンター制度について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【メンター制度の導入で得られる効果やデメリット、制度を成功させるポイントを解説】表彰制度などを取り入れる
表彰制度を取り入れることで、燃え尽き症候群の原因となる「報酬の不足」や「不公平感」に対処できます。表彰制度は全従業員の前で大々的に成果を評価されるため、チームとして成果を祝うカルチャーの醸成にもつながります。
ただし、分かりやすく成果を上げている人だけでなく、分かりにくいけれど縁の下の力持ちとして活動している人にも表彰の機会を与えることに気をつけましょう。
表彰制度にいくつかの部門を設け、普段は隠れているチームにスポットライトを当てることがおすすめです。表彰されることで、従業員は「賞賛」という形で報酬を得られ、燃え尽き症候群の予防につながります。健康経営を心がける
組織全体として健康経営を心がけることも燃え尽き症候群予防に効果的です。健康経営とは、従業員の健康を優先事項として組織的に取り組む経営を指します。
経済産業省も提唱している経営方法で、健康経営の認定制度もあります。従業員が身体的・心理的に健康的な組織では、労働生産性が上がり、長期休業者も減少するためコストも減少すると言われています。
燃え尽き症候群を予防し、従業員が心身ともに健康的に働けるように、以下のような施策を実施できるでしょう。- 朝礼でラジオ体操をする
- アプリで歩数を計測する
- リモートでも参加できるヨガ教室などを行う
- 健康をサポートするオフィス器具を取り入れる
採用時に燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクを見極められるのか前項では燃え尽き症候群(バーンアウト)への組織的対策を紹介しました。
ところで、燃え尽き症候群に陥りやすい原因には、仕事における心身への過重負担(環境要因)以外に、個人要因もあることを確認しました。
「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」といった個人要因も燃え尽き症候群を引き起こす原因になるため、「そもそもこういった個人要因を持つ人材を採用しなければ良いのではないか」と考えるかもしれません。
確かに、コンピテンシー診断などのアセスメントツールを活用し、個人要因を見極めることができれば、燃え尽き症候群リスクの高い人材の採用を回避できます。
しかし、燃え尽き症候群を起こしやすい個人要因は、丁寧に人間関係を構築し、円滑に業務を行ううえでは強みになります。顧客の喜ぶ質の高いサービスを提供し、業務遂行に必要な能力を備えているとも考えられるのです。したがって、燃え尽き症候群のリスクが高いからといって採用しないことは現実的ではありません。
上に挙げたように評価観や目標管理を工夫したり、燃え尽き症候群に陥りそうな従業員を早期に発見する工夫を取り入れたりして、組織的な対策を行っていくのがおすすめです。
とはいえ、組織的に燃え尽き症候群を予防・対策しようとしても、間に合わなかったり、抜け・漏れが発生したりして不完全になりやすい点は拭いきれません。そこで、燃え尽き症候群の対策を行い、燃え尽き症候群で重要な戦力を失ったりしないためにツールを用いることも一案です。燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候を察知するなら「ミイダス組織サーベイ」42万4,950社(2022年12月時点)が導入し、採用からマネジメント、育成まで一貫して人事をサポートする「ミイダス」では、「ミイダス組織サーベイ」を提供しています。
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働きがいに関連する概念には、燃え尽き症候群(バーンアウト)のほかに以下の3つが挙げられます。
ワーカホリズムは「仕事中毒」とも呼ばれ、この状態にある人は、仕事への過度な熱中や優先度の高まりによって生活の他の側面を犠牲にする傾向があります。常に忙しく、一度に多くの仕事に手を出しており、「仕事をしていないと落ち着かない」という状態はワーカホリズムの価値観からくるものです。
ワーカホリズムの価値観が表現された状態を「ワーカホリック」と表現することがあります。ワーカホリックな人は仕事熱心ではありますが、それは仕事が好きだからではなく、仕事から離れることへの不安や成果を出すことへの焦りなどによるものです。よって、仕事に対してネガティブな感覚を抱いている一方で、燃え尽き症候群とは違って活動レベルは高いという特徴があります。
職務満足感は、仕事環境・仕事の内容・給与・職場の人間関係・キャリアプランなど、さまざまな要因に影響を受けます。よってこの領域にいる従業員は「給与や職場の人間関係には満足しているが、仕事そのものへの興味関心は低い」状態もあり得ます。
職務満足感は、働く人の幸福感や生活の質に大きな影響を与える重要な概念です。
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燃え尽き症候群(バーンアウト)を引き起こす原因は、大きく「個人要因」「環境要因」の2つに分けられます。
個人要因
以下のような特徴の人は燃え尽き症候群を起こしやすい傾向があります。
- 仕事上の役割と自分の人格が混合してしまう
- できないことがあると自分を責めてしまう
たとえばクライアントから苦情を受けた際、自分と会社とを明確に区別して考えられる人は「商品(会社)に対する苦情」として苦情を処理し、自分を責めることはありません。
一方、仕事上の役割と自分の人格が混合してしまう人は「自分に対しての苦情」ととらえ、自責の念にかられることがあります。
多くの仕事では「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」が求められますが、真摯に向き合いすぎるあまり過剰に自分自身を責めることは、燃え尽き症候群を惹起するきっかけにもなり得ます。
仕事において重要とされる「真面目さ」が、燃え尽き症候群を引き起こす要因となるのです。
一方、仕事上の役割と自分の人格が混合してしまう人は「自分に対しての苦情」ととらえ、自責の念にかられることがあります。
多くの仕事では「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」が求められますが、真摯に向き合いすぎるあまり過剰に自分自身を責めることは、燃え尽き症候群を惹起するきっかけにもなり得ます。
仕事において重要とされる「真面目さ」が、燃え尽き症候群を引き起こす要因となるのです。
環境要因
燃え尽き症候群の発生は、過重労働・負担とも密接に関連しています。過重労働といえば長時間労働や仕事上のノルマ、身体的な負担などを指しますが、そこには質的な負担も含まれます。
とくに相手の人格や生活まで踏み込んだ理解が求められるヒューマンサービスなどの業務において、従業員にかかる負担は一様ではありません。こういった職務上の過重負担は、燃え尽き症候群を引き起こす原因になり得ます。
とくに相手の人格や生活まで踏み込んだ理解が求められるヒューマンサービスなどの業務において、従業員にかかる負担は一様ではありません。こういった職務上の過重負担は、燃え尽き症候群を引き起こす原因になり得ます。
燃え尽き症候群(バーンアウト)に関係する6つの要素燃え尽き症候群(バーンアウト)には、以下の6つの要素も大きく関係しています。- 作業負荷
- コントロール
- 報酬
- コミュニティ
- 公平さ
- 価値観の相違
作業負荷
作業負荷が高いと、生活の中で休息にかける時間がなくなり、心身の回復も追いつかなくなります。
与えられた作業量が適切であれば、業務遂行後に休息と回復にかける時間が持てます。空いた時間を趣味などで有意義に使うことも可能です。
しかし作業の量や負荷が増すと、これらのバランスが崩れてしまいます。一日の中でほとんど仕事しかしていない状態となり、仕事で消耗したエネルギーを回復できないまま次の日も仕事に行く、という悪循環ができてしまうのです。コントロール
仕事や生活をコントロールできないことも、燃え尽き症候群の原因となります。
たとえば上司に言われたことをやるだけで自分の意見が反映されない場合や、仕事を進めるために必要な権限にアクセスできない場合などが挙げられます。
仕事の内容だけでなく、プライベートの時間のコントロールも大切です。上司や顧客からの連絡に常に対応する必要があるなど、退勤後や休日もリラックスできない場合も、コントロール不足に当てはまります。報酬
自分の行動に対して十分な報酬がない状態も、燃え尽き症候群につながります。ここでの報酬とは、金銭的な報酬だけでなく、上司からの賞賛や、達成感なども含まれます。
たとえば自分の取り組みが認められていないと感じたり、仕事をする上で消耗するエネルギーとの釣り合いが取れないと感じたりすると、燃え尽き症候群の原因となるでしょう。有給休暇など、すでに制度上では得たはずの報酬を利用できていない場合も、不満感につながります。
「こんなに頑張っているのに報われない」と感じてしまうと、何のために頑張っているのかを見失ってしまう可能性があります。コミュニティ
職場の人間関係が良くない場合は、コミュニケーションの不足で燃え尽き症候群になる可能性があります。
お互いにサポートできて信頼し合えるコミュニティがある人は、たとえ作業量が多くても負担を分散できたり、周りに相談できたりします。しかし、職場でポジティブな人間関係を築けていない場合は、悩みを抱えてしまい、孤独になりやすいでしょう。
燃え尽き症候群を予防するには職場のコミュニティ意識を強めることが必要です。公平さ
組織内で自分は公平に扱われていないと感じると、燃え尽き症候群を引き起こす原因となります。
たとえば自分が取り組んだプロジェクトの成果を発表する際に自分の名前が含まれていなかったり、他のチームは締め切りを伸ばしてもらっているのに自分のチームだけ締め切り厳守で働かなければいけなかったりするなどが考えられます。
不公平な扱いを受けていると感じると、先ほど紹介した「報酬」の不足にもつながります。周りと比べて十分な承認を受けていないと「取り組んだ仕事に対する報酬が少ない」と感じる要因にもなるのです。価値観の相違
組織と従業員本人の価値観の相違も、燃え尽き症候群に関係する要素のひとつです。所属する企業の理念が、従業員が大切にしている価値観と大きく異なる場合、会社のために毎日働くことがストレスとなってモチベーションが下がりやすくなります。
組織で働くと、従業員の業務はすべて、最終的には組織の利益につながります。自分が貢献している利益がどのように、何のために生み出されているのかに納得できないと、従業員は働きがいも感じられません。燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥りやすい職種・業務とは?一般的に看護や介護、教育などの職に就いている人は燃え尽き症候群(バーンアウト)になりやすいと言われています。前項で挙げた燃え尽き症候群を引き起こす要因を含む職場が多いためです。
ほかにも、以下のような業務内容を含む職種は燃え尽き症候群に陥りやすい傾向があります。- 対人支援や接客を行う
- 教育にかかわる
- 数字・数値的な成果を強く求められる
- 速さを求められる
- 身体的負荷が高い
- 責任が重い
- 代わりがきかない
対人支援や接客を行う仕事
行政・障害福祉サービスの従事者や店舗等での案内・接客を行う立場にある人は、常に「人の目にさらされている」「相手の期待に応えなければならない」というストレスがあります。
その場の環境や自らの一挙手一投足にまで気を配らなければならず、職場では常に緊張感が抜けないでしょう。そのため、ひとりの支援対象、顧客との関係が切れたことで燃え尽き症候群を引き起こす場合があります。教育にかかわる仕事
職場での教育係やマネジメントを行う人など「人を育てる」立場の人は、育成対象者が「育った」「巣立った」と実感したタイミングで燃え尽き症候群に陥りやすくなります。
教えていた人が自立して仕事ができるようになったり、昇進したりするとき、業務内容やルーティーンに変化が生じるものの気持ちがついていけず、燃え尽き症候群に至るのです。数字・数値的な成果を強く求められる仕事
営業や金融関連の現場では、常に数字を意識することを求められます。自らの成果だけでなく、世の中の動向や競合の動きに対してもアンテナを張り巡らせる必要があるでしょう。
これらの仕事の場合、なんらかのきっかけや区切りがなければ基本的に気が抜けないまま長年業務に携わることになります。
業務以外の家庭環境や体調の変化、加齢などの事情で疲労を感じ、小さな疲れや心身の負荷が積み重なって燃え尽き症候群を引き起こしかねません。速さを求められる仕事
メディア関係者や運送業、IT関係者など、特に迅速さを求められる仕事をしている人も燃え尽き症候群のリスクにさらされています。
スピードは自分の努力だけでは実現できないものです。周囲に対するイライラや理不尽さが重なり、見えないところでストレスが溜まりやすくなります。身体的負荷が高い仕事
燃え尽き症候群は精神的・心理的負荷のほか、身体的負荷も原因になります。
アスリートや建設関係者など、身体的負荷が大きくかかる仕事で疲労が溜まりやすい状態にあると、そのほかのストレスと相まって燃え尽き症候群を引き起こす場合があります。責任が重い仕事
経営者や管理職、危険業務に従事する人々には責任がかかるため、心理的負荷を常に抱えています。
自らの心身の状態によっては責任を受け止められなかったり、ほかに懸念材料があって余裕がなかったりするタイミングで燃え尽き症候群を起こすこともあるでしょう。代わりがきかない仕事
独占業務に従事する人やアーティストなど、代わりがきかない仕事をしている人もまた、燃え尽き症候群を起こしやすいと言えます。
また「代わりがきかない」とは、ある一定の時間において代えがきかないことも含まれます。たとえば夜勤や欠員などの理由で通常より人員体制が薄い状況は、従業員に大きなストレスを与えます。
職種に関係なく、人手不足の状態にあれば従業員は燃え尽き症候群を引き起こしやすいとも考えられるでしょう。燃え尽き症候群(バーンアウト)のチェックリストを活用面談で活用できる燃え尽き症候群(バーンアウト)の指標「MBI」
燃え尽き症候群(バーンアウト)にはMBI(Maslach Burnout Inventory:マスラーク・バーンアウト・インベントリー)という指標があります。
MBIを「日本版バーンアウト尺度」として日本の現状に即すように変更を加えたものが、以下の通りです。面談の場では、これらの項目で従業員が燃え尽き症候群を起こすバーンアウトの状態にないか確認できます。情緒的消耗感 ・こんな仕事、もうやめたいと思うことがある
・1 日の仕事が終わると 「やっと終わった」 と感じることがある
・出勤前、職場に出るのが嫌になって、家にいたいと思うことがある
・仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある
・体も気持ちも疲れ果てたと思うことがある 脱人格化 ・こまごまと気配りすることが面倒に感じることがある
・同僚や患者の顔を見るのも嫌になることがある
・自分の仕事がつまらなく思えてしかたのないことがある
・同僚や患者と、何も話したくなくなることがある
・仕事の結果はどうでもよいと思うことがある
・今の仕事は、私にとってあまり意味がないと思うことがある 個人的達成感の低下
(右記の項目に当てはまらない) ・われを忘れるほど仕事に熱中することがある
・この仕事は私の性分に合っていると思うことがある
・仕事を終えて、今日は気持ちのよい日だったと思うことがある
・今の仕事に、心から喜びを感じることがある
・仕事が楽しくて、知らないうちに時間がすぎることがある
・われながら仕事をうまくやり終えたと思うことがある
参考:久保真人(2007).バーンアウト(燃え尽き症候群)―ヒューマンサービス職のストレス 日本労働研究雑誌,558,54-64.
面談の機会を設け、本人に無理のない範囲で問いかけたり、紙にチェックしてもらったりして活用すれば、燃え尽き症候群に至る前に早期発見できる可能性が高まります。周囲が気づく燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候チェックリスト
MBIは本人の自覚があれば意味をなしますが、そうでない場合はなかなか気づけないものです。
燃え尽き症候群の症状の項で紹介した状態に至る前に周りがいち早く兆候に気づき、早めに対処するには以下に注意しましょう。- 急に仕事が雑になった
- 遅刻や欠勤が増えた
- 周囲に対してそっけなく、会話をしなくなった
- 身だしなみに気を遣わなくなった
- ランチに誘っても断られる
- 間食やエナジードリンク、コーヒーの摂取量が増えた
- 最近残業するようになった
- お酒を飲む頻度が上がった
- すぐ席を立って気分転換するようになった
- 好きな活動にも身が入らない
- プライベートの話題が減った
燃え尽き症候群に陥るリスクは誰にでもあり、一度陥ってしまうと元の状態に戻るまでかなりの時間を要します。したがって、従業員に上記のな兆候が表れたら、明らかな心身の不調が出る前に対処する必要があります。
残業が続いている場合は早めに帰らせたり、話を聞いてあげたりすることでストレスの原因を聞き出せるでしょう。
しかし、これらは一時的な対処であり、根本的な解決にはつながりません。そこで、組織として燃え尽き症候群を予防するために以下のような対策を行いましょう。組織ができるバーンアウト対策4つ組織として取り組めるバーンアウト対策を4つ紹介します。- 誰でも意見を言える環境を作る
- メンター制度や1on1などを取り入れる
- 表彰制度などを取り入れる
- 健康経営を心がける
それぞれ詳しく見ていきます。誰でも意見を言える環境を作る
燃え尽き症候群を防ぐためには、誰でも意見を言える職場環境を作ることが大切です。
燃え尽き症候群の原因として先ほど挙げた「コントロールの不足」や「コミュニティの不足」は、意見を言いづらい環境から生まれます。意見を言いやすい環境を作るには、各個人が相手を尊重し、立場に関係なく意見を受け入れる姿勢が重要です。
たとえば、部下から上司へだけでなく、上司から部下へも積極的にあいさつをしたり、部下から質問があるときに作業の手を止めて話を聞いたりするなど、普段の行動から変えることができます。
誰でも意見を言えて、それを罰せられることなく受け入れてもらえる環境では、必要以上に緊張してコミュニケーションをとったり理解されない虚しさを感じたりすることがあまりありません。したがって、燃え尽き症候群の入口にある「情緒的消耗感」を抱かずに済むのです。
従業員が不満に感じていることを伝えやすいように、普段からお互いを尊重したカルチャーをつくりましょう。メンター制度や1on1などを取り入れる
メンター制度や1on1など、従業員と離す機会を強制的に作るような制度の導入も、コミュニケーションの円滑化につながります。
とくにメンター制度では、直属の上司ではなく、普段の業務ではあまり関わりがない人をメンターとするのが良いでしょう。悩みを一人で抱え込まず相談してもらえるため、燃え尽き症候群に至る前に問題を解決できます。
定期的にコミュニケーションを取ることで、普段との違いにも気づきやすくなります。先ほど紹介した燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候にも気づきやすくなるはずです。
メンター制度について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【メンター制度の導入で得られる効果やデメリット、制度を成功させるポイントを解説】表彰制度などを取り入れる
表彰制度を取り入れることで、燃え尽き症候群の原因となる「報酬の不足」や「不公平感」に対処できます。表彰制度は全従業員の前で大々的に成果を評価されるため、チームとして成果を祝うカルチャーの醸成にもつながります。
ただし、分かりやすく成果を上げている人だけでなく、分かりにくいけれど縁の下の力持ちとして活動している人にも表彰の機会を与えることに気をつけましょう。
表彰制度にいくつかの部門を設け、普段は隠れているチームにスポットライトを当てることがおすすめです。表彰されることで、従業員は「賞賛」という形で報酬を得られ、燃え尽き症候群の予防につながります。健康経営を心がける
組織全体として健康経営を心がけることも燃え尽き症候群予防に効果的です。健康経営とは、従業員の健康を優先事項として組織的に取り組む経営を指します。
経済産業省も提唱している経営方法で、健康経営の認定制度もあります。従業員が身体的・心理的に健康的な組織では、労働生産性が上がり、長期休業者も減少するためコストも減少すると言われています。
燃え尽き症候群を予防し、従業員が心身ともに健康的に働けるように、以下のような施策を実施できるでしょう。- 朝礼でラジオ体操をする
- アプリで歩数を計測する
- リモートでも参加できるヨガ教室などを行う
- 健康をサポートするオフィス器具を取り入れる
採用時に燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクを見極められるのか前項では燃え尽き症候群(バーンアウト)への組織的対策を紹介しました。
ところで、燃え尽き症候群に陥りやすい原因には、仕事における心身への過重負担(環境要因)以外に、個人要因もあることを確認しました。
「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」といった個人要因も燃え尽き症候群を引き起こす原因になるため、「そもそもこういった個人要因を持つ人材を採用しなければ良いのではないか」と考えるかもしれません。
確かに、コンピテンシー診断などのアセスメントツールを活用し、個人要因を見極めることができれば、燃え尽き症候群リスクの高い人材の採用を回避できます。
しかし、燃え尽き症候群を起こしやすい個人要因は、丁寧に人間関係を構築し、円滑に業務を行ううえでは強みになります。顧客の喜ぶ質の高いサービスを提供し、業務遂行に必要な能力を備えているとも考えられるのです。したがって、燃え尽き症候群のリスクが高いからといって採用しないことは現実的ではありません。
上に挙げたように評価観や目標管理を工夫したり、燃え尽き症候群に陥りそうな従業員を早期に発見する工夫を取り入れたりして、組織的な対策を行っていくのがおすすめです。
とはいえ、組織的に燃え尽き症候群を予防・対策しようとしても、間に合わなかったり、抜け・漏れが発生したりして不完全になりやすい点は拭いきれません。そこで、燃え尽き症候群の対策を行い、燃え尽き症候群で重要な戦力を失ったりしないためにツールを用いることも一案です。燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候を察知するなら「ミイダス組織サーベイ」42万4,950社(2022年12月時点)が導入し、採用からマネジメント、育成まで一貫して人事をサポートする「ミイダス」では、「ミイダス組織サーベイ」を提供しています。
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しかし作業の量や負荷が増すと、これらのバランスが崩れてしまいます。一日の中でほとんど仕事しかしていない状態となり、仕事で消耗したエネルギーを回復できないまま次の日も仕事に行く、という悪循環ができてしまうのです。
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燃え尽き症候群を予防するには職場のコミュニティ意識を強めることが必要です。
たとえば自分が取り組んだプロジェクトの成果を発表する際に自分の名前が含まれていなかったり、他のチームは締め切りを伸ばしてもらっているのに自分のチームだけ締め切り厳守で働かなければいけなかったりするなどが考えられます。
不公平な扱いを受けていると感じると、先ほど紹介した「報酬」の不足にもつながります。周りと比べて十分な承認を受けていないと「取り組んだ仕事に対する報酬が少ない」と感じる要因にもなるのです。
組織で働くと、従業員の業務はすべて、最終的には組織の利益につながります。自分が貢献している利益がどのように、何のために生み出されているのかに納得できないと、従業員は働きがいも感じられません。
一般的に看護や介護、教育などの職に就いている人は燃え尽き症候群(バーンアウト)になりやすいと言われています。前項で挙げた燃え尽き症候群を引き起こす要因を含む職場が多いためです。
ほかにも、以下のような業務内容を含む職種は燃え尽き症候群に陥りやすい傾向があります。
ほかにも、以下のような業務内容を含む職種は燃え尽き症候群に陥りやすい傾向があります。
- 対人支援や接客を行う
- 教育にかかわる
- 数字・数値的な成果を強く求められる
- 速さを求められる
- 身体的負荷が高い
- 責任が重い
- 代わりがきかない
対人支援や接客を行う仕事
行政・障害福祉サービスの従事者や店舗等での案内・接客を行う立場にある人は、常に「人の目にさらされている」「相手の期待に応えなければならない」というストレスがあります。
その場の環境や自らの一挙手一投足にまで気を配らなければならず、職場では常に緊張感が抜けないでしょう。そのため、ひとりの支援対象、顧客との関係が切れたことで燃え尽き症候群を引き起こす場合があります。
その場の環境や自らの一挙手一投足にまで気を配らなければならず、職場では常に緊張感が抜けないでしょう。そのため、ひとりの支援対象、顧客との関係が切れたことで燃え尽き症候群を引き起こす場合があります。
教育にかかわる仕事
職場での教育係やマネジメントを行う人など「人を育てる」立場の人は、育成対象者が「育った」「巣立った」と実感したタイミングで燃え尽き症候群に陥りやすくなります。
教えていた人が自立して仕事ができるようになったり、昇進したりするとき、業務内容やルーティーンに変化が生じるものの気持ちがついていけず、燃え尽き症候群に至るのです。
教えていた人が自立して仕事ができるようになったり、昇進したりするとき、業務内容やルーティーンに変化が生じるものの気持ちがついていけず、燃え尽き症候群に至るのです。
数字・数値的な成果を強く求められる仕事
営業や金融関連の現場では、常に数字を意識することを求められます。自らの成果だけでなく、世の中の動向や競合の動きに対してもアンテナを張り巡らせる必要があるでしょう。
これらの仕事の場合、なんらかのきっかけや区切りがなければ基本的に気が抜けないまま長年業務に携わることになります。
業務以外の家庭環境や体調の変化、加齢などの事情で疲労を感じ、小さな疲れや心身の負荷が積み重なって燃え尽き症候群を引き起こしかねません。
これらの仕事の場合、なんらかのきっかけや区切りがなければ基本的に気が抜けないまま長年業務に携わることになります。
業務以外の家庭環境や体調の変化、加齢などの事情で疲労を感じ、小さな疲れや心身の負荷が積み重なって燃え尽き症候群を引き起こしかねません。
速さを求められる仕事
メディア関係者や運送業、IT関係者など、特に迅速さを求められる仕事をしている人も燃え尽き症候群のリスクにさらされています。
スピードは自分の努力だけでは実現できないものです。周囲に対するイライラや理不尽さが重なり、見えないところでストレスが溜まりやすくなります。
スピードは自分の努力だけでは実現できないものです。周囲に対するイライラや理不尽さが重なり、見えないところでストレスが溜まりやすくなります。
身体的負荷が高い仕事
燃え尽き症候群は精神的・心理的負荷のほか、身体的負荷も原因になります。
アスリートや建設関係者など、身体的負荷が大きくかかる仕事で疲労が溜まりやすい状態にあると、そのほかのストレスと相まって燃え尽き症候群を引き起こす場合があります。
アスリートや建設関係者など、身体的負荷が大きくかかる仕事で疲労が溜まりやすい状態にあると、そのほかのストレスと相まって燃え尽き症候群を引き起こす場合があります。
責任が重い仕事
経営者や管理職、危険業務に従事する人々には責任がかかるため、心理的負荷を常に抱えています。
自らの心身の状態によっては責任を受け止められなかったり、ほかに懸念材料があって余裕がなかったりするタイミングで燃え尽き症候群を起こすこともあるでしょう。
自らの心身の状態によっては責任を受け止められなかったり、ほかに懸念材料があって余裕がなかったりするタイミングで燃え尽き症候群を起こすこともあるでしょう。
代わりがきかない仕事
独占業務に従事する人やアーティストなど、代わりがきかない仕事をしている人もまた、燃え尽き症候群を起こしやすいと言えます。
また「代わりがきかない」とは、ある一定の時間において代えがきかないことも含まれます。たとえば夜勤や欠員などの理由で通常より人員体制が薄い状況は、従業員に大きなストレスを与えます。
職種に関係なく、人手不足の状態にあれば従業員は燃え尽き症候群を引き起こしやすいとも考えられるでしょう。
また「代わりがきかない」とは、ある一定の時間において代えがきかないことも含まれます。たとえば夜勤や欠員などの理由で通常より人員体制が薄い状況は、従業員に大きなストレスを与えます。
職種に関係なく、人手不足の状態にあれば従業員は燃え尽き症候群を引き起こしやすいとも考えられるでしょう。
燃え尽き症候群(バーンアウト)のチェックリストを活用面談で活用できる燃え尽き症候群(バーンアウト)の指標「MBI」
燃え尽き症候群(バーンアウト)にはMBI(Maslach Burnout Inventory:マスラーク・バーンアウト・インベントリー)という指標があります。
MBIを「日本版バーンアウト尺度」として日本の現状に即すように変更を加えたものが、以下の通りです。面談の場では、これらの項目で従業員が燃え尽き症候群を起こすバーンアウトの状態にないか確認できます。情緒的消耗感 ・こんな仕事、もうやめたいと思うことがある
・1 日の仕事が終わると 「やっと終わった」 と感じることがある
・出勤前、職場に出るのが嫌になって、家にいたいと思うことがある
・仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある
・体も気持ちも疲れ果てたと思うことがある 脱人格化 ・こまごまと気配りすることが面倒に感じることがある
・同僚や患者の顔を見るのも嫌になることがある
・自分の仕事がつまらなく思えてしかたのないことがある
・同僚や患者と、何も話したくなくなることがある
・仕事の結果はどうでもよいと思うことがある
・今の仕事は、私にとってあまり意味がないと思うことがある 個人的達成感の低下
(右記の項目に当てはまらない) ・われを忘れるほど仕事に熱中することがある
・この仕事は私の性分に合っていると思うことがある
・仕事を終えて、今日は気持ちのよい日だったと思うことがある
・今の仕事に、心から喜びを感じることがある
・仕事が楽しくて、知らないうちに時間がすぎることがある
・われながら仕事をうまくやり終えたと思うことがある
参考:久保真人(2007).バーンアウト(燃え尽き症候群)―ヒューマンサービス職のストレス 日本労働研究雑誌,558,54-64.
面談の機会を設け、本人に無理のない範囲で問いかけたり、紙にチェックしてもらったりして活用すれば、燃え尽き症候群に至る前に早期発見できる可能性が高まります。周囲が気づく燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候チェックリスト
MBIは本人の自覚があれば意味をなしますが、そうでない場合はなかなか気づけないものです。
燃え尽き症候群の症状の項で紹介した状態に至る前に周りがいち早く兆候に気づき、早めに対処するには以下に注意しましょう。- 急に仕事が雑になった
- 遅刻や欠勤が増えた
- 周囲に対してそっけなく、会話をしなくなった
- 身だしなみに気を遣わなくなった
- ランチに誘っても断られる
- 間食やエナジードリンク、コーヒーの摂取量が増えた
- 最近残業するようになった
- お酒を飲む頻度が上がった
- すぐ席を立って気分転換するようになった
- 好きな活動にも身が入らない
- プライベートの話題が減った
燃え尽き症候群に陥るリスクは誰にでもあり、一度陥ってしまうと元の状態に戻るまでかなりの時間を要します。したがって、従業員に上記のな兆候が表れたら、明らかな心身の不調が出る前に対処する必要があります。
残業が続いている場合は早めに帰らせたり、話を聞いてあげたりすることでストレスの原因を聞き出せるでしょう。
しかし、これらは一時的な対処であり、根本的な解決にはつながりません。そこで、組織として燃え尽き症候群を予防するために以下のような対策を行いましょう。組織ができるバーンアウト対策4つ組織として取り組めるバーンアウト対策を4つ紹介します。- 誰でも意見を言える環境を作る
- メンター制度や1on1などを取り入れる
- 表彰制度などを取り入れる
- 健康経営を心がける
それぞれ詳しく見ていきます。誰でも意見を言える環境を作る
燃え尽き症候群を防ぐためには、誰でも意見を言える職場環境を作ることが大切です。
燃え尽き症候群の原因として先ほど挙げた「コントロールの不足」や「コミュニティの不足」は、意見を言いづらい環境から生まれます。意見を言いやすい環境を作るには、各個人が相手を尊重し、立場に関係なく意見を受け入れる姿勢が重要です。
たとえば、部下から上司へだけでなく、上司から部下へも積極的にあいさつをしたり、部下から質問があるときに作業の手を止めて話を聞いたりするなど、普段の行動から変えることができます。
誰でも意見を言えて、それを罰せられることなく受け入れてもらえる環境では、必要以上に緊張してコミュニケーションをとったり理解されない虚しさを感じたりすることがあまりありません。したがって、燃え尽き症候群の入口にある「情緒的消耗感」を抱かずに済むのです。
従業員が不満に感じていることを伝えやすいように、普段からお互いを尊重したカルチャーをつくりましょう。メンター制度や1on1などを取り入れる
メンター制度や1on1など、従業員と離す機会を強制的に作るような制度の導入も、コミュニケーションの円滑化につながります。
とくにメンター制度では、直属の上司ではなく、普段の業務ではあまり関わりがない人をメンターとするのが良いでしょう。悩みを一人で抱え込まず相談してもらえるため、燃え尽き症候群に至る前に問題を解決できます。
定期的にコミュニケーションを取ることで、普段との違いにも気づきやすくなります。先ほど紹介した燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候にも気づきやすくなるはずです。
メンター制度について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【メンター制度の導入で得られる効果やデメリット、制度を成功させるポイントを解説】表彰制度などを取り入れる
表彰制度を取り入れることで、燃え尽き症候群の原因となる「報酬の不足」や「不公平感」に対処できます。表彰制度は全従業員の前で大々的に成果を評価されるため、チームとして成果を祝うカルチャーの醸成にもつながります。
ただし、分かりやすく成果を上げている人だけでなく、分かりにくいけれど縁の下の力持ちとして活動している人にも表彰の機会を与えることに気をつけましょう。
表彰制度にいくつかの部門を設け、普段は隠れているチームにスポットライトを当てることがおすすめです。表彰されることで、従業員は「賞賛」という形で報酬を得られ、燃え尽き症候群の予防につながります。健康経営を心がける
組織全体として健康経営を心がけることも燃え尽き症候群予防に効果的です。健康経営とは、従業員の健康を優先事項として組織的に取り組む経営を指します。
経済産業省も提唱している経営方法で、健康経営の認定制度もあります。従業員が身体的・心理的に健康的な組織では、労働生産性が上がり、長期休業者も減少するためコストも減少すると言われています。
燃え尽き症候群を予防し、従業員が心身ともに健康的に働けるように、以下のような施策を実施できるでしょう。- 朝礼でラジオ体操をする
- アプリで歩数を計測する
- リモートでも参加できるヨガ教室などを行う
- 健康をサポートするオフィス器具を取り入れる
採用時に燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクを見極められるのか前項では燃え尽き症候群(バーンアウト)への組織的対策を紹介しました。
ところで、燃え尽き症候群に陥りやすい原因には、仕事における心身への過重負担(環境要因)以外に、個人要因もあることを確認しました。
「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」といった個人要因も燃え尽き症候群を引き起こす原因になるため、「そもそもこういった個人要因を持つ人材を採用しなければ良いのではないか」と考えるかもしれません。
確かに、コンピテンシー診断などのアセスメントツールを活用し、個人要因を見極めることができれば、燃え尽き症候群リスクの高い人材の採用を回避できます。
しかし、燃え尽き症候群を起こしやすい個人要因は、丁寧に人間関係を構築し、円滑に業務を行ううえでは強みになります。顧客の喜ぶ質の高いサービスを提供し、業務遂行に必要な能力を備えているとも考えられるのです。したがって、燃え尽き症候群のリスクが高いからといって採用しないことは現実的ではありません。
上に挙げたように評価観や目標管理を工夫したり、燃え尽き症候群に陥りそうな従業員を早期に発見する工夫を取り入れたりして、組織的な対策を行っていくのがおすすめです。
とはいえ、組織的に燃え尽き症候群を予防・対策しようとしても、間に合わなかったり、抜け・漏れが発生したりして不完全になりやすい点は拭いきれません。そこで、燃え尽き症候群の対策を行い、燃え尽き症候群で重要な戦力を失ったりしないためにツールを用いることも一案です。燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候を察知するなら「ミイダス組織サーベイ」42万4,950社(2022年12月時点)が導入し、採用からマネジメント、育成まで一貫して人事をサポートする「ミイダス」では、「ミイダス組織サーベイ」を提供しています。
毎月簡単なアンケートを実施するだけで、社員やチームのコンディションをカテゴリ別に可視化できます。
組織サーベイについて詳しく見る
また、一人ひとりの傾向や特徴をより深く分析できるコンピテンシー診断と組み合わせることで、燃え尽き症候群の未然防止はもちろん、メンバーの強みを伸ばすことにもつながります。
ミイダスご契約企業様には無料でご活用いただける「コンピテンシー活用講座」のダイジェスト動画もあわせてご覧ください。
コンピテンシー活用講座について詳しく見る健康経営優良法人認定の取得支援サービスについて
また、従業員一人ひとりを大切にする企業は社会的にも見直されており、健康経営優良法人の認定を受ける動きも高まっています。
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組織サーベイとあわせて、燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候を見出すには、「はたらきがいサーベイ」も役立ちます。
「はたらきがいサーベイ」では、はたらく人のエンゲージメントをアンケートを通して集計し、従業員満足度や貢献意欲などを数値で分析。会社の「はたらきがい」を正確に算定できます。
はたらきがいを構成する13の要素から、自社がはたらきがいを引き出す環境をつくれているかどうかも定量的に評価可能です。「はたらく人ファーストアワード2023」開催
朝日新聞社とミイダスの共催で「はたらく人ファーストアワード2023」が開催します。これは、「はたらく人ファースト」を行っている企業を称え、その取り組みを発信していくことで、「はたらく人ファースト」な働き方を推進していくものです。
従業員の声に耳を傾け、燃え尽き症候群を予防する取り組みはまさに「はたらく人ファースト」につながります。
「はたらく人ファースト宣言」に賛同し、「はたらきがいサーベイ」を実施することで応募できます。
はたらきがいサーベイはどなたでも無料で利用可能です。はたらきがいサーベイを活用して企業のブランド価値を高めるアワードにぜひご参加ください。
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MBIを「日本版バーンアウト尺度」として日本の現状に即すように変更を加えたものが、以下の通りです。面談の場では、これらの項目で従業員が燃え尽き症候群を起こすバーンアウトの状態にないか確認できます。
情緒的消耗感 | ・こんな仕事、もうやめたいと思うことがある ・1 日の仕事が終わると 「やっと終わった」 と感じることがある ・出勤前、職場に出るのが嫌になって、家にいたいと思うことがある ・仕事のために心にゆとりがなくなったと感じることがある ・体も気持ちも疲れ果てたと思うことがある |
脱人格化 | ・こまごまと気配りすることが面倒に感じることがある ・同僚や患者の顔を見るのも嫌になることがある ・自分の仕事がつまらなく思えてしかたのないことがある ・同僚や患者と、何も話したくなくなることがある ・仕事の結果はどうでもよいと思うことがある ・今の仕事は、私にとってあまり意味がないと思うことがある |
個人的達成感の低下 (右記の項目に当てはまらない) | ・われを忘れるほど仕事に熱中することがある ・この仕事は私の性分に合っていると思うことがある ・仕事を終えて、今日は気持ちのよい日だったと思うことがある ・今の仕事に、心から喜びを感じることがある ・仕事が楽しくて、知らないうちに時間がすぎることがある ・われながら仕事をうまくやり終えたと思うことがある |
面談の機会を設け、本人に無理のない範囲で問いかけたり、紙にチェックしてもらったりして活用すれば、燃え尽き症候群に至る前に早期発見できる可能性が高まります。
燃え尽き症候群の症状の項で紹介した状態に至る前に周りがいち早く兆候に気づき、早めに対処するには以下に注意しましょう。
残業が続いている場合は早めに帰らせたり、話を聞いてあげたりすることでストレスの原因を聞き出せるでしょう。
しかし、これらは一時的な対処であり、根本的な解決にはつながりません。そこで、組織として燃え尽き症候群を予防するために以下のような対策を行いましょう。
組織として取り組めるバーンアウト対策を4つ紹介します。
- 誰でも意見を言える環境を作る
- メンター制度や1on1などを取り入れる
- 表彰制度などを取り入れる
- 健康経営を心がける
それぞれ詳しく見ていきます。
誰でも意見を言える環境を作る
燃え尽き症候群を防ぐためには、誰でも意見を言える職場環境を作ることが大切です。
燃え尽き症候群の原因として先ほど挙げた「コントロールの不足」や「コミュニティの不足」は、意見を言いづらい環境から生まれます。意見を言いやすい環境を作るには、各個人が相手を尊重し、立場に関係なく意見を受け入れる姿勢が重要です。
たとえば、部下から上司へだけでなく、上司から部下へも積極的にあいさつをしたり、部下から質問があるときに作業の手を止めて話を聞いたりするなど、普段の行動から変えることができます。
誰でも意見を言えて、それを罰せられることなく受け入れてもらえる環境では、必要以上に緊張してコミュニケーションをとったり理解されない虚しさを感じたりすることがあまりありません。したがって、燃え尽き症候群の入口にある「情緒的消耗感」を抱かずに済むのです。
従業員が不満に感じていることを伝えやすいように、普段からお互いを尊重したカルチャーをつくりましょう。
燃え尽き症候群の原因として先ほど挙げた「コントロールの不足」や「コミュニティの不足」は、意見を言いづらい環境から生まれます。意見を言いやすい環境を作るには、各個人が相手を尊重し、立場に関係なく意見を受け入れる姿勢が重要です。
たとえば、部下から上司へだけでなく、上司から部下へも積極的にあいさつをしたり、部下から質問があるときに作業の手を止めて話を聞いたりするなど、普段の行動から変えることができます。
誰でも意見を言えて、それを罰せられることなく受け入れてもらえる環境では、必要以上に緊張してコミュニケーションをとったり理解されない虚しさを感じたりすることがあまりありません。したがって、燃え尽き症候群の入口にある「情緒的消耗感」を抱かずに済むのです。
従業員が不満に感じていることを伝えやすいように、普段からお互いを尊重したカルチャーをつくりましょう。
メンター制度や1on1などを取り入れる
メンター制度や1on1など、従業員と離す機会を強制的に作るような制度の導入も、コミュニケーションの円滑化につながります。
とくにメンター制度では、直属の上司ではなく、普段の業務ではあまり関わりがない人をメンターとするのが良いでしょう。悩みを一人で抱え込まず相談してもらえるため、燃え尽き症候群に至る前に問題を解決できます。
定期的にコミュニケーションを取ることで、普段との違いにも気づきやすくなります。先ほど紹介した燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候にも気づきやすくなるはずです。
メンター制度について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【メンター制度の導入で得られる効果やデメリット、制度を成功させるポイントを解説】
とくにメンター制度では、直属の上司ではなく、普段の業務ではあまり関わりがない人をメンターとするのが良いでしょう。悩みを一人で抱え込まず相談してもらえるため、燃え尽き症候群に至る前に問題を解決できます。
定期的にコミュニケーションを取ることで、普段との違いにも気づきやすくなります。先ほど紹介した燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候にも気づきやすくなるはずです。
メンター制度について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【メンター制度の導入で得られる効果やデメリット、制度を成功させるポイントを解説】
表彰制度などを取り入れる
表彰制度を取り入れることで、燃え尽き症候群の原因となる「報酬の不足」や「不公平感」に対処できます。表彰制度は全従業員の前で大々的に成果を評価されるため、チームとして成果を祝うカルチャーの醸成にもつながります。
ただし、分かりやすく成果を上げている人だけでなく、分かりにくいけれど縁の下の力持ちとして活動している人にも表彰の機会を与えることに気をつけましょう。
表彰制度にいくつかの部門を設け、普段は隠れているチームにスポットライトを当てることがおすすめです。表彰されることで、従業員は「賞賛」という形で報酬を得られ、燃え尽き症候群の予防につながります。
ただし、分かりやすく成果を上げている人だけでなく、分かりにくいけれど縁の下の力持ちとして活動している人にも表彰の機会を与えることに気をつけましょう。
表彰制度にいくつかの部門を設け、普段は隠れているチームにスポットライトを当てることがおすすめです。表彰されることで、従業員は「賞賛」という形で報酬を得られ、燃え尽き症候群の予防につながります。
健康経営を心がける
組織全体として健康経営を心がけることも燃え尽き症候群予防に効果的です。健康経営とは、従業員の健康を優先事項として組織的に取り組む経営を指します。
経済産業省も提唱している経営方法で、健康経営の認定制度もあります。従業員が身体的・心理的に健康的な組織では、労働生産性が上がり、長期休業者も減少するためコストも減少すると言われています。
燃え尽き症候群を予防し、従業員が心身ともに健康的に働けるように、以下のような施策を実施できるでしょう。
経済産業省も提唱している経営方法で、健康経営の認定制度もあります。従業員が身体的・心理的に健康的な組織では、労働生産性が上がり、長期休業者も減少するためコストも減少すると言われています。
燃え尽き症候群を予防し、従業員が心身ともに健康的に働けるように、以下のような施策を実施できるでしょう。
- 朝礼でラジオ体操をする
- アプリで歩数を計測する
- リモートでも参加できるヨガ教室などを行う
- 健康をサポートするオフィス器具を取り入れる
採用時に燃え尽き症候群(バーンアウト)のリスクを見極められるのか前項では燃え尽き症候群(バーンアウト)への組織的対策を紹介しました。
ところで、燃え尽き症候群に陥りやすい原因には、仕事における心身への過重負担(環境要因)以外に、個人要因もあることを確認しました。
「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」といった個人要因も燃え尽き症候群を引き起こす原因になるため、「そもそもこういった個人要因を持つ人材を採用しなければ良いのではないか」と考えるかもしれません。
確かに、コンピテンシー診断などのアセスメントツールを活用し、個人要因を見極めることができれば、燃え尽き症候群リスクの高い人材の採用を回避できます。
しかし、燃え尽き症候群を起こしやすい個人要因は、丁寧に人間関係を構築し、円滑に業務を行ううえでは強みになります。顧客の喜ぶ質の高いサービスを提供し、業務遂行に必要な能力を備えているとも考えられるのです。したがって、燃え尽き症候群のリスクが高いからといって採用しないことは現実的ではありません。
上に挙げたように評価観や目標管理を工夫したり、燃え尽き症候群に陥りそうな従業員を早期に発見する工夫を取り入れたりして、組織的な対策を行っていくのがおすすめです。
とはいえ、組織的に燃え尽き症候群を予防・対策しようとしても、間に合わなかったり、抜け・漏れが発生したりして不完全になりやすい点は拭いきれません。そこで、燃え尽き症候群の対策を行い、燃え尽き症候群で重要な戦力を失ったりしないためにツールを用いることも一案です。燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候を察知するなら「ミイダス組織サーベイ」42万4,950社(2022年12月時点)が導入し、採用からマネジメント、育成まで一貫して人事をサポートする「ミイダス」では、「ミイダス組織サーベイ」を提供しています。
毎月簡単なアンケートを実施するだけで、社員やチームのコンディションをカテゴリ別に可視化できます。
組織サーベイについて詳しく見る
また、一人ひとりの傾向や特徴をより深く分析できるコンピテンシー診断と組み合わせることで、燃え尽き症候群の未然防止はもちろん、メンバーの強みを伸ばすことにもつながります。
ミイダスご契約企業様には無料でご活用いただける「コンピテンシー活用講座」のダイジェスト動画もあわせてご覧ください。
コンピテンシー活用講座について詳しく見る健康経営優良法人認定の取得支援サービスについて
また、従業員一人ひとりを大切にする企業は社会的にも見直されており、健康経営優良法人の認定を受ける動きも高まっています。
ミイダスでは健康経営優良法人認定を最速で叶える「健康経営優良法人認定取得支援サービス」もミイダス定額プランに含まれ無料でご利用いただけます。
健康経営優良法人認定取得支援サービスについて詳しく見るはたらきがいサーベイについて
組織サーベイとあわせて、燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候を見出すには、「はたらきがいサーベイ」も役立ちます。
「はたらきがいサーベイ」では、はたらく人のエンゲージメントをアンケートを通して集計し、従業員満足度や貢献意欲などを数値で分析。会社の「はたらきがい」を正確に算定できます。
はたらきがいを構成する13の要素から、自社がはたらきがいを引き出す環境をつくれているかどうかも定量的に評価可能です。「はたらく人ファーストアワード2023」開催
朝日新聞社とミイダスの共催で「はたらく人ファーストアワード2023」が開催します。これは、「はたらく人ファースト」を行っている企業を称え、その取り組みを発信していくことで、「はたらく人ファースト」な働き方を推進していくものです。
従業員の声に耳を傾け、燃え尽き症候群を予防する取り組みはまさに「はたらく人ファースト」につながります。
「はたらく人ファースト宣言」に賛同し、「はたらきがいサーベイ」を実施することで応募できます。
はたらきがいサーベイはどなたでも無料で利用可能です。はたらきがいサーベイを活用して企業のブランド価値を高めるアワードにぜひご参加ください。
はたらきがいサーベイについて詳しく見る
はたらく人ファーストアワード2023に応募する
ところで、燃え尽き症候群に陥りやすい原因には、仕事における心身への過重負担(環境要因)以外に、個人要因もあることを確認しました。
「ひたむきさ」や「他人と深くかかわろうとする姿勢」といった個人要因も燃え尽き症候群を引き起こす原因になるため、「そもそもこういった個人要因を持つ人材を採用しなければ良いのではないか」と考えるかもしれません。
確かに、コンピテンシー診断などのアセスメントツールを活用し、個人要因を見極めることができれば、燃え尽き症候群リスクの高い人材の採用を回避できます。
しかし、燃え尽き症候群を起こしやすい個人要因は、丁寧に人間関係を構築し、円滑に業務を行ううえでは強みになります。顧客の喜ぶ質の高いサービスを提供し、業務遂行に必要な能力を備えているとも考えられるのです。したがって、燃え尽き症候群のリスクが高いからといって採用しないことは現実的ではありません。
上に挙げたように評価観や目標管理を工夫したり、燃え尽き症候群に陥りそうな従業員を早期に発見する工夫を取り入れたりして、組織的な対策を行っていくのがおすすめです。
とはいえ、組織的に燃え尽き症候群を予防・対策しようとしても、間に合わなかったり、抜け・漏れが発生したりして不完全になりやすい点は拭いきれません。そこで、燃え尽き症候群の対策を行い、燃え尽き症候群で重要な戦力を失ったりしないためにツールを用いることも一案です。
42万4,950社(2022年12月時点)が導入し、採用からマネジメント、育成まで一貫して人事をサポートする「ミイダス」では、「ミイダス組織サーベイ」を提供しています。
毎月簡単なアンケートを実施するだけで、社員やチームのコンディションをカテゴリ別に可視化できます。
組織サーベイについて詳しく見る毎月簡単なアンケートを実施するだけで、社員やチームのコンディションをカテゴリ別に可視化できます。
また、一人ひとりの傾向や特徴をより深く分析できるコンピテンシー診断と組み合わせることで、燃え尽き症候群の未然防止はもちろん、メンバーの強みを伸ばすことにもつながります。
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健康経営優良法人認定の取得支援サービスについて
また、従業員一人ひとりを大切にする企業は社会的にも見直されており、健康経営優良法人の認定を受ける動きも高まっています。
ミイダスでは健康経営優良法人認定を最速で叶える「健康経営優良法人認定取得支援サービス」もミイダス定額プランに含まれ無料でご利用いただけます。
健康経営優良法人認定取得支援サービスについて詳しく見るミイダスでは健康経営優良法人認定を最速で叶える「健康経営優良法人認定取得支援サービス」もミイダス定額プランに含まれ無料でご利用いただけます。
はたらきがいサーベイについて
組織サーベイとあわせて、燃え尽き症候群(バーンアウト)の兆候を見出すには、「はたらきがいサーベイ」も役立ちます。
「はたらきがいサーベイ」では、はたらく人のエンゲージメントをアンケートを通して集計し、従業員満足度や貢献意欲などを数値で分析。会社の「はたらきがい」を正確に算定できます。
はたらきがいを構成する13の要素から、自社がはたらきがいを引き出す環境をつくれているかどうかも定量的に評価可能です。
「はたらきがいサーベイ」では、はたらく人のエンゲージメントをアンケートを通して集計し、従業員満足度や貢献意欲などを数値で分析。会社の「はたらきがい」を正確に算定できます。
はたらきがいを構成する13の要素から、自社がはたらきがいを引き出す環境をつくれているかどうかも定量的に評価可能です。
「はたらく人ファーストアワード2023」開催
朝日新聞社とミイダスの共催で「はたらく人ファーストアワード2023」が開催します。これは、「はたらく人ファースト」を行っている企業を称え、その取り組みを発信していくことで、「はたらく人ファースト」な働き方を推進していくものです。
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