人材アセスメントラボ - いちばん新しくていちばん詳しいHRマガジン

メルマガ購読はこちら
人材アセスメント

【具体例あり】確証バイアスとは?発生原因から弊害、対策を解説

確証バイアスとは、自分が持っている偏見や先入観を肯定するために、都合の良い情報ばかりを集めてしまいやすい傾向のことです。確証バイアスが強いと、プライベートはもちろんビジネスシーンでも悪影響が発生する恐れがあります。

たとえば人事部で働いている場合、確証バイアスが強いと差別的な言動をしてしまいハラスメントに発展してしまったり、適切な人事異動や人材採用を行いにくくなったりしてしまいかねません。

そこで本記事では、確証バイアスが発生する原因や対処法を紹介しています。バイアスによりビジネスへの悪影響を避けたい方は、ぜひ最後までお読みください。

なお、バイアスは性別・年齢を問わず発生する可能性があるものですが、年代によってバイアスの傾向に差が生まれます。どのような差があるのかまとめた資料は下記から無料でダウンロードできますので、参考にしてみてください。

【無料ダウンロード】20代は評価を気にしやすい?年代別のバイアスの傾向とは

確証バイアスの定義

「バイアス」の文字列
確証バイアスとは、自分の仮説や信念を肯定するため、都合の良い情報ばかりを集め、反対の情報を無視・軽視する認知の偏りのことです。認知心理学などで用いられる用語で、英語では「Confirmation Bias」と表記されます。

日常生活での確証バイアスの例

まずは、身近な日常生活シーンでの確証バイアスについて見てみましょう。

たとえば、「血液型が○○型の人は大雑把だ」という先入観があると、大雑把な行動には「やはりそうだ」と注目する一方、几帳面な行動は見過ごしがちになります。

ほかにも、商品の高評価レビューばかりを参考にしたり、SNSで自分の意見に合う投稿だけに「いいね」を押し、タイムラインを自分好みの情報で埋め尽くしたりするのも、確証バイアスの一例です。

ビジネスでの確証バイアスの例

ビジネスシーンでも、確証バイアスは頻繁に起こります。たとえば、新事業の推進者が「この事業は成功する」と信じていると、成功を裏付けるデータばかりを集め、リスクを示す情報を軽視しがちです。

採用面接でも、面接官が応募者に「優秀そうだ」という第一印象を持つと、その印象を補強する長所に関する質問に偏り、懸念点を探る質問をしなくなる傾向があります。このように、確証バイアスは合理的な判断を妨げ、機会損失や誤った意思決定につながる危険性があります。

確証バイアスが発生する原因

疑問を浮かべている男性
確証バイアスが発生する原因を紹介します。

自分を正当化するため

原因の一つに、自分の考えを正当化したい心理があります。人は、信念と行動の矛盾から生じる不快感、すなわち「認知的不協和」を解消しようとします。このような心理的負担を避けるため、自分の決定が正しかったと思える証拠(都合の良い情報)を無意識に探し、反対の情報を軽視する結果、確証バイアスが生じやすくなるのです。

先入観や固定観念が強いため

確証バイアスの原因として、無意識に形成された先入観や固定観念が挙げられます。「若者は忍耐力がない」「有名大学の出身者は仕事ができる」といった思い込みが強ければ、それを支持する情報ばかりに目が向き、反する情報を無視しがちです。結果的に、客観的な判断が難しくなり、誤った意思決定につながる可能性があります。

分かりやすい結論を好むため

人は複雑な情報処理を避け、少ない労力で素早く結論を出そうとする「認知の経済性」という性質を持っています。そのため、問題に直面すると、多角的な検証を省略し、自分の仮説に合う情報だけを集めて手早く結論を出そうとしがちです。この「思考のショートカット」が、客観的な視点を欠いた確証バイアスを生む一因となるのです。

確証バイアスへの対処法

バイアスから解放されたビジネスパーソン
「もしかして私、確証バイアスを持っているかも……」と思った方に向けて、対処法を紹介します。

自分のバイアスについて認知する

自分が強く持っているバイアスを把握し理解を深めることで、バイアスによる悪影響を軽減しやすくなります。

自分の中にあるバイアスについて理解を深めておくと、物事を決めるときにバイアスの影響に気づきやすくなるものです。

たとえば、採用活動においてAさんが良いと思っているのに他の面接官の人はBさんが良いといった場合、「自分がバイアスのかかった評価をしていないか」と認知の歪みに気づきやすくなります。

「自分はバイアスを持っている」と認知することが、誤った意思決定をくだしてしまうリスクの軽減につながります。

人の意見に耳を傾ける

確証バイアスに流されないためには、人の意見に耳を傾けることが大切です。他の人の意見に冷静に耳を傾けることで、自分の中のバイアスに気づいたり、新しい発想を得るきっかけになったりします。

採用活動の場合、他の面接官の意見を聞いたうえで誰を採用するか、自分のバイアスにとらわれず考えることが大切です。

固定観念の原因を考える

「自分はなぜそのような固定観念を持っているのだろう」と振り返ってみることも、確証バイアスに気づいて見直すうえで大切になります。固定観念は過去の生活環境や成功、失敗した経験が作っているものです。

なぜ今そのような固定観念を持っているのか、その原因を深掘りして理解することで確証バイアスの影響を軽減しやすくなります。

過去の成功例をあてにしすぎない

確証バイアスの影響を軽減する考え方の一つは、過去の成功例を盲信しすぎないことです。過去にうまくいったからと言って未来も同じやり方でうまくいくとは限りません。

たとえば採用活動の場合、以前は「転職希望者が自社に応募してくるもの」だったのが、最近はただ待っているだけでは良い人を採用できないケースもあります。

データや数字を根拠にする

確証バイアスを防ぐ方法の一つとして、信頼感のあるデータや具体的な数字を根拠にすることが大切です。「なんとなくこれが正しいはずだ」といった思い込みが正しいかどうかは、具体的なデータをもとに判断できます。

ただし、データがなければ判断がしづらくなります。たとえば採用活動においては、過去に実施した採用活動のデータを保管しておくと、将来見直しをするときに参考となるでしょう。

確証バイアスによる人事業務への悪影響

バイアスに悩まされているビジネスパーソン
確証バイアスは、客観性が求められる人事業務に特に悪影響を及ぼします。

たとえば、採用面接では「有名大学出身者は優秀だ」という先入観から候補者の長所ばかりを探し、ミスマッチな人材を採用するリスクがあります。人事評価では、上司が「仕事ができる」と期待する部下の成功体験を過大評価し、他の部下の貢献を見過ごすなど、不公平な評価につながりかねません。

このように、確証バイアスは採用の失敗や従業員のモチベーション低下を招く原因となるのです。

確証バイアスに対処するならミイダス

ミイダスの紹介
ここまで確証バイアスの原因や影響をみてきましたが、実際に、確証バイアスを持っているかどうか判断するのは難しいものです。そんなときには、自身で確証バイアスをはじめとするバイアスが強いかどうかを把握できる、ミイダスの「バイアス診断ゲーム」をご活用ください。

バイアス診断ゲームでは、仕事の意思決定の質を歪めるバイアスを計測できます。

バイアス診断ゲームでできることは以下のとおりです。
  • 自分の認知バイアスの強さが分かり、バイアスがかかっていないか注意しやすくなる
  • バイアス診断ゲーム研修講座では、診断結果に基づいた解説動画を視聴できる
自分の持っているバイアスの強さが分かれば「いまバイアスに陥っているかもしれない」と気づきやすくなり、不合理な判断を避けやすくなるでしょう。バイアス診断ゲームのサービス詳細は以下をご確認ください。

バイアス診断ゲームについて詳しく見る

また、ミイダスでは、年代別にどのようなバイアスの傾向があるのかまとめた、無料のお役立ち資料をご用意しています。年代によって強い・弱いといったバイアスの傾向を確認できるため、気になった方はぜひ無料でダウンロードしてください。

【無料ダウンロード】20代は評価を気にしやすい? 年代別のバイアスの傾向とは

確証バイアスが強い人の特徴

ここからは、確証バイアスが強い人に多く当てはまる特徴を紹介していきます。あなたの職場に下記の特徴に当てはまる人がいる場合、周りの従業員へ悪影響を与えるような言動をしていないか、注意して観察したほうが良いかもしれません。
  • 自分が正しいと強く思っており、第一印象で物事を判断してしまいやすい
  • 同じ意見の人とばかり付き合い、反対意見の人とは話をしない
  • 自分の考えとは異なるネガティブな情報を軽視する
  • 失敗したときに、他人や外部環境に原因を求める「他責思考」をする
  • 部下への評価が偏っている など
上記の傾向が強い人は、強い確証バイアスを持っている可能性があります。このような状況を放置すると、従業員のモチベーション低下や離職者の増加、意思決定の質低下、といった問題を招いてしまいかねません。早めに現状を把握して対処しましょう。

たとえば確証バイアスが強い人がいる場合、その周りにいる従業員は強いストレスを感じている可能性があります。そのため定期的にストレス診断を実施することが大切です。強いストレスを感じている従業員を発見した場合は、その人の周りに強い確証バイアスを持っている人がいるかもしれません。

このような方法で、確証バイアスが強い人を効率的に洗い出していく、といった方法が効果的です。ストレス分析の進め方などをまとめたお役立ち資料は、以下より無料でダウンロードできます。確証バイアスが強い人を洗い出す際の参考になるはずなので、ぜひダウンロードしてください。

【無料ダウンロード】部下の生産性を向上させるストレス分析とは

確証バイアスにはポジティブな側面もある

実は、確証バイアスには、ネガティブなことだけでなく以下のようなポジティブな側面もあるのです。
  • 自己肯定感が高まり、自信を持って仕事に取り組める
  • 精神的に安定しやすくなる
  • 成功するための具体的なイメージを持ちやすく行動に移しやすい
「自信過剰」と言われてしまうかもしれませんが、確証バイアスが強い人は自分の考えに対してかなり自信を持っているため自己肯定感が高く、仕事にも熱心に取り組みやすいと考えられます。また、自己肯定感が高いため、精神的にも安定しやすいのもメリットです。

さらに、正しいかどうかは別として「こうすればうまくいくはずだ」という強い考えを持っているため、自分の考えにもとづいて行動を起こしやすいのも特徴です。考えが正しければ、成功しやすい人と言えるでしょう。

確証バイアスについて理解を深めて適切に対処しよう

雰囲気の良いチーム
本記事では確証バイアスについて解説しました。ここで紹介した内容をまとめます。
  • 確証バイアスが強いと、ビジネスでも日常生活でも悪影響が発生しやすい
  • 批判的に物事をみたり人から意見を聞いたりすることが、確証バイアス対策としておすすめ
  • 確証バイアスに限らず、バイアスはビジネスに悪影響を与えやすい
確証バイアスは誰でもある程度持っているものですが、強いバイアスを持っていると非合理的な判断を下しやすくなってしまい、ビジネスの弊害となりかねません。この機会に、ご自身や社内の人が持っているバイアスを理解し、バイアスに陥らないよう心がけることが大切です。

年代によって特定のバイアスが強い・弱いといった傾向があります。どのような傾向があるのか、調査結果をまとめた資料は下記から無料ダウンロードできます。バイアスについて理解を深めたい方はぜひチェックしてください。

【無料ダウンロード】20代は評価を気にしやすい?年代別のバイアスの傾向とは

採用支援システム「ミイダス」が提供するバイアス診断ゲームを活用すれば、従業員が持っているバイアスを個別に診断できます。バイアス診断ゲームには、診断結果に応じた解説動画「バイアス診断ゲーム研修講座」も用意されています。「1講座15分で視聴できる」「会話風のストーリー調で解説されるため理解しやすい」といった特徴があるため、ぜひチェックしてください。

バイアス診断ゲーム研修講座について詳しく見る

ミイダスは自社にフィットする人材を
特定して
アプローチ
できる
「アセスメントリクルーティング」
採用ツールです。

まずは無料トライアルをお試しください。

アカウントを登録して「ミイダス 人材・カルチャー分析」機能を利用する

※アカウントの登録及びご登録後の「ミイダス 人材・カルチャー分析」機能のご利用は無料です。

タグから探す

資料ダウンロード

セミナー情報

関連情報

人気記事ランキング

こちらの記事もオススメ

ミイダスなら人材領域の課題をスマートに解決できる機能が充実!

無料でミイダスの機能を
お試しいただけます

人材アセスメントお役立ち資料をダウンロード

お役立ち資料を
ダウンロードしてみる

人材アセスメントを実践したい方必見!
無料