記事を動画で解説
「思考停止ワード」で課題をうやむやにしないために人も組織も可視化が必要
組織にはどのような問題がありますか?この問いに対して、組織を預かるマネジャーからは「離職が止まらない」「人材が定着しない」、「せっかく採用した人材が期待通りのパフォーマンスではなかった」といった声がよく聞かれます。
確かにこのような問題は多いようですが、一方でその理由として「ウチの風土に合わなかった」「組織内のコミュニケーションが悪い」という、言葉だけではわかったような、わからないような…いわゆる「思考停止ワード」が理由にあげられることもあります。あるいは、「我が社のエンゲージメントを向上させるべきだ」「組織風土の改革に取り組むべき」といった、それだけではなかなか具体的なアクションが見えにくい「べき論」だけが語られこともあるようです。
これら人や組織の問題(主に人材の採用、定着、離職など)に対しては、思考停止ワードによってうやむやにされ、これが課題だ!と明確に特定されていないことが多く、結局は解決に至っていないことが多いのですが、その理由は人や組織の現状を正しく把握できていないことに尽きます。つまり現状を把握できていないので、何が課題であり、どうすれば解決できるのかが見えないのです。
現状の把握は、可視化(見える化)されていることが必要です。可視化とは、客観的な事実として定量的に表現されていることであり、そのことによってはじめて「現状を把握できた」といえます。
可視化のためには、概念的なものではなく共通の物差しが必要となってきます。共通の物差しによって、
・組織の状態を可視化
・組織の状態をつくっている社員の思考や行動(風土)の可視化
が可能になってきます。
このように組織の状態や、風土が可視化されることによって、たとえば「採用候補者が、我が社の風土に合うかどうか」「我が社の組織の現状は、活性化しているのか、していないのか」といった解釈に合意形成がなされ、組織の課題解決へと進むことができるのです。
アセスメントとは人材アセスメントと組織アセスメント
共通の物差しとして役に立つのが「アセスメント」の考え方です。アセスメントとは、簡単にいえば、数値に置き換える、あるいは集計や計算などによって客観的な基準に基づいた調査を行い、バイアスのない評価を導き出すことをいいます。
アセスメントは様々な領域で使われており、たとえば介護であれば、体温や血圧・脈などのデータなどの情報や、患者が感じている痛みや不安などの情報を、患者の状態として数値化し、分析・評価することを指します。
環境の場合のアセスメントは、何かしらの事業を行う際に、環境にどのような影響や負荷を与えるのかを計測し、その対策について事前に検討しておくことをいいます。大規模な建築物を建てることによって周辺の風や気象の変化を予測したり、ゴルフ場などの大規模な土地開発などによる自然環境への影響を測るなど、環境に対してどれほどのダメージ・影響を与えるのかを事前に分析・評価するのが環境アセスメントです。
これらの使い方と同様に、人や組織を対象に行うアセスメントを、人材アセスメント、組織アセスメントといいます。
組織内で働く人材の特徴、適性を把握したうえで、活躍できるような環境に配置するのが理想です。たとえば、数字責任や課題がハードな仕事環境には、高いバイタリティを持つ特徴の人材が向いているでしょうし、完結型作業の多い仕事環境では、ルーティンや孤独に強い特徴を持つ人材が向いているでしょう。
このように、人材の思考特性や特徴を客観的な基準に基づいて、評価することを「人材アセスメント」と呼びます。
また、同様に風土や組織体質を可視化することを「組織アセスメント」と呼びます。組織アセスメントによって
・組織にどのような特徴を持った人材が在籍し、どのような風土をつくっているか?
・どのような環境に強みを発揮する組織なのか?
・どのような環境に弱い組織なのか?
といったことが可視化されます。
このように、組織アセスメントによって、たとえば新しく加わる人材や、配属される人材が、その組織・環境にどの程度フィットするのか、といった分析も可能になってきます。
アセスメントが全てのスタート人事分野における人材アセスメントは一般的になりつつあります。近年はアセスメントが優劣をつける意味の評価ではなく、人の適性・特徴を可視化する意味での評価であるという、正しい認識が広がり、多くの組織で積極的にアセスメントを活用していく傾向にあります。また最近では、組織における人材の捉え方についても量的な人材の確保ではなく、質的な人材確保へとシフトし、人材の特性・特徴をよく理解し、判断したうえでの採用や人材配置が重要になってきています。これらの材料としてもアセスメントは非常に重要になってきています。
アセスメントには「人材アセスメント」と「組織アセスメント」がありますが、人材アセスメントは客観的な基準としてアセスメントツールを活用することが多く、採用面接で用いられている「適性検査」などもその代表的な例です。採用のミスマッチ防止や管理能力の診断などにも、人材アセスメントは用いられています。
その一方で、配置・アサインする「人」のアセスメントだけではなく、配属される「組織」に対しても何らかの客観的な評価が必要になってきます。そのため、組織の持つ特徴や特性をしっかりと診断しようという意味で、組織アセスメントにも注目が集まってきています。
このように「人材アセスメント」と「組織アセスメント」がなされて、はじめて現状を把握することが可能となり、適材適所が実現されるための情報が得られるということになります。逆にいえば、「人材の特徴」と「組織の特徴」の双方が共通の「ものさし」で明確に把握できていないと、適正に採用や異動・配置の判断ができず、また、異動・配置の理由が曖昧にならざるを得なくなってしまいます。
冒頭のような離職が多い、あるいは人材が定着しない、といった現象面だけを捉えて、その打ち手を考える前に、まずは組織にどのような特徴の人材が多いのか、自社にはどのような特徴の人材に向き不向きの場があるのか、人や組織のアセスメントを通じた現状の把握に努めることが全てのスタートだといえるでしょう。
繰り返しますが、アセスメントはあくまでも良い悪いの評価ではなく、特徴を客観的事実として評価するということです。「個々人にどのような職務特性、性格的な特徴、ストレス要因や耐性があるのか」、「組織(および組織の構成員)はどのような特徴や環境にあるのか」その双方を、事実として机上に乗せることによって、課題がクリアになり、マネジメントや採用の具体的な対策へ繋がってくるのです。
まとめ- 人も組織も、バイアスのない評価をすることによって現状把握ができる
- アセスメントは、現状把握のための有効な手段であり、状態を可視化することができる
- 個々人の特徴や強みを可視化する、人材アセスメント
- 組織全体や職場の状態を可視化する、組織アセスメント
確かにこのような問題は多いようですが、一方でその理由として「ウチの風土に合わなかった」「組織内のコミュニケーションが悪い」という、言葉だけではわかったような、わからないような…いわゆる「思考停止ワード」が理由にあげられることもあります。あるいは、「我が社のエンゲージメントを向上させるべきだ」「組織風土の改革に取り組むべき」といった、それだけではなかなか具体的なアクションが見えにくい「べき論」だけが語られこともあるようです。
これら人や組織の問題(主に人材の採用、定着、離職など)に対しては、思考停止ワードによってうやむやにされ、これが課題だ!と明確に特定されていないことが多く、結局は解決に至っていないことが多いのですが、その理由は人や組織の現状を正しく把握できていないことに尽きます。つまり現状を把握できていないので、何が課題であり、どうすれば解決できるのかが見えないのです。
現状の把握は、可視化(見える化)されていることが必要です。可視化とは、客観的な事実として定量的に表現されていることであり、そのことによってはじめて「現状を把握できた」といえます。
可視化のためには、概念的なものではなく共通の物差しが必要となってきます。共通の物差しによって、
・組織の状態を可視化
・組織の状態をつくっている社員の思考や行動(風土)の可視化
が可能になってきます。
このように組織の状態や、風土が可視化されることによって、たとえば「採用候補者が、我が社の風土に合うかどうか」「我が社の組織の現状は、活性化しているのか、していないのか」といった解釈に合意形成がなされ、組織の課題解決へと進むことができるのです。
人材アセスメントと組織アセスメント
共通の物差しとして役に立つのが「アセスメント」の考え方です。アセスメントとは、簡単にいえば、数値に置き換える、あるいは集計や計算などによって客観的な基準に基づいた調査を行い、バイアスのない評価を導き出すことをいいます。
アセスメントは様々な領域で使われており、たとえば介護であれば、体温や血圧・脈などのデータなどの情報や、患者が感じている痛みや不安などの情報を、患者の状態として数値化し、分析・評価することを指します。
環境の場合のアセスメントは、何かしらの事業を行う際に、環境にどのような影響や負荷を与えるのかを計測し、その対策について事前に検討しておくことをいいます。大規模な建築物を建てることによって周辺の風や気象の変化を予測したり、ゴルフ場などの大規模な土地開発などによる自然環境への影響を測るなど、環境に対してどれほどのダメージ・影響を与えるのかを事前に分析・評価するのが環境アセスメントです。
これらの使い方と同様に、人や組織を対象に行うアセスメントを、人材アセスメント、組織アセスメントといいます。
組織内で働く人材の特徴、適性を把握したうえで、活躍できるような環境に配置するのが理想です。たとえば、数字責任や課題がハードな仕事環境には、高いバイタリティを持つ特徴の人材が向いているでしょうし、完結型作業の多い仕事環境では、ルーティンや孤独に強い特徴を持つ人材が向いているでしょう。
このように、人材の思考特性や特徴を客観的な基準に基づいて、評価することを「人材アセスメント」と呼びます。
また、同様に風土や組織体質を可視化することを「組織アセスメント」と呼びます。組織アセスメントによって
・組織にどのような特徴を持った人材が在籍し、どのような風土をつくっているか?
・どのような環境に強みを発揮する組織なのか?
・どのような環境に弱い組織なのか?
といったことが可視化されます。
このように、組織アセスメントによって、たとえば新しく加わる人材や、配属される人材が、その組織・環境にどの程度フィットするのか、といった分析も可能になってきます。
アセスメントは様々な領域で使われており、たとえば介護であれば、体温や血圧・脈などのデータなどの情報や、患者が感じている痛みや不安などの情報を、患者の状態として数値化し、分析・評価することを指します。
環境の場合のアセスメントは、何かしらの事業を行う際に、環境にどのような影響や負荷を与えるのかを計測し、その対策について事前に検討しておくことをいいます。大規模な建築物を建てることによって周辺の風や気象の変化を予測したり、ゴルフ場などの大規模な土地開発などによる自然環境への影響を測るなど、環境に対してどれほどのダメージ・影響を与えるのかを事前に分析・評価するのが環境アセスメントです。
これらの使い方と同様に、人や組織を対象に行うアセスメントを、人材アセスメント、組織アセスメントといいます。
組織内で働く人材の特徴、適性を把握したうえで、活躍できるような環境に配置するのが理想です。たとえば、数字責任や課題がハードな仕事環境には、高いバイタリティを持つ特徴の人材が向いているでしょうし、完結型作業の多い仕事環境では、ルーティンや孤独に強い特徴を持つ人材が向いているでしょう。
このように、人材の思考特性や特徴を客観的な基準に基づいて、評価することを「人材アセスメント」と呼びます。
また、同様に風土や組織体質を可視化することを「組織アセスメント」と呼びます。組織アセスメントによって
・組織にどのような特徴を持った人材が在籍し、どのような風土をつくっているか?
・どのような環境に強みを発揮する組織なのか?
・どのような環境に弱い組織なのか?
といったことが可視化されます。
このように、組織アセスメントによって、たとえば新しく加わる人材や、配属される人材が、その組織・環境にどの程度フィットするのか、といった分析も可能になってきます。
アセスメントが全てのスタート人事分野における人材アセスメントは一般的になりつつあります。近年はアセスメントが優劣をつける意味の評価ではなく、人の適性・特徴を可視化する意味での評価であるという、正しい認識が広がり、多くの組織で積極的にアセスメントを活用していく傾向にあります。また最近では、組織における人材の捉え方についても量的な人材の確保ではなく、質的な人材確保へとシフトし、人材の特性・特徴をよく理解し、判断したうえでの採用や人材配置が重要になってきています。これらの材料としてもアセスメントは非常に重要になってきています。
アセスメントには「人材アセスメント」と「組織アセスメント」がありますが、人材アセスメントは客観的な基準としてアセスメントツールを活用することが多く、採用面接で用いられている「適性検査」などもその代表的な例です。採用のミスマッチ防止や管理能力の診断などにも、人材アセスメントは用いられています。
その一方で、配置・アサインする「人」のアセスメントだけではなく、配属される「組織」に対しても何らかの客観的な評価が必要になってきます。そのため、組織の持つ特徴や特性をしっかりと診断しようという意味で、組織アセスメントにも注目が集まってきています。
このように「人材アセスメント」と「組織アセスメント」がなされて、はじめて現状を把握することが可能となり、適材適所が実現されるための情報が得られるということになります。逆にいえば、「人材の特徴」と「組織の特徴」の双方が共通の「ものさし」で明確に把握できていないと、適正に採用や異動・配置の判断ができず、また、異動・配置の理由が曖昧にならざるを得なくなってしまいます。
冒頭のような離職が多い、あるいは人材が定着しない、といった現象面だけを捉えて、その打ち手を考える前に、まずは組織にどのような特徴の人材が多いのか、自社にはどのような特徴の人材に向き不向きの場があるのか、人や組織のアセスメントを通じた現状の把握に努めることが全てのスタートだといえるでしょう。
繰り返しますが、アセスメントはあくまでも良い悪いの評価ではなく、特徴を客観的事実として評価するということです。「個々人にどのような職務特性、性格的な特徴、ストレス要因や耐性があるのか」、「組織(および組織の構成員)はどのような特徴や環境にあるのか」その双方を、事実として机上に乗せることによって、課題がクリアになり、マネジメントや採用の具体的な対策へ繋がってくるのです。
まとめ- 人も組織も、バイアスのない評価をすることによって現状把握ができる
- アセスメントは、現状把握のための有効な手段であり、状態を可視化することができる
- 個々人の特徴や強みを可視化する、人材アセスメント
- 組織全体や職場の状態を可視化する、組織アセスメント
アセスメントには「人材アセスメント」と「組織アセスメント」がありますが、人材アセスメントは客観的な基準としてアセスメントツールを活用することが多く、採用面接で用いられている「適性検査」などもその代表的な例です。採用のミスマッチ防止や管理能力の診断などにも、人材アセスメントは用いられています。
その一方で、配置・アサインする「人」のアセスメントだけではなく、配属される「組織」に対しても何らかの客観的な評価が必要になってきます。そのため、組織の持つ特徴や特性をしっかりと診断しようという意味で、組織アセスメントにも注目が集まってきています。
このように「人材アセスメント」と「組織アセスメント」がなされて、はじめて現状を把握することが可能となり、適材適所が実現されるための情報が得られるということになります。逆にいえば、「人材の特徴」と「組織の特徴」の双方が共通の「ものさし」で明確に把握できていないと、適正に採用や異動・配置の判断ができず、また、異動・配置の理由が曖昧にならざるを得なくなってしまいます。
冒頭のような離職が多い、あるいは人材が定着しない、といった現象面だけを捉えて、その打ち手を考える前に、まずは組織にどのような特徴の人材が多いのか、自社にはどのような特徴の人材に向き不向きの場があるのか、人や組織のアセスメントを通じた現状の把握に努めることが全てのスタートだといえるでしょう。
繰り返しますが、アセスメントはあくまでも良い悪いの評価ではなく、特徴を客観的事実として評価するということです。「個々人にどのような職務特性、性格的な特徴、ストレス要因や耐性があるのか」、「組織(および組織の構成員)はどのような特徴や環境にあるのか」その双方を、事実として机上に乗せることによって、課題がクリアになり、マネジメントや採用の具体的な対策へ繋がってくるのです。
- 人も組織も、バイアスのない評価をすることによって現状把握ができる
- アセスメントは、現状把握のための有効な手段であり、状態を可視化することができる
- 個々人の特徴や強みを可視化する、人材アセスメント
- 組織全体や職場の状態を可視化する、組織アセスメント