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ノーマライゼーションとは?意味や歴史、事例を解説

社会福祉における重要な理念の一つ「ノーマライゼーション」。近年は介護や医療現場だけでなく、企業活動においてもノーマライゼーションが強く意識されるようになってきました。

日本ではノーマライゼーション推進の一環として、一定規模以上の企業を対象に、障害者雇用が義務化されています。義務化されて以降、雇用障害者数は年々増加傾向にありますが、採用したものの定着せず退職してしまうケースが少なくありません。

この記事では、ノーマライゼーションの定義や歴史を紐解くとともに、企業がノーマライゼーションに取り組む際のポイントについても説明します。ノーマライゼーション推進や障害者雇用にお悩みの企業の方はぜひ最後までお読みください。

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ノーマライゼーションとは?

ノーマライゼーションとは、高齢者や障害者などの社会的弱者を特別視せず、誰もが同等に生活ができる社会を目指す考え方です。北欧デンマークで発祥した概念で、戦後70年以上、社会福祉のキーワードとして使われています。

英語では「normalization」と表記され、日本語では「標準化」「正常化」と訳されます。
社会的弱者に変化を求めるのではなく、障害者も高齢者も社会的な役割を当たり前に担えるよう、社会のあり方そのものに変容を求めるのが「ノーマライゼーション」です。

バリアフリーとの違い

バリアフリーは、ノーマライゼーションを実現する手段の一つです。社会的弱者が日常感じる障壁(バリア)をなくす(フリー)取り組みを「バリアフリー」と呼びます。

【バリアフリーの事例】
  • 車椅子でも走行しやすいよう段差を無くす
  • スロープをつける
  • 駅のホームの点字ブロック など
もともとは住宅建築用語として登場しましたが、物理的な障壁の除去という意味合いから、最近ではより広義に用いられています。制度的な障壁、文化情報面での障壁をなくす取り組みもまた「バリアフリー」と解釈されています。

たとえば、
  • 盲導犬を連れての入店に理解を示すこと
  • 手話通訳ありの講演会
なども「バリアフリー」の一例です。

ユニバーサルデザインとの違い

「ユニバーサルデザイン」は、障害の有無・年齢・性別・人種等にかかわらず、多様な人々が利用しやすいよう、生活環境をデザインする考え方を指します。

ユニバーサルデザインの例は下記の通りです。
  • 自動ドア
  • 多機能トイレ
  • シャンプー容器の突起
  • センサー式蛇口 など
自動ドアは車いすを使う人だけでなく、子供を抱いている人、両手に荷物を抱える人など、全ての人に使いやすいデザインです。

スペースが広く、ベビーシートなどの設備も備えた多機能トイレは障害者・女性・子供など多様な人に利用されています。シャンプー容器の突起やセンサー式の蛇口も、利便性が高いデザインと言えるでしょう。

インクルージョンとの違い

ノーマライゼーションと混同されやすい概念に「インクルージョン」があります。インクルージョンは個性や価値観、考え方の違いを認め合い、全てを包み込む概念です。

ノーマライゼーションを含んだ、より広い意味で用いられることが多い言葉と言えます。

近年では包括・包含を意味するインクルージョンに、多様性を指すダイバーシティという言葉が合わさった「ダイバーシティ&インクルージョン」が、多くの企業で注目されています。

ノーマライゼーションの発祥と歴史的背景

デンマーク・コペンハーゲンの街並み
ノーマライゼーションの発祥と歴史的背景を追っていきます。

提唱者はバック・ミケルセン

ノーマライゼーションは北欧デンマークで発祥した概念です。デンマークの社会省で知的障害者施設を担当していたニルス・エリク・バンクーミケルセンにより提唱されました。

当時の知的障害者は、隔離された施設の中で酷い扱いを受けていたといいます。多くの知的障害者が大型施設に収容され、外出はおろか自由に行動することも許されませんでした。

第二次世界大戦時にナチスの収容所に収監されていたミケルセンにとって、当時の障害者施設はナチスの収容所を彷彿とさせたのでしょう。

障害者施設の惨状に胸を痛めたミケルセンは、知的障害者の生活条件改善のため、法改正に乗り出します。
「障害のある人たちに、障害のない人々と同じ生活条件を作り出す」として、ノーマライゼーションの理念を提唱したのです。

1959年には「知的障害者福祉法」が制定され、世界で初めてノーマライゼーションの理念が法律に導入されることとなりました。知的障害者福祉法の成立により、欧米社会でノーマライゼーションの概念が広く認知されるようになったのです。

ベンクト・ニィリエが広める

ミケルセンが提唱したノーマライゼーションの理念は、スウェーデンの知的障害者児連盟・ベンクト・ニィリエによって、さらに広がりを見せます。

ニィリエはノーマライゼーションの成文化、体系化に取り組み、8つの原理にまとめました。成文化されたものが英語に翻訳され、これにより国際的にノーマライゼーションの理念が広がっていったのです。

ノーマライゼーション8つの原理とは?

ニィリエが定義したノーマライゼーション8つの原理は下記の通りです。8つの原理では「ノーマルな生活とは何か」を具体的に明示しています。

これらの原理を全て達成できてこそ、障害者も一般社会と変わらない暮らしができていると定義しました。
1.1日のノーマルなリズム
2.1週間のノーマルなリズム
3.1年間のノーマルなリズム
4.ライフサイクルにおけるノーマルな発達的経験
5.ノーマルな個人の尊厳と自己決定権
6.その文化におけるノーマルな経済水準とそれを得る権利
7.その社会におけるノーマルな経済水準とそれを得る権利
8.その地域におけるノーマルな環境形態と水準
引用:国立国会図書館デジタルコレクション「立教大学コミュニティ福祉学部紀要第7号(2005)」
朝起きて、身支度をして、学校や職場へ行く。
週5日程度働いたら、休日は家族と友人と過ごす。四季の変化を感じ、たまの長期休暇を楽しむ。

ニィリエは、ごく当たり前の生活リズムを障害者にも保障するよう求めたのです。

また健常者が当然に持つ、自分の意思で物事を選ぶ権利や生活水準などもノーマライゼーションの条件として掲げています。

日本におけるノーマライゼーションの取り組み

世代の離れた女性3人
日本ではどのようにノーマライゼーションを推進しているのでしょうか。政府・教育・民間機関の各分野における取り組みを紹介します。

教育

近年、教育の現場では「インクルーシブ教育システム」が注目されています。インクルーシブ教育システムとは、障害のある子供たちを通常学級に在籍させ、障害のない子供達と同様に教育・指導するものです。

大阪府豊中市では、インクルーシブ教育が注目される前の1970年代から、障害の有無を問わず、地域の子は地域の学校で受け入れてきました。人工呼吸器やたん吸入が必要な医療ケア児も通常学級で受け入れ、看護師を配置して対応しています。

インクルーシブ教育の実施により、障害のある子は今まで以上に学ぶ機会が増え、障害のない子は障害者への理解を深めるといった相乗効果を得られているそうです。

参考:豊中市障害児基本方針(改訂版)

政府

政府は1995年に「ノーマライゼーション7か年戦略」を発表。ノーマライゼーションの推進に努めています。

ノーマライゼーション7か年戦略は、障害者の社会的自立やバリアフリー化の促進などに関して、具体的な数値目標を掲げた施策です。1996年度〜2002年度までの7か年を計画期間として策定されました。

ノーマライゼーション7か年戦略はノーマライゼーションの基本理念に基づき、次の7つの視点で組み立てられています。
  • 地域で共に生活するために
  • 社会的自立を促進するために
  • バリアフリー化を提進するために
  • 生活の質(QOL)の向上を目指して
  • 安全な暮らしを確保するために
  • 心のバリアを取り除くために
  • 我が国にふさわしい国際協力・国際交流を
 引用:障害者プラン(抄)ノーマライゼーション七か年戦略(平成7年12月 障害者対策推進本部)

国が数値目標を含めたプランを出したのは障害者の分野では、7か年戦略が初めて。この施策により、ノーマライゼーション実現に向けた取り組みを具体的に計画できる仕組みが整いました。

また政府は2003年度に支援費制度を導入。それまで行政や福祉施設が決定していたサービスやヘルパーを、利用者自らが選んで事業者と直接契約できる仕組みへと制度移行しました。従来の措置制度から新しい支援費制度への移行により、障害者の自己決定を尊重し、サービスを提供する事業者と対等な関係を確立できるようになったのです。

参考:支援費制度Q&A集

民間団体

ノーマライゼーションの実現に向けた、民間団体の取り組みを2例紹介します。

社会福祉法人ノーマライゼーション協会

大阪府に拠点を置く、社会福祉法人ノーマライゼーション協会は介護福祉施設や障害者支援施設・ケアハウス運営・また障害当事者アート活動など、多角的に活動している機関です。

「全ての人の人権を基軸としたノーマライゼーション社会の実現」を理念に掲げ、福祉施設の運営や福祉活動を進めています。

1975年障害児・者の生活と教育権を保障しよう淀川・東淀川区民の会(略称:しよう会)の結成に端を発し、その後は義務教育終了後の障害児の進路を保障するため、障害児交流教育を推進。共同作業所を開設するなど長年に渡り、障害者の自立を支援する活動を進めています。
参考:社会福祉法人ノーマライゼーション協会

東京ダウンセンター

東京ダウンセンターは東京逓信病院院内に創設された、ダウン症専門の外来サービス。ダウン症患者は乳幼児期の合併症治療や療育には注目されやすい反面、青年期以降のダウン症に精通した医師や医療機関は極めて少なく、家族の不安が大きい点が問題になっていました。

そこで年齢を問わず、ダウン症患者が相談できる医療機関を目指し、2018年に東京ダウンセンターを設立。同センターでは健康面での相談はもとより、ダウン症患者の就学時、就労時のアドバイスも担い、総合的にダウン症をサポートする活動を進めています。

参考:東京ダウンセンターのご案内|東京逓信病院

ノーマライゼーションと障害者雇用

障害がある人もない人も互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会を目指すノーマライゼーションは、企業においての障害者雇用とも大きく関わってきます。

ここでは障害者雇用に関する法律と障害者雇用の現状について、わかりやすく解説します。

障害者雇用促進法

障害者雇用促進法は障害者の雇用や就労に関する法律です。障害者の職業の安定を図ることを目的としています。

障害者雇用促進法で特に柱となる制度は下記3点です
  • 雇用義務制度
  • 障害者雇用納付金制度
  • 職業リハビリテーションの実施

雇用義務制度

雇用義務制度は、事業主に一定割合以上の障害者を雇用するよう求める制度です。従業員数43.5名以上の企業を対象に、以下の割合で障害者の雇用義務が課せられます。(令和5年2月現在)
参考:障害者雇用率制度|厚生労働省
法定雇用率は原則5年ごとに見直しがあり、段階的に引き上げられています。現行の2.3%は令和5年度まで適用され、令和6年度から段階的に引き上げられる予定です(参考:令和5年度からの障害者雇用率の設定等について

自社が法定雇用率を達成しているかどうかは、下記計算式で求められる数値が法定雇用率を上回っているかを見ればわかります。
実雇用率(実際の障害者雇用率)
=雇用している障害者数+雇用している短時間労働の障害者数×0.5÷労働者数+短時間労働者数×0.5
また、雇用すべき障害者数の算出は下記の計算式で求められます。
法定雇用障害者数(雇用すべき障害者数)
=(常用労働者数+短時間労働者数×0.5)×障害者雇用率2.3%
貴社の障害者雇用状況の確認・推進にお役立てください。

障害者雇用納付金制度

法定雇用率未達成の企業には、納付金の支払いが義務付けられています。常用労働者100名以上の企業を対象に、障害者不足1人につき月額5万円を徴収するよう定められています。

この制度の目的は、事業主間の負担の公平性を図り、障害者雇用の水準を高めること。
障害者を雇用する際には、バリアフリーなど職場環境の整備や改善が必要となり、事業主には経済的な負担が伴います。

バリアフリー化に投資しながら雇用義務を果たす事業主と果たしていない事業主、それぞれの負担が公平になるように、法によって定められているわけです。

法定雇用率を達成している企業に対しては、徴収した納付金を元に調整金や報奨金が支払われます。

職業リハビリテーションの実施

また障害者雇用促進法では、障害者が自立して生活できるように、職業指導、職業訓練などといった職業リハビリテーションを実施することを定めています。職業リハビリテーションの実施機関は以下の3つです。
  • ハローワーク
  • 地域障害者職業センター
  • 障害者就業・生活支援センター
このように障害者雇用促進法では「共生社会の実現」を目指して、雇用義務に基づく雇用促進の措置や職業リハビリテーションを通した障害者の自立支援等など、具体的な方策を定めています。

日本における障害者雇用の現状

日本における障害者雇用の現状を見ていきましょう。
下図のグラフをご覧ください。民間企業における障害者雇用は年々増加傾向にあります。
令和3年 障害者雇用状況の集計結果グラフ
画像引用元:令和3年 障害者雇用状況の集計結果|厚生労働省
令和3年の厚生労働省の調査結果によると、民間企業※に雇用されている障害者の数は597,786.0人で、前年より19,494.0人増加(対前年比3.4%増)

18年連続で過去最高になり、公的機関の雇用障害者数も対前年で上回っています。一方、法定雇用率達成企業の割合は47.0%。対前年比を1.6ポイント下回る結果となっています。

企業規模別に障害者雇用率を見てみると、法定雇用率2.3%を達成した企業は1000人以上の大企業のみでした。

企業規模別の実雇用率
・新たに報告対象となった43.5~45.5人未満規模企業では1.77%
・45.5~100人未満で1.81%(前年は1.74%)
・100~300人未満で2.02%(同1.99%)
・300~500人未満で2.08%(同2.02%)
・500~1,000人未満で2.2%(同2.15%)
・1,000人以上で2.42%(同2.36%)
引用元:令和3年 障害者雇用状況の集計結果|厚生労働省
令和3年の法定雇用率が引き上げに伴い、達成企業の割合の低下に影響しているものの、依然として積極的な障害者雇用の取り組みが求められる状況です。

※43.5人以上規模の企業:法定雇用率2.3%

企業がノーマライゼーションに取り組む際のポイント

放射線状に並ぶ12本の色鉛筆
企業がノーマライゼーションに取り組む際に抑えておきたいポイントは以下3点挙げられます。
  • 障害者を特別扱いしない
  • 採用前に企業実習を実施する
  • 助成金を活用する
  • 障害者雇用に向けた業務の切り出しは組織全体を俯瞰して考える
それぞれ詳しく解説します。

障害者を特別扱いしない

障害者には障害の影響で苦手なもの、できないものがあります。しかし何もできないといって過保護に扱うのは妥当ではありません。障害者雇用と言っても「雇用」は「雇用」です。雇用されて働くことは、会社組織が求める労働力とスキルを提供することであり、障害者自身にも努力と責任感が求められます。

そのため、組織として障害者雇用に求めるものを本人に伝えるのも大切です。労働力として雇われているのを認識していない場合、当事者に率直に教える姿勢も求められるでしょう。

とはいえ障害特性ゆえの困難さを理解せず、責任を求めるばかりでもいけません。会社側は、組織で求められる役割を障害者が果たせるよう、教育体制、サポート体制を整える努力が欠かせないと言えるでしょう。

また、障害者自身が1人で不安を抱え込むことがないよう、相談しやすい雰囲気作りに励む努力も必要です。

採用前に企業実習を実施する

障害者雇用に際しては、採用前に企業実習を行うのをおすすめします。企業側も実習生も採用前にお互いを知ることで、離職を防ぐ効果を期待できるためです。

厚生労働省職業安定局が2017年9月に発表した「障害者雇用の現状等」によると、離職理由上位の内容は下記の通りでした。
  • 賃金・労働条件に不満
  • 職場の雰囲気・人間関係
  • 仕事内容が合わない、疲れやすく体力意欲が続かなかった など
画像引用元:障害者雇用の現状|厚生労働省
これらは採用前の企業実習などで、ある程度事前に把握できます。体力面で続けられるかどうかは、長期間実際に働いてみないとわからないかもしれません。それでもある程度の期間は企業実習を実施し、数ヶ月先〜1年先も続けられるかを互いにイメージできるでしょう。

書面や面接だけではわからないポイントも確認できるため、できれば採用前実習の実施をおすすめします。また、アセスメントツールの活用により、事前に適性を見極められれば、定着して働けるかどうかの判断材料にもなり得るでしょう。

入社後のパフォーマンスを事前に見極めるにはミイダスが提供する適性検査・コンピテンシー診断がおすすめです。社員15名まで無料で診断できますので、ぜひご活用ください。

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助成金を活用する

障害者を雇用する際には、社内設備の整備や改善に資金がかかる場合もあるでしょう。
国では障害者雇用の推進を支援するため、状況に応じた助成金制度を設けています。
適用条件を確認し、助成金を活用しましょう。
※2022年2月時点
参考:厚生労働省|障害者を雇いれた場合の助成
詳しくは厚生労働省のホームページでご確認ください。

 障害者雇用に向けた業務の切り出しは組織全体を俯瞰して考える

障害者雇用に取り組む企業の中には「障害者に適した業務が見つからず、うまくいかない」と悩む企業もあるでしょう。障害者に適した業務の切り出しは、社内全体を俯瞰して「人手が欲しい業務はないか」「必要なのに後回しになっている業務はないか」といった点から検討していくと業務が見つけやすくなります。

業務の切り出しがうまくいかない原因は「障害者ができる仕事はないか」という視点で検討していること。選択肢が狭まると、業務の切り出しがうまくいかなくなってしまいます。

そのため、障害者社員がどのような特性や能力を持っているのかをしっかり把握したうえで、社内全体の業務の中から、マッチングできる業務を創出すると良いでしょう。

ノーマライゼーションの課題

ノーマライゼーションは社会的に意義ある取り組みですが、一方で課題があるのも事実です。制度や法律が整ってきているものの、障害者に対する理解がまだまだ浅い現状も否定できません。

社内で障害者雇用への理解がない場合、障害者が既存の従業員とどのようにして打ち解けていけるかの問題も生じます。社員間でのコミュニケーションがうまくいかなければ、業務効率が低下し、双方が気持ちよく働くのは難しくなってしまうでしょう。

また、障害者雇用に関する適切なノウハウが企業側に足りていない点も課題です。企業側に適切な知識がないと、サポートしたくてもできない事態も起こりかねないでしょう。

障害者雇用に際して必要な配慮は、身体障害者に対する施設のバリアフリー化だけではありません。知的障害者や精神障害者に配慮した業務フローの可視化や注意すべき点の掲示、障害がある人とそうでない人のコミュニケーションのとり方など、さまざまな配慮が求められます。

そのため、社内での受け入れ体制を整える取り組みが必要です。研修や勉強会で理解を促したり、企業の雇用支援を行う機関に助けを求めたりしながら、障害者雇用を推進すると良いでしょう。

企業におけるノーマライゼーションへの取り組み事例

オフィスビル見上げ
ノーマライゼーションに取り組む企業の事例を3社紹介します。事例を参考に貴社のノーマライゼーション推進にお役立てください。
  • ソフトバンク株式会社
  • 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
  • TOHOシネマズ株式会社

ソフトバンク株式会社

ソフトバンクでは「障害の有無で仕事上の区別はしないこと」をポリシーに、社内のノーマライゼーションを進めています。業務内容や雇用形態、昇進昇格の人事評価は障害の有無を問わず同じ条件としているそうです。

障害のある方が働きやすいよう職場環境や制度面の整備も進んでおり、制度面では下記の例に見られる休暇が付与されています。
  • 定期的な通院が必要な社員に月1日・年間12日取得できる「ノーマライゼーション休暇」
  • 各社員が業務の状況などに応じて始業時刻・終業時刻を変更できる「スーパーフレックス制度」の整備 など
またソフトバンクでは、下記のようなフォローにも日々努めています。
  • 下肢に障害のある社員のため移動しやすい職場環境を整える
  • 耳が聞こえづらい社員には文字で伝える など
このような取り組みにより、ソフトバンクには管理職として活躍する障害のある社員も誕生。障害のある社員の声に応える形で、キャリアプランを考えたい社員に向けたキャリアセミナーなども開催しているそうです。

参考:障がいがある人とともに働くとは? ソフトバンクの「ノーマライゼーション」への取り組み|ソフトバンクニュース

セブン&アイ・ホールディングス

セブンイレブンやイトーヨーカドーなどの運営で知られる セブン&アイ・ホールディングスは、誰もが活躍できる職場作りを理念に掲げ、ノーマライゼーションに取り組んでいます。

法定雇用率2.3%に対し、セブン&アイグループ全体での障害者雇用率は2.98%(2022年6月時点)。障害者雇用やノーマライゼーションを推進する専門部署・人権啓発センターが常設し、高い水準で障害者雇用を進めています。

同社では障害のある社員の職場定着支援を目的に、「障害者職業生活相談員」や「企業在籍型適応援助者(ジョブコーチ)」の資格取得も積極的に推進。

2022年2月末時点では「障害者職業生活相談員」の認定を96人、「ジョブコーチ(企業在籍型職場適応援助者)」の認定を15人の社員が受けるなど、障害のある社員に向けたサポート体制も整えています。

採用にあたっては、行政と連携して、特別支援学校の生徒向けに就労支援研修を全国各地で実施。障害者雇用に関して、多角的に取り組みを展開しています。

参考:重点課題 5グループ事業を担う人々の働きがい・働きやすさを向上する|株式会社セブン&アイ・ホールディングス
参考:人権への取り組み|株式会社セブン&アイ・ホールディングス

TOHOシネマズ株式会社

TOHOシネマズ株式会社では、2008年から障害者雇用に積極的に取り組んでいます。2022年の同社の障害者雇用率は3.91%。法定雇用率2.3%に対して高い雇用率を達成しています。

配属に当たっては、業務に合わせて人を配置するのではなく、人に合わせて業務を切り出す工夫をしているそうです。また、スタッフの相互理解を進める目的で、障害認知用の名札を採用。名前の下に「耳が聞こえにくい(手話対応可)」などと記載し、互いにどのような点に気をつけて接すると良いのかを明示する工夫を施しています。

これにより、スタッフ間の理解を進めるだけでなく、客にも認知してもらえるため、働きやすくなる効果があったといいます。

TOHOシネマズ株式会社では、全ての劇場で1人以上の障害者雇用を方針に掲げ、率先したノーマライゼーション活動を実現しています。

​​参考:障害者雇用の取り組み|TOHO CINEMAS

ノーマライゼーション・わたしたちにできること

シニア女性に話しかけるエプロン姿の女性
障害者や高齢者といった社会的弱者が「あたりまえ」の生活を送れるよう支援するのが「ノーマライゼーション」です。多様な人材登用が進む今、企業に求められるのは、多様性を受け入れ、人材に歩み寄る勇気と対話でしょう。

どのようなことを苦手とするのか。
無理なく業務を進めるにはどのようなサポートが必要か。

まずは障害者の方の声に耳を傾けてみてください。
互いの違いを認め合う中で思わぬイノベーションが生まれるかもしれません。

また、障害のある社員の適性を見極めるには、客観的な視点での判断が必要不可欠です。主観任せの見極めではバイアスが働き、適性に合わない業務を押し付ける結果になるかもしれません。
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