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ニアショアとは?意味やオフショアとの違い、探す方法を紹介

ニアショアとは、システム開発やIT・Web関連業務などを国内の地方企業や人材に委託することです。ニアショアはコスト削減や人材不足解消、地域創生などに貢献できるなどのメリットがあります。とはいえ、どのような意味かわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ニアショアの意味や5つのメリット、ニアショアの委託先を探す方法を紹介します。人材不足にお悩みの企業は、これを機にニアショアという選択肢も視野に入れてみると良いでしょう。

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ニアショアとは?意味を簡単に説明

OUTSOURCING
ニアショア(nearshore)とは、システム開発やIT・Web関連業務などを「国内の地方都市」に拠点を置く企業や人材に委託することを指します。おもに、都市部の企業が地方の企業にアウトソーシングを行うビジネスモデルです。

近年は都市部のみならず、地方でもDX人材育成やリモートワークの普及により、ニアショアの需要が高まっています。特にコミュニケーションの取りやすさや時差の少なさから、システム開発プロジェクトで採用されるケースが増加しています。ニアショアのメリットについては、後ほど詳しく説明します。

オフショアとの違い

オフショア(offshore)とは、IT開発や製造、バックオフィスなどの業務を「海外」に委託することを指します。人件費を抑えられる中国やインド、ベトナムなどの国々がオフショア先として選ばれている傾向にあります。

「アウトソーシングを行う」ことは共通していますが、ニアショアは「国内の地方都市」に、オフショアは「海外」に委託する、という点で違うものです。

オフショアについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事:オフショアとは?ビジネスでの活用分野や利点、課題を解説

ニアショアが注目されている理由

パソコンを操作している様子
ニアショアが注目されている理由は、以下のとおりです。
  • リモートワークの浸透
  • DX推進によるIT人材のニーズの増加
  • 地方創生に対する関心の高まり

リモートワークの浸透

新型コロナウイルスの流行をきっかけに、多くの企業でリモートワークが定着しました。総務省の調査によると、2023年の国内企業のリモートワーク導入率は49.9%となっています。

対面が当たり前だった頃は、地方企業に発注する場合、ミーティングや適宜研修を行う必要があるため、定期的に現地まで赴く必要がありました。しかし、リモートワークが浸透したことで、企業は遠隔地の人材ともスムーズに連携できるようになりました。そのため、国内の地方に拠点を置く、開発会社やフリーランスへの外注が現実的な選択肢となっているのです。

参考:総務省|令和6年版 情報通信白書|テレワーク・オンライン会議

DX推進によるIT人材のニーズの増加

企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進により、IT人材の需要が急速に高まっています。経済産業省の調査によると、2030年には、約79万人のIT人材が不足すると予測されています。

都市部では優秀なIT人材の獲得競争が激化し、同時に採用コストも上昇傾向にあります。そのため、多くの企業がニアショア開発を活用し、地方の優秀な人材を確保する動きが進んでいるのです。

参考:経済産業省|参考資料(IT人材育成の状況等について)

地方創生に対する関心の高まり

近年、日本では地方創生に対する関心が高まっています。地方創生とは「地方の活性化や人口流出の抑制、経済基盤の強化を目的とした取り組み」のことです。

これにより地方の産業振興や雇用創出を図る動きが活発化しています。この流れのなかでニアショアは、地方創生を実現する重要な手段として注目されています。

企業がニアショアを活用することで、地方のIT企業や人材に業務を委託し、地域に経済的な効果をもたらすことができます。また地方のIT人材にとっても、地元に住みながら、大都市圏のプロジェクトに携われるのは、キャリア形成においても大きなメリットとなるでしょう。

ニアショアで得られる5つのメリット

ビジネスパーソン
ニアショアで得られるメリットは、以下のとおりです。

1.コストを削減できる
2.コミュニケーションがしやすい
3.人材不足の解消につながる
4.リスクを分散できる
5.地方貢献につながる

それぞれのメリットを見ていきましょう。

1.コストを削減できる

ニアショアの最大のメリットとして、人件費を削減できる点が挙げられます。特に地方都市は都市部に比べて、人件費や業務コストが抑えられるため、予算に応じた柔軟な対応ができます。

たとえば、以下のようなコスト削減が期待できます。
  • 人件費
  • オフィスの賃料・維持費
  • 通信費
  • 交通費 など
コスト削減を図りながら、コミュニケーションや品質管理の点で都市部と同じ水準のサービスを受けられる場合も多いため、効率的にリソースを活用できるでしょう。

2.コミュニケーションがしやすい

ニアショアのメリットは何と言っても、コミュニケーションのしやすさです。オフショアの場合、海外企業とのやりとりが増えるため、時差や言語の壁などが作業効率に影響を与えることがあります。

一方、ニアショアでは国内の地方企業に委託するため、時差はもちろんのこと言語の心配もほとんどありません。

また国内に拠点があるため、必要に応じて直接会って打ち合わせをすることも可能です。

メールやチャットだけでは伝わりにくいニュアンスや、プロジェクトの細かい要望をスムーズに共有できるでしょう。

3.人材不足の解消につながる

ニアショアは人材不足の解消も期待できます。先述のとおり、DX推進により都市部のIT人材が足りておらず、採用するのにも一苦労です。

しかしスキルを持ってはいるものの、都市部で働くことが難しい人や、地元に住みながら働きたいと考えている人は多く存在します。ニアショアを活用することで、思いがけない優秀な人材とも出会える可能性が広がるでしょう。

4.リスクを分散できる

ニアショアを活用することで、事業運営におけるリスクを効果的に分散できます。

特にシステム開発や運用業務を特定の地域や国に集中させると、地震や台風などの自然災害、さらに政治的・経済的な混乱が起きた場合に影響を受けやすくなります。しかしニアショアでは拠点をいくつかに分散させることで、リスクも散りばめられる点が魅力です。

また時差がないため、緊急時の対応が迅速に行えます。たとえばオフショアでは、時差によるコミュニケーションの遅延が課題となり得ますが、ニアショアではそのような遅延を避けられるでしょう。

5.地方貢献につながる

ニアショアは地方の企業や人材を活用するため、地方経済の活性化に大きく貢献できます。仕事を地方に発注することで、地域に新たな雇用が生まれ、人口減少や過疎化が進む地域の課題解決の一助となります。

特にIT関連業務はリモートでの対応が可能なケースが多く、地方の優秀な人材に仕事の機会を提供できる点がメリットです。

また、地方の企業や自治体との関係性が深まることで、長期的なパートナーシップが築ける可能性も高まるでしょう。このようにニアショアは、企業にメリットを与えるだけではなく、地域社会にとっても大きな影響をもたらしてくれるのです。

ニアショアにおける課題

ミーティング中のビジネスパーソンたち
一方で、ニアショアにはいくつか課題もあります。
  • 人材確保に時間がかかる
  • 外注先の選定が難しい
  • オフショアに比べて削除できるコストは少ない

人材確保に時間がかかる

ニアショアを導入するには、まず人材確保をしなければなりません。しかし優秀な人材を確保するには時間がかかる場合があります。都市部に比べて地方は、ITスキルを持つ人材が不足している傾向にあるため、特定の技術や業務知識を持った人材を見つけるのに時間を要するかもしれません。

また他社も同じように人材不足に悩んでいるため、採用競争が激しくなりつつあります。さらに地元の文化や働き方への理解が不足していると、採用活動がスムーズに進まない恐れもあるでしょう。

ニアショアを導入するには、地域特有の課題を十分に熟知したうえで、採用活動を行う必要があるのです。

外注先の選定が難しい

ニアショアを活用するには地方の外注先を見つける必要がありますが、自社に合う委託先と出会うのは簡単なことではありません。ニアショア企業の数が増えたことで選択肢が増える一方で、自社のニーズに合った外注先を見極めるには、慎重に検討する必要があるでしょう。

外注先を選定する際は、以下のポイントに注意しましょう。
  • スキル:求めているスキルを備えているか
  • 実績:求めているプロジェクトの経験や事例があるか
  • コミュニケーション:スムーズに連携できそうか、実際に話してみて違和感はないか
  • コスト:初期費用やランニングコストが予算内に収まるか
可能であれば、実際に対面でミーティングを行い信頼性を確認することも重要です。選定には時間がかかるかもしれませんが、相性の良い委託先をじっくり時間をかけて探すことで、長きにわたる関係性を築けるでしょう。

オフショアに比べて削減できるコストは少ない

ニアショアはオフショアに比べると、削減できるコストが少ないケースがあります。ニアショアは委託先が国内企業である一方で、オフショアは中国やベトナムなどを委託先とするため、労働単価や物価が安い傾向にあります。

もしコスト削減を第一目的にするならば、オフショアのほうが優位です。しかしニアショアならば、コミュニケーションのスムーズさや、品質の安定性などのメリットを得られます。

そのため、単に人件費だけを比較するのではなく、総合的な費用対効果を考慮して委託先を検討することが重要です。

ニアショアの探し方

虫眼鏡
ニアショアを探す方法は以下のとおりです。
  • ニアショア開発機構やニアショアIT協会から探す
  • 「ニアショア 〇〇(地域名)」で検索する
  • マッチングサービスを活用する
それぞれの方法について紹介します。

ニアショア開発機構やニアショアIT協会から探す

ニアショアの外注先を探す際は「一般社団法人ニアショアIT協会」「一般社団法人ニアショア開発機構」などの専門機関を活用するのがおすすめです。

これらの機関はニアショアを推進するために設立されており、企業と地方のIT事業者をつなぐ役割を果たしています。「なるべく効率的に信頼できる外注先と出会いたい」という方はどちらも活用すると良いでしょう。

「ニアショア 〇〇(地域名)」で検索する

「ニアショア 〇〇(地域名)」で検索するのも1つの方法です。たとえば「ニアショア 北海道」と調べると「札幌商工会議所ニアショア推進協会」のサイトが上位に表示されます。ニアショア開発企業の一覧が閲覧できるため、非常に便利です。

一覧から1つ1つの企業の公式サイトを確認し、過去の実績や対応可能な業務範囲、得意分野などをチェックしましょう。気になった会社があれば、問い合わせフォームから連絡し、コンタクトの機会を設けられるとベストです。

IT人材に特化したマッチングサービスを活用する

IT人材に特化したマッチングサービスを活用するのも良いでしょう。特に業界に特化したマッチングサービスは、IT分野の経験やスキルを持つ人材をピンポイントで検索できるため、自社と相性が良いパートナーを短期間で見つけられます。

またITコンサルタントに相談できるサービスもあるので、プロに相談しながら、自社とマッチする人材を確保できるでしょう。

このようなマッチングサービスを上手く活用することで、外注先を選定する時間が省略できるのも魅力です。

外注先を探すなら、ミイダスのレギュラー・スポットを活用しよう

ミイダス活用マップ
本記事では、ニアショアの意味やオフショアとの違い、ニアショアで得られるメリット、ニアショアを探す方法などを解説しました。ニアショアとは、システム開発やIT・Web関連業務などを地方に拠点を置く企業や人材に委託することを指します。

今後ますますITに関する需要が高まると考えられます。しかしすでに都市部では、IT人材を探すのはかなり難しい状況です。また優秀な人材を獲得するには採用コストも必然的に大きくなるでしょう。IT人材獲得に悩んでいる企業は地方に目を向けて、優秀な人材を確保するのをおすすめします。

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