内々定とは、内定の意向を事前に応募者へ伝えることです。新卒の就活で使われる言葉で、10月に発表される「内定」を事前に伝えることで、応募者が自社へ入社してもらうようお願いします。
内定とは異なり、内々定には法的な拘束力がほとんどありません。しかし、企業側が応募者へ「内々定の取り消し」を伝えるとトラブルに発展するおそれがあるため注意が必要です。
本記事では内々定について、押さえておくべきポイントや企業側の注意点を紹介します。「新卒採用がはじめてで勝手が分からない」「内々定という言葉は聞いたことがあるものの、意味まで理解していない」という方はぜひ最後までお読みください。
なおミイダスでは、新卒入社後に適材適所の人材配置をサポートしたり、研修サービスを提供したりしています。特に注目すべきなのが、相手のコンピテンシー(行動特性)をもとにした戦略的な人事です。詳細は下記から無料でダウンロードできる資料をご確認ください。
【無料ダウンロード】新卒研修時期向けのコンピテンシー診断の活用ヒント資料内定とは異なり、内々定には法的な拘束力がほとんどありません。しかし、企業側が応募者へ「内々定の取り消し」を伝えるとトラブルに発展するおそれがあるため注意が必要です。
本記事では内々定について、押さえておくべきポイントや企業側の注意点を紹介します。「新卒採用がはじめてで勝手が分からない」「内々定という言葉は聞いたことがあるものの、意味まで理解していない」という方はぜひ最後までお読みください。
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▼この記事でわかること
そもそも内々定とはどういう意味?内々定とは「既に内定が決まっている」ことを、正式な内定を出す前に伝えることです。新卒採用の場合、経団連の指針を遵守している企業では「採用通知は10月1日以降」となっています。しかし早めに内定している旨を伝えることで、10月1日の内定式へ出席するよう招待したり、内定を得た他社に流れていったりしないようにする効果があります。
内々定は正式な採用通知ではないため、電話やメールで伝えられるケースが中心です。また内々定の段階では労働契約が成立していないため、法律的には内々定の取り消しは可能です。しかし、企業側から一方的に内々定を取り消すとトラブルに発展するリスクが高いため、慎重な対応が求められます。企業として内々定を出すメリット企業が応募者(≒学生)に内々定を伝えるメリットは何か、詳しくご紹介します。- 優秀な人材の確保
- 政府要請への対応
1つずつ見ていきましょう。優秀な人材の確保
内々定を伝えることで、優秀な人材が他社の内定を承諾しないよう抑止する効果があります。仮に内々定を伝えない状態だと、応募者は「不採用になったのだろう」と誤解してしまい、就活を続けたり他社からの内定を受けてしまったりします。
そこで、他社からの内定を受けないためにも内々定を伝えることが大切になるのです。「志望企業に合格できた」と思った応募者は、就活を辞めて自社の内定を受け入れてくれるでしょう。
ただし内々定が出た後も、より良い企業を狙って就活を続ける学生もいます。内々定そのものは「就活継続を断念させる」法的な拘束力はない点に注意しましょう。
なお、学生に対して就活継続を断念するよう強要する「オワハラ(就活終われハラスメント)」という言葉がニュースで取り上げられるようになりました。内々定を出した相手に執拗なオワハラを行うと、トラブルに発展するケースがある点にも注意が必要です。政府要請への対応
政府は就活の早期化を軽減するため、就活の日程に関するルールを発表しています。あくまで要請ではありますが、大手企業を中心にこのルールを遵守する企業があります。選考日程に関するルールを見てみましょう。下記の就職・採用活動日程ルールを原則とする。
広報活動開始 :卒業・修了年度に入る3月1日以降
採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日以降
その上で、専門活用型インターンシップ(2週間以上)で春休み以降に実施されるものを通じて高い専門的知識や能力を有すると判断された学生については、そのことに着目し、3月から行われる広報活動の周知期間を短縮して、6月より以前のタイミングから採用選考プロセスに移行できることとする。
引用:就職・採用活動に関する要請|内閣官房例外はありますが、採用広報の開始日から選考開始日、内定日にいたるまで政府から要請されています。このルールを守るため、正式な内定日は10月1日ではあるものの、事前に内定していることを伝える「内々定」という言葉が生まれたのです。
これにより、政府からの要請を遵守しつつ実質的に内定を早く出すことができます。内々定と内定の違い内々定と内定は、似ている部分もありますが以下のような違いも存在します。- 労働契約の成立の有無
- 取り消しの要件の違い
- 辞退手続きの違い
違いについて詳しく見ていきましょう。労働契約の成立の有無
内定と内々定の大きな違いは、労働契約の有無です。
内々定の段階では一般的に「労働契約が成立していない」と判断されるため、退職に関する法的な拘束力の適応範囲外になります。一方で「内定」は労働契約が成立したと判断されるため、既に働いている社員と同じく、企業側の都合で一方的に解雇・採用取り消しはできません。
そのため法的には、内々定の段階であれば原則的には自由に内々定を取り消せます。ただし一方的な内々定の取り消しは、学生や学校との間でトラブルに発展しかねません。仮に訴訟された場合、状況によっては「内々定の取り消しは違法」と判断され、損害賠償請求が認められる場合もあります。
企業側から内々定を取り消すときは、弁護士とも相談したうえで慎重に判断しましょう。取り消しの要件の違い
内々定と内定では、採用の取り消し要件が異なります。これまでもお伝えしたとおり、基本的には内々定の段階では法的な拘束力がないため、原則自由に内々定を取り消せます。
一方、学生が内定を承諾した後には「労働契約が成立した」と見なされるため、会社都合での内定取り消しは大きな問題となりかねません。場合によっては訴訟に発展し慰謝料を請求されるおそれもあるため、内定後の採用取り消しには慎重になるべきです。
これは応募者(≒学生)側も同様で、内定を承諾した後に辞退する場合は、少なくとも入社2週間前にその意思を会社に伝えなければなりません。また、内定後は労働契約が成立するため取り消しは難しいものの、内定承諾後の採用取り消しがまったくできないわけではありません。詳細は後述します。辞退手続きの違い
上述しましたが、内定承諾後は労働契約が成立するため、企業側・応募者ともに法的な拘束を受けます。
企業側は社員を自由に解雇できないのと同様、内定を自由に取り消すことは原則できません。応募者側も同様、内定辞退する場合は社員と同様に、入社の2週間前までにその意思を会社に伝える必要があります。
一方、内々定の段階では法的な拘束力が発生しないため、より簡単に内定を辞退されてしまうおそれがあります。企業側としては内々定を伝えた段階から、内定を出した相手が辞退しないようフォローを行った方が良いでしょう。企業側が内々定を取り消す際の注意点これまでもお伝えしたとおり、内々定の段階なら企業側は原則自由に内々定を取り消せます。ただし下記のようなトラブルが発生するリスクがあるため、慎重に考えるべきです。- 学生とトラブルに発展するおそれがある
- 訴訟に発展するおそれがある
- 自社の評判が低下するおそれがある
各リスクについて、詳細を解説します。学生とトラブルに発展するおそれがある
一方的に内々定を取り消してしまうと、学生との間でトラブルに発展するおそれがあります。学生は来年入社するつもりで準備を進めているはずです。そのなかで突然「やはり内々定は取り消しです」となると、学生の今後の進路が大きく変わりかねません。
ただし、学生側に問題があったり企業側にやむを得ない事情があったりする場合は、内々定もしくは内定の取り消しが認められる場合もあります。詳しくは後述します。
しかし安易な内々定の取り消しは、学生に深刻な影響を与えてしまうおそれがあるため、慎重に判断すべきです。訴訟に発展するおそれがある
内々定の段階でも、状況によっては内々定の取り消しが問題となり損害賠償が認められる場合もあります。たとえば、内定を出す直前になって内々定を取り消した企業に対して学生側が訴訟したところ、内々定の取り消しは違法として企業側への損害賠償請求が言い渡された事例があります。
ただし、よほど直前の内々定の取り消しでない限り法的には問題ありません。自社の評判が低下するおそれがある
内々定の取り消しが法的に問題ないからと安易に考えていると、自社の評判が悪くなり将来の採用活動に悪影響を与えてしまうおそれがあります。
近年では、学生は就活口コミサイトやSNSの情報、インターネットの記事を頻繁にチェックしています。そのため内々定を取り消された学生がネットに口コミを掲載したり、問題になってニュースになったりした場合、自社の評判が悪くなってしまいかねません。
また、学校側も内々定を取り消された情報を把握しているため、今後その学校から学生を採用するのが難しくなってしまうリスクがあります。このようなリスクを考慮して、内々定の取り消しには慎重な対応を行いましょう。企業側が内々定を取り消すケース企業側からの内々定取り消しは、法的に問題がなくてもさまざまなトラブルを引き起こしかねないことが分かりました。ただし、内々定はもちろん、内定を通知した後でも採用を取り消せる場合があります。具体的には以下のケースです。- 経営が著しく悪化している
- 学校を卒業できなかった
- ケガや病気により就業が難しくなった
- 学生側に問題が発生した
それぞれ詳しく解説します。経営が著しく悪化している
会社が経営危機に陥るほど状況が悪化した場合、内々定・内定を取り消しても合法とされる場合があります。これは社員にも同様に適用され、経営状態が著しく悪い場合は、状況次第ですがリストラが認められる場合があります。
ただし、解雇や内定取り消しが認められるほど経営状態が悪化している企業は、近いうちに倒産しても不思議ではない状態です。学生側の視点で考えると、入社後すぐ倒産して転職活動を余儀なくされるよりは、かえってラッキーな状況といえるかもしれません。学校を卒業できなかった
新卒採用ならではの問題ですが、学生によっては予定どおり学校を卒業できず留年する人もいます。この場合、企業側は内定を取り消しても合法と判断される場合が高くなります。
無事に学校を卒業できるよう、特に大学生には、余裕を持って単位を取っておくよう促しましょう。ケガや病気により就業が難しくなった
内定を出した学生の体調が悪化し、就業できる見込みが立たない場合は内定を取り消せる可能性が高くなります。
ただし「ケガや病気をしたからすぐに内定を取り消す」のはトラブルになりかねません。相手の状況を見極め、入社しても勤務できない・仕事に耐えられない状態と判断できる場合は、内定の取り消しを検討しましょう。学生側に問題が発生した
学生側に落ち度があった場合、内容次第では内定を取り消す正当な理由になります。たとえば以下の理由に当てはまる場合、内定取り消しが認められる可能性が高いといえます。- 前科があるにもかかわらず選考では隠していた
- 重大な犯罪行為を行った
- 履歴書の内容に重大なウソがあった
前科の有無を確認するため、履歴書には「賞罰」欄があるフォーマットを指定すると良いでしょう。面接中に直接確認しても問題ありません。また、内定を出した後に犯罪行為などが行われた場合も、内定を取り消す正当な理由になります。
他にも、履歴書の内容に重大なウソがあった場合も内定取り消しの理由となります。ただし経歴詐称など、大きなウソが発覚した場合に限られます。軽微なウソの場合は、内定取り消しが違法と判断されるおそれもあるため、慎重に判断しましょう。内々定とは何かを理解して採用活動を進めよう本記事では内々定について解説しました。内々定は法的な拘束力がほとんどないため、原則として応募者は自由に辞退しやすい状態です。企業側としては、応募者に辞退されないよう入社前にフォローを行うことが重要です。
また、内々定を企業側から取り消すと問題になる可能性がある点にも注意しましょう。内々定とは何かを理解し、円滑に採用活動を進めてください。
人材採用は「内々定(内定)を出したから終わり」というものではありません。入社した応募者が定着して仕事で活躍することで、はじめて人材採用に成功したといえます。新人の定着にお悩みの方は、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して戦略的な人事を実施してみませんか。
【無料ダウンロード】新卒研修時期向けのコンピテンシー診断の活用ヒント資料
内々定は正式な採用通知ではないため、電話やメールで伝えられるケースが中心です。また内々定の段階では労働契約が成立していないため、法律的には内々定の取り消しは可能です。しかし、企業側から一方的に内々定を取り消すとトラブルに発展するリスクが高いため、慎重な対応が求められます。
企業が応募者(≒学生)に内々定を伝えるメリットは何か、詳しくご紹介します。
- 優秀な人材の確保
- 政府要請への対応
1つずつ見ていきましょう。
優秀な人材の確保
内々定を伝えることで、優秀な人材が他社の内定を承諾しないよう抑止する効果があります。仮に内々定を伝えない状態だと、応募者は「不採用になったのだろう」と誤解してしまい、就活を続けたり他社からの内定を受けてしまったりします。
そこで、他社からの内定を受けないためにも内々定を伝えることが大切になるのです。「志望企業に合格できた」と思った応募者は、就活を辞めて自社の内定を受け入れてくれるでしょう。
ただし内々定が出た後も、より良い企業を狙って就活を続ける学生もいます。内々定そのものは「就活継続を断念させる」法的な拘束力はない点に注意しましょう。
なお、学生に対して就活継続を断念するよう強要する「オワハラ(就活終われハラスメント)」という言葉がニュースで取り上げられるようになりました。内々定を出した相手に執拗なオワハラを行うと、トラブルに発展するケースがある点にも注意が必要です。
そこで、他社からの内定を受けないためにも内々定を伝えることが大切になるのです。「志望企業に合格できた」と思った応募者は、就活を辞めて自社の内定を受け入れてくれるでしょう。
ただし内々定が出た後も、より良い企業を狙って就活を続ける学生もいます。内々定そのものは「就活継続を断念させる」法的な拘束力はない点に注意しましょう。
なお、学生に対して就活継続を断念するよう強要する「オワハラ(就活終われハラスメント)」という言葉がニュースで取り上げられるようになりました。内々定を出した相手に執拗なオワハラを行うと、トラブルに発展するケースがある点にも注意が必要です。
政府要請への対応
政府は就活の早期化を軽減するため、就活の日程に関するルールを発表しています。あくまで要請ではありますが、大手企業を中心にこのルールを遵守する企業があります。選考日程に関するルールを見てみましょう。
下記の就職・採用活動日程ルールを原則とする。
広報活動開始 :卒業・修了年度に入る3月1日以降
採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日以降
その上で、専門活用型インターンシップ(2週間以上)で春休み以降に実施されるものを通じて高い専門的知識や能力を有すると判断された学生については、そのことに着目し、3月から行われる広報活動の周知期間を短縮して、6月より以前のタイミングから採用選考プロセスに移行できることとする。
引用:就職・採用活動に関する要請|内閣官房
広報活動開始 :卒業・修了年度に入る3月1日以降
採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日以降
その上で、専門活用型インターンシップ(2週間以上)で春休み以降に実施されるものを通じて高い専門的知識や能力を有すると判断された学生については、そのことに着目し、3月から行われる広報活動の周知期間を短縮して、6月より以前のタイミングから採用選考プロセスに移行できることとする。
引用:就職・採用活動に関する要請|内閣官房
例外はありますが、採用広報の開始日から選考開始日、内定日にいたるまで政府から要請されています。このルールを守るため、正式な内定日は10月1日ではあるものの、事前に内定していることを伝える「内々定」という言葉が生まれたのです。
これにより、政府からの要請を遵守しつつ実質的に内定を早く出すことができます。
これにより、政府からの要請を遵守しつつ実質的に内定を早く出すことができます。
内々定と内定の違い内々定と内定は、似ている部分もありますが以下のような違いも存在します。- 労働契約の成立の有無
- 取り消しの要件の違い
- 辞退手続きの違い
違いについて詳しく見ていきましょう。労働契約の成立の有無
内定と内々定の大きな違いは、労働契約の有無です。
内々定の段階では一般的に「労働契約が成立していない」と判断されるため、退職に関する法的な拘束力の適応範囲外になります。一方で「内定」は労働契約が成立したと判断されるため、既に働いている社員と同じく、企業側の都合で一方的に解雇・採用取り消しはできません。
そのため法的には、内々定の段階であれば原則的には自由に内々定を取り消せます。ただし一方的な内々定の取り消しは、学生や学校との間でトラブルに発展しかねません。仮に訴訟された場合、状況によっては「内々定の取り消しは違法」と判断され、損害賠償請求が認められる場合もあります。
企業側から内々定を取り消すときは、弁護士とも相談したうえで慎重に判断しましょう。取り消しの要件の違い
内々定と内定では、採用の取り消し要件が異なります。これまでもお伝えしたとおり、基本的には内々定の段階では法的な拘束力がないため、原則自由に内々定を取り消せます。
一方、学生が内定を承諾した後には「労働契約が成立した」と見なされるため、会社都合での内定取り消しは大きな問題となりかねません。場合によっては訴訟に発展し慰謝料を請求されるおそれもあるため、内定後の採用取り消しには慎重になるべきです。
これは応募者(≒学生)側も同様で、内定を承諾した後に辞退する場合は、少なくとも入社2週間前にその意思を会社に伝えなければなりません。また、内定後は労働契約が成立するため取り消しは難しいものの、内定承諾後の採用取り消しがまったくできないわけではありません。詳細は後述します。辞退手続きの違い
上述しましたが、内定承諾後は労働契約が成立するため、企業側・応募者ともに法的な拘束を受けます。
企業側は社員を自由に解雇できないのと同様、内定を自由に取り消すことは原則できません。応募者側も同様、内定辞退する場合は社員と同様に、入社の2週間前までにその意思を会社に伝える必要があります。
一方、内々定の段階では法的な拘束力が発生しないため、より簡単に内定を辞退されてしまうおそれがあります。企業側としては内々定を伝えた段階から、内定を出した相手が辞退しないようフォローを行った方が良いでしょう。企業側が内々定を取り消す際の注意点これまでもお伝えしたとおり、内々定の段階なら企業側は原則自由に内々定を取り消せます。ただし下記のようなトラブルが発生するリスクがあるため、慎重に考えるべきです。- 学生とトラブルに発展するおそれがある
- 訴訟に発展するおそれがある
- 自社の評判が低下するおそれがある
各リスクについて、詳細を解説します。学生とトラブルに発展するおそれがある
一方的に内々定を取り消してしまうと、学生との間でトラブルに発展するおそれがあります。学生は来年入社するつもりで準備を進めているはずです。そのなかで突然「やはり内々定は取り消しです」となると、学生の今後の進路が大きく変わりかねません。
ただし、学生側に問題があったり企業側にやむを得ない事情があったりする場合は、内々定もしくは内定の取り消しが認められる場合もあります。詳しくは後述します。
しかし安易な内々定の取り消しは、学生に深刻な影響を与えてしまうおそれがあるため、慎重に判断すべきです。訴訟に発展するおそれがある
内々定の段階でも、状況によっては内々定の取り消しが問題となり損害賠償が認められる場合もあります。たとえば、内定を出す直前になって内々定を取り消した企業に対して学生側が訴訟したところ、内々定の取り消しは違法として企業側への損害賠償請求が言い渡された事例があります。
ただし、よほど直前の内々定の取り消しでない限り法的には問題ありません。自社の評判が低下するおそれがある
内々定の取り消しが法的に問題ないからと安易に考えていると、自社の評判が悪くなり将来の採用活動に悪影響を与えてしまうおそれがあります。
近年では、学生は就活口コミサイトやSNSの情報、インターネットの記事を頻繁にチェックしています。そのため内々定を取り消された学生がネットに口コミを掲載したり、問題になってニュースになったりした場合、自社の評判が悪くなってしまいかねません。
また、学校側も内々定を取り消された情報を把握しているため、今後その学校から学生を採用するのが難しくなってしまうリスクがあります。このようなリスクを考慮して、内々定の取り消しには慎重な対応を行いましょう。企業側が内々定を取り消すケース企業側からの内々定取り消しは、法的に問題がなくてもさまざまなトラブルを引き起こしかねないことが分かりました。ただし、内々定はもちろん、内定を通知した後でも採用を取り消せる場合があります。具体的には以下のケースです。- 経営が著しく悪化している
- 学校を卒業できなかった
- ケガや病気により就業が難しくなった
- 学生側に問題が発生した
それぞれ詳しく解説します。経営が著しく悪化している
会社が経営危機に陥るほど状況が悪化した場合、内々定・内定を取り消しても合法とされる場合があります。これは社員にも同様に適用され、経営状態が著しく悪い場合は、状況次第ですがリストラが認められる場合があります。
ただし、解雇や内定取り消しが認められるほど経営状態が悪化している企業は、近いうちに倒産しても不思議ではない状態です。学生側の視点で考えると、入社後すぐ倒産して転職活動を余儀なくされるよりは、かえってラッキーな状況といえるかもしれません。学校を卒業できなかった
新卒採用ならではの問題ですが、学生によっては予定どおり学校を卒業できず留年する人もいます。この場合、企業側は内定を取り消しても合法と判断される場合が高くなります。
無事に学校を卒業できるよう、特に大学生には、余裕を持って単位を取っておくよう促しましょう。ケガや病気により就業が難しくなった
内定を出した学生の体調が悪化し、就業できる見込みが立たない場合は内定を取り消せる可能性が高くなります。
ただし「ケガや病気をしたからすぐに内定を取り消す」のはトラブルになりかねません。相手の状況を見極め、入社しても勤務できない・仕事に耐えられない状態と判断できる場合は、内定の取り消しを検討しましょう。学生側に問題が発生した
学生側に落ち度があった場合、内容次第では内定を取り消す正当な理由になります。たとえば以下の理由に当てはまる場合、内定取り消しが認められる可能性が高いといえます。- 前科があるにもかかわらず選考では隠していた
- 重大な犯罪行為を行った
- 履歴書の内容に重大なウソがあった
前科の有無を確認するため、履歴書には「賞罰」欄があるフォーマットを指定すると良いでしょう。面接中に直接確認しても問題ありません。また、内定を出した後に犯罪行為などが行われた場合も、内定を取り消す正当な理由になります。
他にも、履歴書の内容に重大なウソがあった場合も内定取り消しの理由となります。ただし経歴詐称など、大きなウソが発覚した場合に限られます。軽微なウソの場合は、内定取り消しが違法と判断されるおそれもあるため、慎重に判断しましょう。内々定とは何かを理解して採用活動を進めよう本記事では内々定について解説しました。内々定は法的な拘束力がほとんどないため、原則として応募者は自由に辞退しやすい状態です。企業側としては、応募者に辞退されないよう入社前にフォローを行うことが重要です。
また、内々定を企業側から取り消すと問題になる可能性がある点にも注意しましょう。内々定とは何かを理解し、円滑に採用活動を進めてください。
人材採用は「内々定(内定)を出したから終わり」というものではありません。入社した応募者が定着して仕事で活躍することで、はじめて人材採用に成功したといえます。新人の定着にお悩みの方は、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して戦略的な人事を実施してみませんか。
【無料ダウンロード】新卒研修時期向けのコンピテンシー診断の活用ヒント資料
内々定の段階では一般的に「労働契約が成立していない」と判断されるため、退職に関する法的な拘束力の適応範囲外になります。一方で「内定」は労働契約が成立したと判断されるため、既に働いている社員と同じく、企業側の都合で一方的に解雇・採用取り消しはできません。
そのため法的には、内々定の段階であれば原則的には自由に内々定を取り消せます。ただし一方的な内々定の取り消しは、学生や学校との間でトラブルに発展しかねません。仮に訴訟された場合、状況によっては「内々定の取り消しは違法」と判断され、損害賠償請求が認められる場合もあります。
企業側から内々定を取り消すときは、弁護士とも相談したうえで慎重に判断しましょう。
一方、学生が内定を承諾した後には「労働契約が成立した」と見なされるため、会社都合での内定取り消しは大きな問題となりかねません。場合によっては訴訟に発展し慰謝料を請求されるおそれもあるため、内定後の採用取り消しには慎重になるべきです。
これは応募者(≒学生)側も同様で、内定を承諾した後に辞退する場合は、少なくとも入社2週間前にその意思を会社に伝えなければなりません。また、内定後は労働契約が成立するため取り消しは難しいものの、内定承諾後の採用取り消しがまったくできないわけではありません。詳細は後述します。
企業側は社員を自由に解雇できないのと同様、内定を自由に取り消すことは原則できません。応募者側も同様、内定辞退する場合は社員と同様に、入社の2週間前までにその意思を会社に伝える必要があります。
一方、内々定の段階では法的な拘束力が発生しないため、より簡単に内定を辞退されてしまうおそれがあります。企業側としては内々定を伝えた段階から、内定を出した相手が辞退しないようフォローを行った方が良いでしょう。
これまでもお伝えしたとおり、内々定の段階なら企業側は原則自由に内々定を取り消せます。ただし下記のようなトラブルが発生するリスクがあるため、慎重に考えるべきです。
- 学生とトラブルに発展するおそれがある
- 訴訟に発展するおそれがある
- 自社の評判が低下するおそれがある
各リスクについて、詳細を解説します。
学生とトラブルに発展するおそれがある
一方的に内々定を取り消してしまうと、学生との間でトラブルに発展するおそれがあります。学生は来年入社するつもりで準備を進めているはずです。そのなかで突然「やはり内々定は取り消しです」となると、学生の今後の進路が大きく変わりかねません。
ただし、学生側に問題があったり企業側にやむを得ない事情があったりする場合は、内々定もしくは内定の取り消しが認められる場合もあります。詳しくは後述します。
しかし安易な内々定の取り消しは、学生に深刻な影響を与えてしまうおそれがあるため、慎重に判断すべきです。
ただし、学生側に問題があったり企業側にやむを得ない事情があったりする場合は、内々定もしくは内定の取り消しが認められる場合もあります。詳しくは後述します。
しかし安易な内々定の取り消しは、学生に深刻な影響を与えてしまうおそれがあるため、慎重に判断すべきです。
訴訟に発展するおそれがある
内々定の段階でも、状況によっては内々定の取り消しが問題となり損害賠償が認められる場合もあります。たとえば、内定を出す直前になって内々定を取り消した企業に対して学生側が訴訟したところ、内々定の取り消しは違法として企業側への損害賠償請求が言い渡された事例があります。
ただし、よほど直前の内々定の取り消しでない限り法的には問題ありません。
ただし、よほど直前の内々定の取り消しでない限り法的には問題ありません。
自社の評判が低下するおそれがある
内々定の取り消しが法的に問題ないからと安易に考えていると、自社の評判が悪くなり将来の採用活動に悪影響を与えてしまうおそれがあります。
近年では、学生は就活口コミサイトやSNSの情報、インターネットの記事を頻繁にチェックしています。そのため内々定を取り消された学生がネットに口コミを掲載したり、問題になってニュースになったりした場合、自社の評判が悪くなってしまいかねません。
また、学校側も内々定を取り消された情報を把握しているため、今後その学校から学生を採用するのが難しくなってしまうリスクがあります。このようなリスクを考慮して、内々定の取り消しには慎重な対応を行いましょう。
近年では、学生は就活口コミサイトやSNSの情報、インターネットの記事を頻繁にチェックしています。そのため内々定を取り消された学生がネットに口コミを掲載したり、問題になってニュースになったりした場合、自社の評判が悪くなってしまいかねません。
また、学校側も内々定を取り消された情報を把握しているため、今後その学校から学生を採用するのが難しくなってしまうリスクがあります。このようなリスクを考慮して、内々定の取り消しには慎重な対応を行いましょう。
企業側が内々定を取り消すケース企業側からの内々定取り消しは、法的に問題がなくてもさまざまなトラブルを引き起こしかねないことが分かりました。ただし、内々定はもちろん、内定を通知した後でも採用を取り消せる場合があります。具体的には以下のケースです。- 経営が著しく悪化している
- 学校を卒業できなかった
- ケガや病気により就業が難しくなった
- 学生側に問題が発生した
それぞれ詳しく解説します。経営が著しく悪化している
会社が経営危機に陥るほど状況が悪化した場合、内々定・内定を取り消しても合法とされる場合があります。これは社員にも同様に適用され、経営状態が著しく悪い場合は、状況次第ですがリストラが認められる場合があります。
ただし、解雇や内定取り消しが認められるほど経営状態が悪化している企業は、近いうちに倒産しても不思議ではない状態です。学生側の視点で考えると、入社後すぐ倒産して転職活動を余儀なくされるよりは、かえってラッキーな状況といえるかもしれません。学校を卒業できなかった
新卒採用ならではの問題ですが、学生によっては予定どおり学校を卒業できず留年する人もいます。この場合、企業側は内定を取り消しても合法と判断される場合が高くなります。
無事に学校を卒業できるよう、特に大学生には、余裕を持って単位を取っておくよう促しましょう。ケガや病気により就業が難しくなった
内定を出した学生の体調が悪化し、就業できる見込みが立たない場合は内定を取り消せる可能性が高くなります。
ただし「ケガや病気をしたからすぐに内定を取り消す」のはトラブルになりかねません。相手の状況を見極め、入社しても勤務できない・仕事に耐えられない状態と判断できる場合は、内定の取り消しを検討しましょう。学生側に問題が発生した
学生側に落ち度があった場合、内容次第では内定を取り消す正当な理由になります。たとえば以下の理由に当てはまる場合、内定取り消しが認められる可能性が高いといえます。- 前科があるにもかかわらず選考では隠していた
- 重大な犯罪行為を行った
- 履歴書の内容に重大なウソがあった
前科の有無を確認するため、履歴書には「賞罰」欄があるフォーマットを指定すると良いでしょう。面接中に直接確認しても問題ありません。また、内定を出した後に犯罪行為などが行われた場合も、内定を取り消す正当な理由になります。
他にも、履歴書の内容に重大なウソがあった場合も内定取り消しの理由となります。ただし経歴詐称など、大きなウソが発覚した場合に限られます。軽微なウソの場合は、内定取り消しが違法と判断されるおそれもあるため、慎重に判断しましょう。内々定とは何かを理解して採用活動を進めよう本記事では内々定について解説しました。内々定は法的な拘束力がほとんどないため、原則として応募者は自由に辞退しやすい状態です。企業側としては、応募者に辞退されないよう入社前にフォローを行うことが重要です。
また、内々定を企業側から取り消すと問題になる可能性がある点にも注意しましょう。内々定とは何かを理解し、円滑に採用活動を進めてください。
人材採用は「内々定(内定)を出したから終わり」というものではありません。入社した応募者が定着して仕事で活躍することで、はじめて人材採用に成功したといえます。新人の定着にお悩みの方は、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して戦略的な人事を実施してみませんか。
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ただし、解雇や内定取り消しが認められるほど経営状態が悪化している企業は、近いうちに倒産しても不思議ではない状態です。学生側の視点で考えると、入社後すぐ倒産して転職活動を余儀なくされるよりは、かえってラッキーな状況といえるかもしれません。
無事に学校を卒業できるよう、特に大学生には、余裕を持って単位を取っておくよう促しましょう。
ただし「ケガや病気をしたからすぐに内定を取り消す」のはトラブルになりかねません。相手の状況を見極め、入社しても勤務できない・仕事に耐えられない状態と判断できる場合は、内定の取り消しを検討しましょう。
他にも、履歴書の内容に重大なウソがあった場合も内定取り消しの理由となります。ただし経歴詐称など、大きなウソが発覚した場合に限られます。軽微なウソの場合は、内定取り消しが違法と判断されるおそれもあるため、慎重に判断しましょう。
本記事では内々定について解説しました。内々定は法的な拘束力がほとんどないため、原則として応募者は自由に辞退しやすい状態です。企業側としては、応募者に辞退されないよう入社前にフォローを行うことが重要です。
また、内々定を企業側から取り消すと問題になる可能性がある点にも注意しましょう。内々定とは何かを理解し、円滑に採用活動を進めてください。
人材採用は「内々定(内定)を出したから終わり」というものではありません。入社した応募者が定着して仕事で活躍することで、はじめて人材採用に成功したといえます。新人の定着にお悩みの方は、ミイダスのコンピテンシー診断を活用して戦略的な人事を実施してみませんか。
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