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中間管理職とは?仕事内容や求められる能力、育成方法を解説

「中間管理職とは、どのような仕事をするのだろうか」
「どのスキル・能力を持っている人物が中間管理職に適任だろうか」

と思うことはありませんか。

中間管理職は組織にとって要とも言える存在です。その仕事内容は多岐に渡り、業務上の責任も大きくなります。

当記事では新任の人事担当者に向けて中間管理職の仕事内容や求められるスキル、ストレスとの向き合い方などを解説します。中間管理職を育成する方法についても触れるので、人事業務の参考にぜひご一読ください。

なお、ミイダスでは経営者・役員200名と中間管理職200名を対象に「マネジメントに関する経営者・中間管理職の比較調査」をおこないました。調査から、経営者が中間管理職に求める役割や中間管理職に聞いた経営者が気づいていないと思う悩みなどが明らかになっています。

下記のお役立ち資料で結果を閲覧できますので、日々のマネジメントにぜひお役立てください。

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中間管理職とは?簡単に解説

部下に囲まれる中間管理職のイメージ
中間管理職は、組織において経営層と一般社員の間に位置する役割を担います。主な役割は、経営層の方針を理解し、それを部下に伝達して実行に移すことです。

中間管理職がいることによって上下のコミュニケーションが円滑になり、業務の効率化や生産性の向上が期待できます。組織において重要なポジションであるため、果たすべき役割には大きな責任が伴います。

中間管理職と聞くと組織のマネジメントだけを担うとイメージする人もいるでしょう。しかし、人手不足に陥っている企業においては、中間管理職の立場でありながらマネジメント業務と現場の実務を両方こなす「プレイングマネージャー」になってしまうケースも少なくありません。

中間管理職はどこから?役職の範囲

一般的に中間管理職は、課長クラスから部長クラスまでの役職が該当します。
  • 課長:部門内の特定の課を管理
  • 次長:部長の補佐
  • マネージャー:プロジェクトやチームを管理
  • 部長:部門全体の責任者
専門性を重視した組織体制の場合は、新規事業部長やマーケティングマネージャーのような役職が存在し、業務に応じて責任と権限が割り振られます。

中間管理職と管理職の違い

中間管理職は、管理職の一種です。管理職は、トップマネジメント・ミドルマネジメント・ロワーマネジメントに分けられ、中間管理職は「ミドルマネジメント」に該当します。
トップマネジメント会社全体の意思決定をする最上位の経営層。会長・社長・取締役員など。
ミドルマネジメントトップの意思決定を組織に浸透させ、現場との橋渡しを担う。課長から部長クラスまで。
ロワーマネジメント中間管理職からの指示で、現場の社員の管理や指導をする。係長・主任・チームリーダーなど。
係長や主任などはロワーマネジメントになるため、中間管理職に含めないのが一般的です。

中間管理職の主な仕事内容と役割

仕事中のビジネスパーソンのイメージ
中間管理職の主な仕事内容は下記のとおりです。
  • 部署内の意思決定
  • 部署間の調整と連携
  • トップマネジメントと現場の橋渡し
  • 部下の育成と評価
それぞれの仕事内容を見ていきましょう。

部署内の意思決定

中間管理職は、日々の業務における判断や中長期的な戦略の策定をおこないます。たとえば、ショッピングセンターの店舗管理部門で課長を務めるAさんは、新商品の仕入れ量や陳列方法などの最終的な意思決定を担当します。

また、現場の社員から上がってくる提案や問題に対して、迅速かつ適切な判断を下すことも求められるでしょう。中間管理職の意思決定によって部門や部署の方向性が定まり、円滑に業務を進めることができるのです。

部署間の調整と連携

自部署だけではなく、他部署との橋渡し役も担います。調整や連携をおこなうには、中間管理職の存在がなくてはなりません。

たとえば、大手メーカーの商品開発部門の部長Bさんは、営業部門や生産部門との連携を密におこない、新製品の開発スケジュール調整、予算配分などを実行しています。

部署間で意見の相違が生じた際には、双方の立場を理解したうえで適切に調整を図ることが大切です。プロジェクト全体や組織の利益が最大化するよう調整し、業績向上に寄与する役割を果たします。

トップマネジメントと現場の橋渡し

中間管理職は、トップマネジメントが決定した方針や戦略を理解し、現場レベルで実行できるように橋渡しすることもあります。

人事部門のマネージャーCさんは経営層が掲げた「働き方改革」の方針を受け、残業時間の削減やハイブリッドワークの実施など、現場目線に立った具体的な施策を立案して実行します。

また、現場の状況や課題を経営層に報告し、経営判断に必要な情報を提供するのも役割です。トップマネジメントと現場をつなぐ重要な役割を果たすのが中間管理職と言えます。

部下の育成と評価

部下の育成と評価も中間管理職の仕事です。部署内のメンバーの成長に応じて育成計画を立て、適切に業務を割り振ります。

定期的に面談を実施し、部下の目標設定や進捗確認もおこないます。良かった点や改善点をフィードバックし、次の成長につながるような支援・アドバイスが大切です。

人事評価においては公平かつ客観的な視点で各メンバーの働きぶりや貢献度を評価し、モチベーション向上につなげるのも役割です。

中間管理職に求められる5つの能力・スキル

ミーティング中の中間管理職
中間管理職に求められる能力・スキルには、下記の5つがあります。
1. リーダーシップ
2. マネジメント能力
3. コミュニケーション力
4. 問題解決能力
5. リスク管理能力

1. リーダーシップ

中間管理職には、チームの目標達成に向けて部下を導くリーダーシップが必要です。困難だと思われる高い目標でも、前向きな姿勢でモチベーションを維持できるようメンバーを引っ張っていく力が求められます。

「あのリーダーについていきたい」と部下から思ってもらえるような、信頼と責任感のある人材が適任です。

2. マネジメント能力

効率的に業務を進め、目標に対する成果を出すために、人材・時間・予算などの資源を適切に管理するマネジメント能力が求められます。

たとえば製造業の生産管理を担う中間管理職の場合には、生産スケジュールの調整や適切なポジションに人員配置するスキルが必要です。

また、目標に対するKPIを設定し、定期的に進捗を確認します。限られた資源のなかで最大の効果を生み出し、組織の生産性向上を図ります。

そのためには、個々のメンバーの強みを活かした役割分担をしたり、メンバー間で協力しやすいように体制を構築したりすることが欠かせません。

3. コミュニケーション力

経営層と現場の橋渡しをしたり、部署内で適切な意思決定をしたりするには、コミュニケーション力が不可欠です。

相手にわかりやすく情報を伝える、現場の声を吸い上げて上司に提言するなど、各方面に向けて適切なコミュニケーションが求められます。

中間管理職がコミュニケーションを滞らせてしまうと、業務に影響を及ぼす可能性があるほど重要な側面です。

4. 問題解決能力

現場では、日々さまざまな問題が発生します。そのなかで適切かつ迅速に解決策を見出す能力が必要です。

たとえば、開発中のシステムの納期が前倒しになり、急遽、人員を確保しなければならない状況になったとしましょう。このような急な状況下でも、製品のクオリティは落とさずに開発を完了させ、顧客に提供しなければなりません。

中間管理職は他部署に応援を要請したり、外部リソースの活用を上長に提案したりして人員を確保します。さらに、開発スケジュールの再調整も必要になるでしょう。

発生した問題に対して柔軟かつ適切に対応し、解決する能力が求められます。

5. リスク管理能力

これから起こりうるリスクを予測し、対処する能力も大切です。どのようなリスクが起こりうるのかを洗い出し、業務とのバランスも考えながら事前に対策を実施します。

リスクを回避をするために、関係部署との連携が必要になることもあるでしょう。その際には中間管理職が間に入って調整をします。

適切なリスク管理を実施することにより、組織の持続的な成長と安定性の確保につながります。

中間管理職に向いている人

一般的に中間管理職に向いている人は、下記のような人です。
  • 責任感が強い
  • 目標達成意欲が高い
  • 誰とでも円滑な意思疎通ができる
  • チームを率いるリーダーシップがある
  • 中長期的な視点で戦略を立てられる
  • ストレス耐性が高い
とはいえ、企業のカルチャーや職種などによって中間管理職に求める人材の条件は異なるため、上記のような人がそのまま当てはまるとは限りません。

また、それぞれの人材が持つ適性や能力も異なるものです。主観的に「向いている」と判断するのではなく、客観的な視点で個々の適性や能力まで把握したうえで中間管理職に向いているかどうかを評価する必要があります。

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【関連記事:コンピテンシー診断とは?ツールの使用方法や導入事例も解説

中間管理職が直面するストレス要因と対処法

悩むビジネスパーソン
中間管理職は責任とプレッシャーが大きくなる分、ストレスに直面することも多くなります。たとえば、下記のようなことがストレスの種になりやすいでしょう。
  • 上司と部下との板挟み
  • 多様な業務の増加
  • 部下と自身のメンタルヘルスケア
中間管理職が感じやすいストレス要因と対処法を、それぞれ見ていきましょう。

上司と部下との板挟み

中間管理職は、上司の方針と部下の意見の間で板挟みになりやすい立場です。

経営陣から厳しいコスト削減を求められる一方で、現場からはDX化を実現するためのシステム導入を求められるといったことが一例として挙げられます。

相反する意見をより良いところで着地させなければならず、議論が平行線をたどる状況が続けば心身の負担になるでしょう。
【対処法】
・双方の意見に耳を傾け、密なコミュニケーションを取る
・両者の立場を十分に理解し、共通点を見出す
・データや事実に基づいた客観的な提案をする
・段階的に提案をし続け、最終的に双方の合意を得る手段を取る
ときには上長や同じ立場の同僚に相談するなど、一人で抱え込まないことが大切です。

多様な業務の増加

中間管理職は、マネジメントに加えて対外的な折衝をしたり、現場に関わったりすることもあり、多岐に渡る業務をこなす必要があります。人員と時間が足りないことのしわ寄せは、中間管理職に集中しがちです。

長時間労働や休日出勤をせざるを得ない場合には、ワークライフバランスが崩れてしまい、本来は発揮できるはずのパフォーマンスの低下を引き起こす可能性があります。
【対処法】
・業務に優先順位を付けて整理する。必要なときは適切に部下へ割り振る
・戦略的にやらないことを決める
・業務効率化のデジタルツールを導入し、属人化を回避する
・部下を育成し、権限委譲する
これらの実践で中間管理職の負担を減らすことができ、パフォーマンス向上につながります。

なお、権限委譲のポイントは下記の記事で解説しています。あわせてご一読ください。

【関連記事:権限委譲とは?導入の目的やメリット、やり方を解説

部下と自身のメンタルヘルスケア

部下のメンタルヘルスケアの重要性が高まり、中間管理職の責務となっています。ストレス過多な状況が続くことにより、メンタル低下を引き起こし、業務効率や生産性に影響を及ぼすため適切なケアが必要です。

部下のメンタルヘルスケアの一例には、下記のようなものがあります。
  • 定期的な1on1ミーティングの実施
  • オープンなコミュニケーション環境の構築
  • ストレスに対処するための研修実施
部下の様子に気を配り、メンタル低下の早期発見と適切な対応が求められます。

しかし部下だけではなく、中間管理職自身も大きなストレスやプレッシャーを抱えることが多いのも事実です。中間管理職の上長やトップマネジメントが率先して、中間管理職に対するメンタルヘルスケアを実施することも重要です。

中間管理職となる人材を育成する方法

中間管理職候補のイメージ
中間管理職の業務負担を軽くしたり、組織のさらなる成長を促したりするには、次世代の中間管理職候補を育成することも重要です。中間管理職となる人材を育成するポイントは次のとおりです。
  • キャリア目標を明確にする
  • 実践的な研修を導入し、段階的なスキル習得をバックアップする
  • メンタルヘルスケアやストレスマネジメントを学んでもらう
それぞれ見ていきましょう。

キャリア目標を明確にする

「どのような中間管理職になりたいのか」「中間管理職になって何を成し遂げたいのか」など、今後のキャリア目標を明確に定めます。そのうえで目標達成に必要となる具体的な数値目標を決めていきます。

四半期ごとの短期目標、年間の中期目標、3~5年の長期キャリア目標があると、進みたい方向がより具体的になるでしょう。

実践的な研修を導入し、段階的なスキル習得をバックアップする

中間管理職に必要なスキルを習得してもらうために、実践的な研修を導入するのも効果的です。研修の例には下記のようなものがあります。
  • リーダーシップ研修やマネジメント研修を実施する
  • 新人育成の機会を提供する
  • プロジェクトリーダーとしての役割を付与する
座学だけではなく、学びを実践できる機会を与えることがポイントです。

段階的なスキル習得を支援するには、オンボーディング施策を導入する方法があります。オンボーディングというと新人向けのように感じるかもしれませんが、中間管理職に必要な知識・スキルを継続的に習得させ、レベルアップを図るには有効な施策です。

オンボーディングのなかで研修の受講や上長との定期面談の実施などを設定し、継続的にフォローする体制を構築します。適切なフォローがあることで、モチベーションを維持した状態で人材の育成を促せます。

オンボーディングの詳細は下記の記事をご覧ください。

【関連記事:オンボーディングとは?目的や効果、具体例などをまとめて解説

メンタルヘルスケアやストレスマネジメントを学んでもらう

中間管理職になると部下をケアする存在になります。部下の悩みに寄り添い、メンタル面やモチベーションの変化に気づいてあげる必要があるのです。

部下の変化への対処が遅れると、チームの生産性が落ちたり、離職を招いたりする場合があるため、中間管理職になる前にメンタルヘルスケアやストレスマネジメントについて知る機会を与えることが重要です。

より良い職場環境を構築し、部下に働きがいをもって活躍してもらうために、中間管理職の育成段階からの対策が求められます。

ストレスマネジメントの方法については以下の記事を参考にご覧ください。

【関連記事:ストレスマネジメントのやり方とは?効果と改善事例を解説

中間管理職の一般的な年齢層と年収の傾向

笑顔のビジネスパーソン
「中間管理職の平均年齢や年収を知りたい」と思う方もいるのではないでしょうか。企業や業務内容によって異なる部分もあるため一概には言えませんが、統計データから一般的な傾向をご紹介します。

中間管理職の平均年齢

厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、部長・課長の平均年齢は下記のようになっています。
  • 部長級:52.8歳
  • 課長級:49.2歳
およそ50歳前後で中間管理職に就く傾向があると言えます。

参考:令和5年賃金構造基本統計調査 役職別にみた賃金|厚生労働省

ジョブ型の雇用や成果型の評価制度を導入している場合は、もっと早い年齢で中間管理職に昇進する可能性もあるでしょう。

【関連記事:ジョブ型雇用の特徴とは?メリット・デメリット、導入の注意点を解説

中間管理職の平均年収

同調査によると、中間管理職の平均賃金は以下のようになっています。
  • 部長級:596,000円
  • 課長級:490,800円
単純に12倍すると部長級は約715万円、課長級は約589万円になるため、この数値が平均年収の目安になるでしょう。

中間管理職の年収は、責任の重さ、経験の長さ、業績への貢献度などで決まると言われています。

中間管理職の男女比率

厚生労働省の令和5年度雇用均等基本調査によると、管理職等に占める女性の割合は部長相当職で7.9%、課長相当職で12.0%でした。前年と比較してほぼ横ばいの推移となっており、圧倒的に男性の中間管理職のほうが多い状況が続いていると言えます。

10年前との比較では女性管理職は増加傾向にありますが、世界各国と比べると高いとは言えないのが現状です。

参考:令和5年度雇用均等基本調査|厚生労働省

活躍できる中間管理職を育成し、配属しよう

ガッツポーズする男女のビジネスパーソン
中間管理職の仕事内容や求められるスキル、ストレスとの向き合い方などを解説しました。

中間管理職の仕事は多岐に渡り、マネジメントと現場を兼務しなければならないこともあります。新任の人事担当者は中間管理職の仕事内容やストレスの大きさを理解し、適切なサポートをしていくことが重要です。

中間管理職になる人材に活躍してもらうには、各個人の能力や適性を把握し、適切な人を抜擢する必要があります。とはいえ、普段の仕事ぶりからは潜在的に持つ能力までは見えにくいため、客観的な評価ができる「コンピテンシー診断」などの活用がおすすめです。

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