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採用

アセスメントを活用して現状把握することで 組織コンディションの課題がクリアになる!

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中途採用に関する意識と実態に関する、ミイダス独自のアンケート調査を実施

元・日本能率協会の山崎賢司氏が専門家目線で解説

国内主要12都市に勤める、20~69歳・課長職以上・中途採用に携わった経験のある方500人に対して、ミイダス独自のインターネット調査を実施しました。採用に関する項目に加え、社内育成や離職にも調査の幅を広げたところ、「能力開発はコストに見合わない」、「人員配置は不足人員の埋め合わせが目的」など、「管理職の悲痛な叫び」ともとれるネガティブな結果が浮き彫りになりました。本調査から見えてきた企業の実態をもとに、それぞれの課題に対してアセスメントがどのように関与できるのか、元・日本能率協会の山崎賢司氏が専門家の目線で解説します。
<調査概要>
人材サービスに関する調査
調査期間:2020年8月29日~2020年8月30日
調査対象:主要都市に勤める、20~69歳・課長職以上・中途採用に携わった経験のある方
調査数 :500人
調査方法:WEBアンケート
*主要都市=札幌、仙台、さいたま、東京、川崎、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡

能力開発のコスト、「高いと感じる」「効果が無い」とネガティブな回答が半数以上

 社員の能力開発にあたってのコスト面の評価を聞いたところ、ネガティブな回答が半数以上(53.8%)でした。その一方でコストに見合った効果を感じている(23.6%)、長期的な投資の結果として効果を感じている(21.2%)のポジティブな回答は44.8%でした。
ない論理的思考力やマネジメント力など、いわゆるポータブルスキルはそれぞれ2割程度となっています。
 なお、回答がトップであった担当業務に必要な知識は、半数以上(58.4%)が3か月未満で習得できると回答しました。
 このように比較的容易に習得できるスキル、つまりコストをあまりかけなくても良い能力と、逆にポータブルスキルのように習得が難しく、コストに見合った効果が見えにくい能力については、コスト面で厳しい評価がされているのかもしれません。
「業務知識は育成により向上させやすい能力であると、事業マネージャーの多くが実感しているようですね。一方、ポータブルなスキルに関しては、そもそも能力開発への期待が低いのではないでしょうか。ポータブルスキルも、育成によってある程度は向上させることが可能です。しかし、間接的で長期的なものなので、証明が難しく、コスパが悪いという感覚に陥ってしまうのだと思います。また、このアンケート調査と実態の矛盾点も気になった点のひとつです。業務知識は日々のOJTでも向上させやすい能力であると理解しているにも関わらず、即戦力人材を求めるあまり経験や業務知識のあるなしで採用人材の見極めを行ってしまっている中小企業は少なくありません。人材不足という課題解決に焦るあまり、上下関係適正など組織と個人のフィットを無視した採用を続けてしまう実態。これは、次の調査結果とも関係する問題だと思っています」
株式会社シナプスLab.代表取締役 山崎賢司氏

人材配置は不足人員の埋め合わせが最優先。適性での配置は2割未満

 人材の配置について、どのような観点で実施しているか聞いたところ、欠員等による不在をなくす(23.0%)、稼働を平準化する(20.8%)と不足人員を埋め合わせる目的で実施しているケースが43.8%でした。人材そのものに着目した観点では、人材の適性に合わせる(18.8%)、人材を育成する(18.4%)でした。
 目先の対応に追われて、人材を活かす観点が疎かになっているのかもしれません。
「業務に対して人材の余裕がなく、慢性的な人材不足に悩む企業は、人員配置は欠員を補うことが目的となってしまいます。そもそも欠員が出ているということは、離職が起こっているということ。その離職が定年退職や女性のライフイベントによるものではなく、企業側が想定できていなかったケースの場合、その埋め合わせはスピード重視になり、適材適所は二の次、三の次になってしまいます。とりあえず人を採用しないといけないという状況は、企業にとって大きな問題です。そのような事態を避けるためにも、アセスメントによって組織の状態を把握しておく必要があります。仮に急な欠員が出た場合でも、ミイダスの「コンピテンシー診断」や「フィッティング人材分析」で組織の状態を把握していれば、どのような人材を採用すべきか迅速かつ明確に対応しやすくなります
株式会社シナプスLab.代表取締役 山崎賢司氏

離職の本当の理由は… 分かる50% vs 分からない50%

 退職者が離職の本当の理由を伝えていると思うかを聞いたところ、なんと50%ずつに回答が分かれました。気になる本当の理由は、トップが人間関係の問題で25.2%、次いで家庭等、一身上の都合が20.4%、スキル・年収アップが19.6%でした。
「退職者本人も、自分が会社を辞めたいと思う理由がわかっていないことが多いです。複数の不満やストレスが蓄積して、何が原因なのか本人ですら特定するのが難しいからです。退職マネジメントの考え方は、退職が双方にとってハッピーだったというストーリーをどれだけ作れるかが重要。フィットしない環境にいるのであれば、適材適所を求めて転職したほうが幸せなはずです。それは企業側にとっても言えることですよね。だからこそ企業側は、退職を悪としない退職マネジメントに取り組む必要があります。この退職マネジメントができていると、ネガティブに突然辞める人が激減します。お互いがハッピーな別れ方をするときは、話し合いがあり、双方が納得したうえで退職時期が決まるからです。「2週間後に辞めてやる」というような喧嘩別れでは、人員計画が立てられず、埋め合わせの配置が発生してしまいます。アセスメントにより企業側が社員のことを把握し、組織の状態を把握していれば、退職リスクを事前に察知することができ、突発的な離職を減らすことができるのではないでしょうか」
株式会社シナプスLab.代表取締役 山崎賢司氏

組織の課題解決、現場重視するも客観的な取り組みは少数

 離職が続く、生産性が下がるなど、組織コンディションの課題が顕在化した場合に、どのような手段をとるか聞いたところ、現場をヒアリングする(41.2%)、責任者や関係者で議論する(34.0%)の回答でした。
 ここでは現場を重視する姿勢がうかがえます。しかしながら、第三者からの助言を受けたり(4.0%)、ツールを導入する(1.8%)など、客観的なアプローチを行うケースはまだ少数派のようです。
「組織コンディションの課題が顕在化したときに、アセスメントにより組織の状態を把握できていたか否かで、打ち手が変わってくると思います。現状を把握できていないまま課題が顕在化すれば、どのような対処をすべきか判断する術もなく、とりあえず「現場にヒアリングする」という手段をとるのだと思います。ある日突然、問題が0から100に悪化することはありません。特に人間関係においては、悪くなりそうなサインやシグナルがあります。事態の深刻度が100になったときに現場ヒアリングを実施しても、まったく意味がありません。先ほどの退職マネジメントの話にも通じますが、アセスメントで個人の特性や組織とのフィット具合を理解してコミュニケーションを図っていれば、異動や配置による具体的な解決策が見つかるケースは少なくありません。アセスメントを導入する際は、企業側や上司側だけがアセスメント情報を握るのではなく、職場や社員にどのようにフィードバックされるかが重要です。組織内で情報格差が生まれないように、上手な使い方をしていきましょう」
株式会社シナプスLab.代表取締役 山崎賢司氏

総論

従来型企業が抱えるリスクと今後の打ち手について

今回の調査によって、現場管理職の“やるせなさ”が浮き彫りとなりました。これは決して「他社も同様だから仕方ないよね」というものではなく、見過ごせない経営レベルのリスクであることを認識する必要があると思います。
顕在的なリスクとして、たとえば早期の離職が進むことで採用コストが非常に高くつく点があります。また、ネガティブな離職は企業側にも離職者にもアン・ハッピーで、特に企業側には悪いブランドイメージが広がる点なども挙げられます。潜在的なリスクとしては、「採用者が職場や仕事にマッチする率は低いのが『当たり前」だ」という認識が蔓延する点です。これは採用だけに留まらず、異動・ローテーション、登用(新たなポスト)、育成などにおいても同様の認識が起こり得ます。すると、人事・組織の側面から見て硬直的にならざるをえず、大変なマイナスとなるリスクをはらんでいます。
今後の打ち手を考えるうえで重要なキーワードは「どのような」という問いです。例えばモチベーションや、バイタリティー、ストレス耐性という要件があるとすれば、それは高いに越したことはありません。しかしそんなスーパースターのような人材はなかなかいません。「どのような」ことにモチベーションが上がる人材なのか?「どのような」ことにバイタリティーがある人材なのか?「どのような」ことにストレスに耐性があるのか?…という、もう一段具体的に、現場の仕事・業務に合致した「どのような」…がイメージできるかどうかがポイントです。それらをイメージ・言語化できれば、人材要件の深掘りや、人材と職場・仕事とのフィット度合いを事前に見極められるようになるのではないでしょうか。
<プロフィール>
山崎賢司
株式会社シナプスLab. 代表取締役
明治大学政治経済学部卒業・英国ウェールズ大学経営大学院MBA
広島銀行、日本能率協会を経て2016年に独立。コンセプトメイクから各種ドキュメント化、(ビジョン設計から中長期戦略構築、人事制度設計・風土診断など)人事関連プロジェクトを支援している。

まとめ

  • 中途採用に関する意識と実態に関する、ミイダス独自のアンケート調査を実施
  • 能力開発のコスト、「高いと感じる」「効果が無い」とネガティブな回答が半数以上・人材配置は不足人員の埋め合わせが最優先。適性での配置は2割未満
  • 離職の本当の理由は… 分かる50% vs 分からない50%・組織の課題解決、現場重視するも客観的な取り組みは少数
  • 今後の打ち手を考えるうえで重要なキーワードは「どのような」という問い

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