カフェテリアプランとは、福利厚生の選択方式のひとつです。従業員が自主的に福利厚生を選べるため、従業員のニーズの多様化に伴って導入する企業が増えています。
本記事では、カフェテリアプランについて概要やメリット、導入の流れなどを解説します。カフェテリアプランが向いている企業の特徴も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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カフェテリアプランとは?
カフェテリアプランは日本では1990年代から導入され、近年になって注目度がより高まっています。少子高齢化により人材獲得競争が激化するなか、従業員の満足度を向上できるなどのメリットが期待できるためです。
カフェテリアプランの仕組みについて見ていきましょう。
カフェテリアプランの仕組み
従業員には「ポイント」などの名称で一定の予算が支給され、次のように利用します。
<ポイント利用の流れ>
- 企業が専用サイトなどでメニューを公開し、従業員にポイントを支給する
- 従業員はポイントの範囲内で利用したい福利厚生をメニューから選び、申請をする
- 企業が申請を承認すると、ポイントが消費される
ポイントは年に1、2回程度支給され、利用期限があるのが一般的です。多くの企業ではお互いに利用状況が把握できるよう、クラウド型の管理システムで一元管理を行っています。
従来型の「パッケージプラン」との違いは?
<カフェテリアプランとパッケージプランの主な違い>
| プラン名 | 特徴 |
|---|---|
| カフェテリアプラン | ・企業が福利厚生のメニューを設定 ・従業員は支給されたポイントの範囲内でメニューから自由に選び、自分だけのパッケージを作れる |
| パッケージプラン | ・さまざまな福利厚生がパッケージ化されたものが用意されている ・企業はそのなかから自社に合ったパッケージを選び、従業員に一律で提供する |
一方、カフェテリアプランは、従業員のライフスタイルや価値観が多様化してきた昨今、導入する企業が増えてきたプランです。
企業への導入割合はどれくらい?
企業規模別では次のとおりです。
<カフェテリアプラン導入企業の規模別分布>
| 計 | 500人未満 | 500~999人 | 1,000~2,999人 | 3,000~4,999人 | 5,000人以上 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 導入企業数と割合 | 104(100%) | 7(6.7%) | 6(5.8%) | 25(24.0%) | 16(15.4%) | 50(48.1%) |
カフェテリアプランは運営費用がかかるため、スケールメリットを活かしやすい大企業で導入される傾向があるものの、500人未満の企業でも導入実績があります。
また、同調査ではカフェテリアプランの導入企業数が緩やかに伸びていることも報告されています。今後は、はたらき方の多様化にともない、より多くの企業が導入を検討すると予想できるでしょう。
カフェテリアプランを導入するメリット
主なメリットとしては、次のようなものが考えられます。
- 従業員のエンゲージメントが向上する
- 福利厚生のコスト管理がしやすい
- 企業の想いを伝えられる
- 公平性を実現できる
従業員のエンゲージメントが向上する
たとえば、スキルアップを望んで資格取得の支援制度を選ぶ従業員もいれば、リフレッシュのために映画の割引チケットを望む従業員もいます。自身の状況や価値観、ライフスタイルなどに合った福利厚生を受けられるので、従業員の満足度が高まり、会社への愛着も育まれることが期待できます。
関連記事:従業員のエンゲージメントを高めるメリットとその方法とは?
福利厚生のコスト管理がしやすい
カフェテリアプランでは従業員に「ポイント」などとして一定の予算をあらかじめ支給します。そのため、福利厚生にかかる年間の全体予算の上限が明確になるのです。
また、従業員が自分で福利厚生メニューを選ぶので、不要なサービスに予算が割かれることなく、必要なサービスだけに予算を集中できます。結果的に無駄なコストの削減にもつながります。
企業の想いを伝えられる
たとえば、育児支援が充実している場合、「育児のサポートをしたい」という想いが感じられます。外部セミナーへの参加費補助は「個人のスキルアップを応援したい」という企業のメッセージとも受け取れるでしょう。
従業員はもちろん、投資家や取引先、求職者へのアピールにもなります。そのため、メニュー設計は企業の理念や価値観を反映させると効果的です。
公平性を実現しやすい
たとえば、多様なライフステージに対応できるメニューを設定しておけば、育児中の従業員はベビーシッターの利用料補助、親を介護している従業員は介護サービスの利用補助などと、各自がそのときに必要な福利厚生を選べます。
これにより、従業員全員が公平に福利厚生サービスを受けられるのです。
カフェテリアプランを導入した際のデメリット
主なデメリットは次の4つです。
- 管理・運営が複雑になる
- かえって不公平感を生むリスクもある
- 課税なのか非課税なのか分かりにくい
- コストがかかる
管理・運営が複雑になる
たとえば、導入するにはメニューやシステム、運用ルールの準備に工数が多く割かれます。「有効期限内にポイントを使い切れない場合は繰り越しを許可するのか」など、運用ルールを細かく設定する必要があります。
運用開始後は問い合わせや申請に対する処理、利用状況の定期的な確認、継続的な改善も欠かせません。ただし、外部の専門サービス会社に運営を委託すれば、これらの手間は省けます。
かえって不公平感を生むリスクもある
1年間分のポイントを支給され、期限内にポイントを消費できなかった従業員が「不公平だ」と感じてしまうケースなどです。
不公平感の発生を防ぐには、メニューを充実させることが重要です。ライフステージが似ていてもニーズは異なることが考えられます。ポイントの消化率を上げるためにメニューの申請方法を簡潔にし、ガイダンスを十分に行うのもよいでしょう。
課税なのか非課税なのか分かりにくい
課税対象なのか、そうでないのかが判別しやすいよう、制度設計の段階でメニューを明確に分け、従業員にも説明をして、理解を促す必要があります。
課税の対象になりやすいメニューや非課税になりやすいメニューは、本記事の後半「カフェテリアプランは課税、それとも非課税?」で解説します。
コストがかかる
システムの開発には、相当の費用がかかります。管理システムの導入後も、システムの改善費や運営のための人件費が発生します。
外部の専門サービス会社に委託すると委託料はかかっても、全体のコストは抑えられる場合もあります。コストについてはアウトソーシングも含めて、慎重に検討することが大事です。
カフェテリアプランの代表的なメニュー
<カフェテリアプランの代表的なメニューの例>
| 分野 | メニュー |
|---|---|
| 住宅・財産形成 | 確定拠出年金への拠出金補助、株式購入補助、貯蓄計画の支援、財形貯蓄奨励金、持株会奨励金、賃貸住宅の家賃補助、住宅ローン補助金、引っ越しサービス利用料補助、ファイナンシャルプランナー相談費補助など |
| 育児・介護 | 保育所や託児所での保育料補助、ベビーシッター利用料補助、マタニティ用品や育児用品購入費補助、ヘルパー利用料補助、デイサービス利用料補助、介護用品の購入費補助など |
| 健康・医療 | フィットネス施設やヨガスタジオの利用費補助、人間ドックや各種健診の法定検診のオプション追加費用補助、インフルエンザなどの予防接種費、カウンセラーによるメンタルヘルス相談など |
| 保険 | 自動車保険、火災保険、傷害保険、旅行保険など |
| 生活支援 | 通勤費、社員食堂の割引、ケータリングサービスの割引、子どもの教育費用補助、自社製品の購入補助、クリーニング代の割引、公共料金の支援など |
| 自己啓発 | 外部のセミナーや講座受講料補助、語学スクールの受講チケット、大学・大学院の学費補助、資格取得支援、自己啓発のための書籍購入費の補助など |
| 文化・レジャー | 旅行費補助、映画やコンサートのチケット割引、スポーツ観戦のチケット割引、アミューズメント施設の利用料補助、芸術鑑賞のためのCD・DVD購入費補助など |
サービスのなかから自社に合うものを選んだり、自社ならではの福利厚生サービスを考案したりして、メニューを設計します。
関連記事:福利厚生とは? 種類や導入するメリット、事例について分かりやすく解説【専門家監修】
カフェテリアプランのメニューを選ぶ際のポイント
カフェテリアプラン運用開始後も、利用率の低いメニューは見直し、常に魅力的なメニュー構成を維持する意識が求められます。
一般的には、幅広い層に利用機会があるメニューは、ポイント消化率が高くなる傾向があります。たとえば、旅行費補助、人間ドックの費用補助などです。逆に、対象者が限定されるサービスは、ポイント消化率が低い傾向にあります。
カフェテリアプランは課税、それとも非課税?
福利厚生費として非課税と認められるかどうかは、所得税基本通達の考え方に基づき、一般的に次のような条件を満たす必要があります[注3]。
- 金銭ではなく、サービスや現物などの形で提供されること
- 従業員全体を対象とした制度であり、特定の人のみを対象としないこと
- 社会通念上妥当な金額の範囲であること
ただし、これらの判断は極めて難しいものです。制度設計時には専門家に指導を仰ぐことが必須といえるでしょう。
[注1]出典:カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合|国税庁
[注2]出典:カフェテリアプランによる旅行費用等の補助を受けた場合|国税庁
[注3]出典:法令解釈通達>所得税基本通達>〔給与等に係る経済的利益〕|国税庁
課税の対象になりやすいメニュー
給与所得として課税対象と判断されやすいのは、経済的な利益を与えたとみなされるものです。たとえば、ポイントのキャッシュバック、財産形成貯蓄や個人年金保険料への補助、現金で支給される住宅手当などが該当します。
また、使い途が指定されておらず、ほぼ金銭のように使えるチケットも課税対象となる可能性が高いです。たとえば、商品券、プリペイドカード、ギフト券、電子マネーなどが該当します。
非課税になりやすいメニュー
飲食代の補助の他に、社員旅行などのレクリエーション費用は、参加対象が全従業員であること、旅行期間が概ね4泊5日以内であることなど一定の要件を満たす場合に非課税と扱われる可能性があります。また、健康維持をサポートするメニューや、自社の業務に取り組むために必要な研修費なども非課税となりやすいです。
いずれも従業員全員が公平に利用でき、社会通念上妥当と認められる範囲の費用である必要があります。
カフェテリアプランを導入する流れ
カフェテリアプランを導入する際の流れについて、特に注意したい点を含めて6ステップで解説します。
- STEP1:プランを設計する
- STEP2:必要に応じてアウトソーサーを選ぶ
- STEP3:税務上の取り扱いを認識する
- STEP4:従業員へガイダンスする
- STEP5:システムを導入する
- STEP6:フィードバックと改善を行う
STEP1:プランを設計する
定めた方向性をもとに、従業員のニーズに応えられるメニューを選びます。支給するポイント数は福利厚生の利用実績や予算とのバランスを考慮して決めると効果的です。プラン設計の段階でポイントの利用や制約、申請手続きのルールなども決めます。
STEP2:必要に応じてアウトソーサーを選ぶ
管理・運営業務の負荷やコストを考慮すると、アウトソーシングを選ぶ企業が多いようです。
アウトソーサー選定時の基準はシステムの使いやすさ、メニューの幅や専門性が特に重要です。さらにサポート体制や同業他社への導入実績などにも注目します。導入実績が豊富な業者なら、他社の成功事例を活かした制度設計も期待できます。
STEP3:税務上の取り扱いを認識する
また、カフェテリアプランの全体が給与とみなされ、従業員への課税対象となるケースもあるので注意します。
<カフェテリアプラン全体が課税対象となるケース>
- ポイントが役職や給与に比例して増えるなど、支給額が均等でない
- ポイントの支給額が著しく多い
- 支給されるポイントに換金性がある
税務上の取り扱いは判断が難しいため、税理士など専門家に確認することが重要です。
STEP4:従業員へガイダンスする
社内説明会を開くほか、イントラネット上でシミュレーション機能を持たせたり、マニュアルやQ&A集、利用事例集を公開したりするなど、従業員が随時確認できる環境を整えるのもよいでしょう。
カフェテリアプランの運用開始後も定期的にメールを配信するなどして、従業員への周知に努めます。
STEP5:システムを導入する
多くの企業では、ポイントの利用状況が把握でき、利用率などのデータを分析できる機能も備えたクラウド型の管理システムが利用されています。
システムはゼロから開発するとコストが高くなりがちです。そこで、アウトソーサーに委託し、既存の管理システムを活用して自社のカフェテリアプランに合うシステムを整えると、コストを抑えられる場合があります。
STEP6:フィードバックと改善を行う
システム上で利用状況を定期的に確認し、ニーズが低いメニューやポイントの支給額、運用ルール、申請手続きなどを見直します。従業員アンケートを実施し、従業員からフィードバックを受けるのもよいでしょう。
常にアップデートを図ることで、従業員のニーズに合うカフェテリアプランとなり、エンゲージメント向上や無駄なコストの削減につながります。
カフェテリアプランはどんな企業に向いている?
では、カフェテリアプランの利用が向いているのはどのような企業なのでしょうか。
主な特徴を3つピックアップして解説します。
- 従業員のライフスタイルがさまざまな企業
- 採用競争力を高めたい企業
- 福利厚生制度に課題がある企業
従業員のライフスタイルがさまざまな企業
特に、幅広い年齢層が混在する企業では、一人ひとりがニーズに合わせてサービスを選べるカフェテリアプランがフィットしやすいでしょう。組織の多様性が増すほど、画一的なパッケージよりも柔軟性の高い制度が求められるため、従業員の多い大企業のほうがカフェテリアプランの導入実績は多いようです。
一方で、中小企業でもカフェテリアプランへの関心は高まっています。中小企業は従業員の声を聞きやすい規模を活かし、満足度の高い制度をつくりやすいなどの利点があります。
採用競争力を高めたい企業
また、カフェテリアプランでは従業員が自主的に福利厚生を選べるので、自己実現が促進でき、暮らしに対する満足度も高まります。
「従業員のエンゲージメントが高い」「離職率が低い」といった点は応募者にとって安心材料となるはずです。
福利厚生制度に課題がある企業
自社で採用している現状の福利厚生制度に課題を感じているからこそ、従業員のニーズに真摯に向き合い、カフェテリアプランを効果的に運営していけます。
たとえば、「福利厚生制度が画一的なもので、従業員の満足度が低い」「福利厚生にかかる固定費を見直したい」といった課題は、カフェテリアプランの導入によって改善が見込めます。
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カフェテリアプランに関するよくある質問
- Q
カフェテリアプランとは?
- A
カフェテリアプランとは、いくつかの福利厚生サービスのなかから、利用したいものを従業員一人ひとりが選べる福利厚生制度のことです。
アメリカで考案され、カフェテリアで料理を注文するように福利厚生を選べることからその名がつきました。 - Q
カフェテリアプランを導入するメリットとは?
- A
カフェテリアプランを導入すると、従業員エンゲージメントを向上できたり、福利厚生のコスト管理がしやすくなったりします。
※本記事は2026年3月(監修時期)現在の内容に基づいて記載されたものです。

Officeまいとれいや代表/キャリアコンサルタント・産業カウンセラー
国家資格キャリアコンサルタントをはじめ、1級キャリアコンサルティング技能士や産業カウンセラーなどの資格を持つ。数々の企業で人材育成やキャリア開発を行い、2012年よりキャリアコンサルタントとして就職支援や就職後の定着支援を実施。2020年には「可能性を広げて納得できる働き方を!」を理念に60歳で起業。現在ではフリーで、就職・キャリア相談や研修講師などを行っている。






