活躍に大切なのはスキルや経験ではない? 新採用基準で挑む、NTTデータの中途採用戦略

【対談】 写真左)株式会社NTTデータ
第二公共事業本部 社会保障事業部
社保第三統括部 営業企画担当
課長 頓所 孝之 様

写真右)ミイダス株式会社
HRサイエンス研究所
所長
博士(教育学)神長 伸幸
TOPICS
    ビジネス環境の激変に対応するため、新たな視点での人材獲得を目指す企業が増えている。その中で「組織になじんで活躍してくれるだろうか?」「わずかな面接時間で、どうやって見極めればいいの?」などの不安を感じていないだろうか。そんな不安解消に有効なのが、ミイダスの「フィッティング人材分析」だ。 今回は、本サービスを活用して新たな中途採用に挑む株式会社NTTデータの頓所孝之氏と、ミイダス株式会社 HRサイエンス研究所 所長の神長伸幸氏のお二人に、これからの中途採用のあり方について語り合っていただいた。

本記事は、2020/10/14に東洋経済オンラインで掲載されたものです。

従来の基準での中途採用に限界?未経験者にも視野を広げたい

神長 中途採用にどのような課題を感じておられたのですか?

頓所 募集になかなかご応募いただけない、ピッタリな経歴を持つ人材がそもそも市場に少ないということです。私の所属は約20名で構成される営業企画担当部署。営業といっても医療保険領域、特にレセプトを中心としたシステム構築や、さまざまな課題解決を提案するコンサルテーション提案が主で、官公庁や関連団体が主なお客様です。当然、募集要項も「官公庁など公共組織向けに医療保険関連システムの営業折衝経験のある方」となるのですが、絶対数が少なく、なかなか応募自体を獲得できない。そこでもう少し視野を広げて、他業界の経験者でもお客様に真摯に向き合い、活躍していただけそうであればぜひお会いしたい、と考えていました。

神長 NTTデータさんは新卒採用に強い企業のイメージですが、中途採用も積極的なのですか?

頓所 新卒は毎年400~500名規模で採用してきたのに対し、中途採用は年間10~20名ほどでした。しかし、2年ほど前から注力し、現在は200~300名ほどに増加しています。おかげさまで新卒採用に関してはさまざまな調査のIT業界部門や全業界で1位※を頂戴するなど注目いただいているのですが、中途採用における知名度はまだまだです。「デジタル」「グローバル」「コンサル」領域でも強みを発揮する実態と、多くの皆様がお持ちの当社のイメージである「PM」「大規模」「トラディショナル」にはまだ大きな乖離があり、採用ブランディング強化に取り組んでいます。中途採用に注力する理由は雇用の流動性やIT人材不足への対応という側面はもちろん、組織文化に新しい風を吹かせていただくことへの期待もあります。私は直近の2年ほど人事本部で中途採用の拡大を推進する役割を担い、全社のさまざまな部門の中途採用面接に携わりました。その中で、全く異なる業界経験者でお持ちのスキルも全然違うのに「活躍してくれそうだ」と期待の持てる方がたくさんいました。この夏に現在の部署に戻り中途採用の募集をかけたのですが、我々の募集要項ではそもそもご応募いただけませんし、仮にご応募いただけたとしても書類審査の段階でどうしても見送りの判断が多くなってしまう。会わないと分からないが、すべての方にお会いする余裕もない、そこにジレンマを抱えていました。

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神長 それはもったいないですよね。

頓所 そうなんです。そうした課題に改めて直面する中で、ミイダスさんから本サービスの紹介を受けました。まずはこのフィッティング人材分析で自分たちの組織の特徴を把握して、その上で業界未経験やスキルセットが異なっていても自部門に”ハマりそうな人”にミイダスでオファー、スカウティングできる点に、興味を持ちました。

 

フィッティング人材分析機能とは?

入社後の「活躍」がポイント、自分たちに特化した指標を持つことが大切

頓所 自分たちの組織とメンバーの行動特性を知り、それらを匿名化して分析した指標をもとに、入社後に活躍してくれそうな人に声がけするという発想は非常に面白いと感じました。まさに私が感じていた「スキルは違うけど活躍できそうな方」を見つけることができそうだ、と。

神長 そうですね、新卒採用で用いられる他の適性検査とは異なり、これまでの職責で培ってきた行動や習慣の特性、いわゆるコンピテンシーにフォーカスを絞り、適正職種への紐づけまで行う点が特色です。仕事はそもそもゴールが多様で、必要なスキルセットもモチベーションも異なるので学校の学力テストや知能テストのような尺度では測れません。ミイダスは能力の優劣よりも自社に合うかを測って採用する方が活躍する可能性が高いと考えており、その前提を踏まえ、この分析では自分たちの組織に特化した、新たな採用の指標を持つことが可能になります。そして、その指標をもとに業界経験やスキルセットなどのこれまでの基準に縛られずに自分たちの会社、組織で活躍できる特性に近い人を探せる。適材適所を実現するツール、とも言えますね。


頓所 分析結果で特に興味深かったのが、『ストレス』の項目です。営業部隊ですので対人折衝にストレスを感じにくい人が適していて、多いと考えていたのですが、実際は対人折衝に“ほどよく”ストレスを感じる人間が多い、との結果は意外でした。

神長 仕事において適度なストレス、緊張感は活躍に必要なものですからね。特に活躍する方々は、折衝自体にストレスを感じるが故に事前準備をしっかりとして、周囲やお客様に配慮しつつパフォーマンスを発揮するのでしょう。

頓所 その解釈には納得感があります。『なんでも当たって砕けろ』ではなく、当たって砕けたくないからこそ適切な準備をして、お客様や周りの方の思いを伺う姿勢を持つのだと思います。

神長 ほかにも組織の特徴として『チームワーク』『状況適応力』『人当たり』がいずれも高い傾向なのが印象的でした。

頓所 我々の仕事は一人で完結できるものは少なく、多くの場合はチームで対応をします。個人の能力だけで対処するのではなく、人と人、組織同士で折衝を重ねて進めていくので、必然的にチームワーク、状況適応力や人当たりの意識も高まるのだと感じます。

神長 この組織ではそれらが求められる業務特性の表れでしょう。そしてもう一つ、先に挙げた3項目以外の指標はバラバラで、非常に幅広い分布になっている点もユニークな特徴です。これは組織としての多様性を示していて、さまざまな案件に対応するのに適した組織特徴を捉えられます。

頓所 そのご指摘で気が付きましたが、その3項目は当社が大切にする価値観「Clients First」、「Foresight」、「Teamwork」と符合しているんですよね。その意味で、この価値観がしっかりと根付いているのだな、と嬉しく思いました。

自組織の“コンピテンシー”を知ることで、募集と面接が変わる

頓所 この分析結果を踏まえ、これまでのアプローチに加えて現職での経験やスキルセットではなく、我々の組織にフィットする可能性が高い特性を持つ人に声をかけ始めており、面接が楽しみです。人事採用面接は約1時間の限られた時間の中で、人となりやスキルを見立てるのは非常に難しいもの。どうしても面接員に依存する部分はありますし、昨今の情勢下でオンラインによる面接も増え、ますます難易度が高まっています。そんな中で、特性の参考情報があることで質問と対話もしやすくなり、面接員も非常に助かりますし、候補者の方にとっても有意義な対話の時間になると思います。

神長 これまで多くの企業が募集条件で自ら獲得する人材の幅を狭めてしまっていたように思います。これから環境変化が激しさを増す中で、活躍する人材の採用はさらに難しくなります。フィッティング人材分析を活用いただくことで従来の一般的な採用基準だけでは見落とされていた人材にも光が当たり、幅広い層からの採用が可能になります。我々の研究所のコンセプトの一つが『仕事を定義する』こと。ビジネスモデルは説明できても、自分たちの仕事そのものを言語化するのは実は非常に難しい。ただ、仕事に必要とされるスキルを定義するには、そもそもその仕事をきちんと定義しないとなりません。組織にフィットする人の特徴は、仕事の定義を考えることにも大いに役立っています。

頓所 変化が激しく、求める人材にも多様性を求める時代だからこそ、自分たちの仕事そのものや仕事にかける思いを言語化し、腹に落として理解することは非常に重要ですね。これからもミイダスさんには、採用の課題解決に役立つサービス提供に期待しています。

神長 本日はありがとうございました。

2020年8月取材 ※ページ内の組織名、役職名は取材時点のものです

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